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夏の夜のタクシー幽霊譚…意外すぎる乗客とその行く先/黒史郎・妖怪補遺々々

夏の夜のタクシー幽霊譚…意外すぎる乗客とその行く先/黒史郎・妖怪補遺々々

講談の世界でも「冬は義士、夏はお化けで飯を食い」などというように、夏のお話といえば怪談! なかでも「タクシーの幽霊」は定番中の定番ですが、そこはいかにも妖怪補遺々々らしい斜め上なお話を紹介しよう。 ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」だ!  文・絵=黒史郎 #妖怪補遺々々 タクシー怪談 ひと気のない夜道を走る、1台のタクシー。  舗装された道から未舗装の道に変わると、節くれだった

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幻灯機の女性/読者のミステリー体験

幻灯機の女性/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 幻灯機の女性 東京都 59歳 池田まりよ  あれは3年ほど前、千葉県柏市に住んでいたころのことでした。  ある日、昼間は忙しくて愛犬を散歩に連れていけなかったので、もう夜も11時40分ごろになってから出かけました。  そのとき、私が散歩コースに選んだのは、それまでもときどき通ったことのある道でした。 右側には住宅と粟畑があり、左側は森になっていま

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1978年の「口裂け女」メディア報道/吉田悠軌・オカルト探偵

1978年の「口裂け女」メディア報道/吉田悠軌・オカルト探偵

「口裂け女」の噂は、1979年の大流行によって初めて日本全国へ広まった……そんな”定説”のマスクをはがし、オカルト探偵が「これでも……?」とデータを見せつける。1978年に埼玉で出現した「口の裂けた女」が報じられていた資料を発見したのだ! ムー本誌に先駆け、前振り・速報記事をお届けする。 文=吉田悠軌 #オカルト探偵 1979年1月22日「名古屋タイムズ」「……わたし、きれい?」  宵闇に子どもを待ちぶせ、そう問いかけてくるトレンチコートの大女。マスクをはずせば、耳まで裂

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別の場所の夫/読者のミステリー体験

別の場所の夫/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 別の場所の夫 福井県 66歳 今井富貴子  私の前夫は、ときどき私に奇妙なことをいっていました。  どうやら自分には、もうひとりの自分がいて、その別の自分が別の場所にいることがよくあるらしい、などということです。  でも、当時、まだ若かった私にはそんな話は少しも信じられず、何をバカなことをいっているのだろうと思うだけでした。  そんな、ある日のこ

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ブダペストの夜/西浦和也・裏話怪談

ブダペストの夜/西浦和也・裏話怪談

不意に姿をみせるこの世の裏側。いつ、どこで出会ってしまうのか、それはだれにも分からない。今回は、遠く異郷の地で遭遇してしまったそんな裏話怪談を、一話。 文=西浦和也 #裏話怪談 イラストレーション=北原功士 西浦和也 ( にしうらわ) 自らの実体験から取材まで、膨大な不思議を集める怪談蒐集家。トークライブなどイベント出演のほか、『西浦和也選集 獄ノ墓』(竹書房怪談文庫)など著書も多数。 ブダペストの夜 怪談といえば、目の前に幽霊が現れる話が多い。当然その方がわかりやすく

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独居房/読者のミステリー体験

独居房/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 独居房 栃木県 36歳 相沢信之  私は、以前、死刑囚や無期囚といった凶悪な犯罪を犯した囚徒を収監し、施設内には死刑場もある、古い歴史をもつ刑務所で服役していました。  刑務所では、通常、雑居と呼ばれる大部屋で10人前後が共同生活を送り、免業日という休日以外は施設内にある各工場に行って、朝の8時から夕方4時までさまざまな作業に従事することになって

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死者からのワンコール/あなたの怪奇ミステリー体験

死者からのワンコール/あなたの怪奇ミステリー体験

それまで晴れわたっていた空模様が、なぜか突然、怪しげに。 そのときである。峠道のトンネルから自転車に乗った少年が現れたのは。 その後、少年に続いて車を走らせるも、彼の姿はもうどこにも……。 イラストレーション=不二本蒼生 トンネルの少年木樹/福岡県北九州市 今から10年くらい前のことになります。 そのころ仲のよかった友人3人と、大分県にある城島(きじま)高原までドライブしにいった帰りのことでした。メンバーは、私以外に男友だちふたりと女友だちがひとりです。 別府湾が見わた

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長野県上高井郡綿内村の”河童”の様相/黒史郎・妖怪補遺々々

長野県上高井郡綿内村の”河童”の様相/黒史郎・妖怪補遺々々

今回は、水辺で遊ぶ機会の多い夏にぴったりのメジャー妖怪、河童について。しかし、今回発掘されたその姿は、われわれのイメージとは異質なものだった! 亜種か? これが真の姿なのか? ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」! 河童はどんな姿で、なにをするものか 皆さんのもつ「河童」の姿のイメージは、どのようなものでしょうか。  頭に皿、緑っぽい肌の色、手足には水掻きがあるでしょうか。それとも

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血が出るだけ/読者のミステリー体験

血が出るだけ/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 血が出るだけ 愛知県 44歳 長瀬久美子  あの事件は、私が小学校1年生の初夏のころに起きた。  昼休み、体操服姿で友達ふたりと校舎の渡り廊下を走っていると、突然、目の前でビシャビシャという音がした。驚いて立ち止まり、次の瞬間、ギョッとした。  信じられない気持ちで、その場を食い入るように見つめていた。  なんと、渡り廊下に敷いてあるスノコ板一面

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数珠の覗き穴/読者のミステリー体験

数珠の覗き穴/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 数珠の覗き穴 沖縄県 54歳 上運天真次  寺や仏具店などで販売されているお守りグッズに数珠形のブレスレットがある。ひときわ大きい珠の中に干支が描かれており、小さな穴からレンズを通して見えるようになっている。これは、そのブレスレットにまつわる不思議な話だ。  1997年の夏、会社での私の部下であるKさんの奥さんが、原因不明の病気で一日たりとも薬が

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