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夜泣き/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 夜泣き 東京都 36歳 高杉圭一  昨年11月、S子という女性と結婚しました。式直前まで身辺にやっかいな問題を抱えていたため、新婚旅行先で、ようやく心身ともにストレスから解放されたような気がしたものです。  結婚後、しばらくは平穏な日々が続きました。ところがある朝のこと、目覚めた私の顔を覗きこみながら、妻が不安そうに聞いてきたのです。 「ねえ、あ

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ありがたくない! 南国の悪神に出会ったときの対策とは?/黒史郎・妖怪補遺々々

徳之島をはじめ、奄美地方に伝えられる神様のなかには、じつにありがたくない…嫌〜な神様がいらっしゃる。そんな神々を、今回は掘り起こしました! ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」だ!  文・絵=黒史郎 #妖怪補遺々々 ありがたくない神様「苦しいときの神頼み」とはいいますが、頼んでも祈っても、なにも叶えてくれない、助けてもくれない、場合によっては殺されてしまう――そんな、出会いたくな

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白蛇酒/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 白蛇酒 兵庫県 54歳 岡崎春男  数年前に知人の身に起きた出来事です。  彼の家は岡山県の地方都市の郊外にあり、代々、行商人などが利用する木賃宿を経営してきました。  聞くところによると、その家には大きな白い蛇がすみついていて、その白蛇が彼の家を守ってくれるということです。この話は代々伝えられているそうです。  そのせいかどうか、あることから彼

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生の事故現場/黒史郎・実話怪談 化け録

日常を不意に襲う怪異の記録、化け録。それはどこか、交通事故にも似ているかもしれない。 今回は、事故にまつわる、なんとも奇怪なお話を、ひとつ。 文=黒史郎 絵=北原功士 現場にて たとえ、場所、時間を同じくしても、あなたの隣にいる人は必ずしも、あなたと同じものを見ているとは限らない。どちらかの視線は歪んだ世界に迷い込んで、見るべきではないものを見ている、そんなことがないとはいいきれない。  次のような事例がある。  桃香さんはその日、友人のS美とコンサートへ行った。会場

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冷たいバー/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 冷たいバー 栃木県 30歳 山田宏  8年前に大学を卒業し、大手印刷会社の支所に就職しました。そして約2か月の期限で、本社研修のため、東京都T市にある本社寮に入寮しました。1か月もたつと研修生活にも慣れて、自由時間には本社で知りあった同僚たちと居酒屋などに飲みにいくようになりました。  そんなある夜のことです。  一日のスケジュールを終えた私は

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実話怪談と心霊ドキュメンタリーが追った「恐怖のリアリティ」/吉田悠軌・オカルト探偵

「実話怪談」と「心霊ドキュメンタリー」。一般的にはほぼ同じジャンルと思われがちだが、その実、両者は正反対のベクトルを歩んだといっていいほどに違うものなのだ。90年代以降、「不思議とリアリティ」を追い求めつづけたふたつの文化運動の現在地とは? 文=吉田悠軌 #オカルト探偵 「実話怪談」と「心霊ドキュメンタリー」  私は「オカルト探偵」を名乗ってはいるが、オカルト全般の知識が深いわけではない。あくまでメインの活動は「実話怪談」の収集と発表である。 「実話怪談」はかなり新しいム

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竹藪の先に広がる謎の田園風景……/あなたの怪奇ミステリー体験

通いなれ、隅々まで知りつくしているはずの竹たけ薮やぶ。ところが、今日に限ってまるで目にしたことのない光景が眼前に。夢か? 幻か? いや、もしや今、自分がいるこの場所は……。 イラストレーション=不二本蒼生 竹藪を抜けると◆山段敏明/京都府福知山市(71歳)  令和2年6月7日の日曜日、13時30分ごろのことでした。  私は一級河川の由良川沿いにある父親所有の竹藪へ、淡竹の筍を採りにいきました。  鬱蒼とした竹藪の中に入り、細い筍を何本か採った後、もっと太いものはないかと

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枕元の地獄/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 枕元百鬼夜行 富山県 58歳 大田千尋  平成14年のある日の深夜のことです。何やら異様な気配を感じて目を覚ましました。  なんと豆電球の薄明かりの中に、床から50センチほどの高さまで垂らしてある蛍光灯のスイッチのヒモをつたい、全体が25センチほどもある大きな紅い折り鶴が、スーッと下りてくるのが見えたのです!  驚きながらも、もしかしたら自分が

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二十数年たっても/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 二十数年たっても 富山県 25歳 大田和子  私の実家は衣料品店を経営していて、お店のお客さんに82歳になるお婆さんがいます。このお婆さんが、ある日、突然、私たちがびっくりするようなことをいいだしました。 「私には死んだ人が見えるんだよ」  昔、お婆さんの家の筋向かいに夫婦と息子ひとりの3人家族が住んでいたそうです。ところがこの家のご主人が、

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近代・鬼女怪談の変遷/吉田悠軌・オカルト探偵

1979年以前から日本各地に「出没」していた口裂け女。そのルーツをたずねれば、はるかに古く鬼女や山姥にまでたどりつくことができる。「口の裂けた女」のイメージの淵源を求め、オカルト探偵の思索はさらに時代をさかのぼっていく。はるかに古く鬼女や山姥にまでたどりつくことができる。「口の裂けた女」のイメージの淵源を求め、オカルト探偵の思索はさらに時代をさかのぼっていく。 文=吉田悠軌 #オカルト探偵 口裂け女の前史に迫る!  当連載では前2回にわたり、1979年の大流行前、70年代

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