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「屁」で幸福を得る爺と、災いを得る隣の爺/黒史郎・妖怪補遺々々

「屁」で幸福を得る爺と、災いを得る隣の爺/黒史郎・妖怪補遺々々

前回に続き〝妖怪放屁放屁〟3部作の第2弾! 鳥を呑んだ爺さんと隣の爺さんの物語と、21の類話を怒涛の如く補遺々々します。 ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」だ! 文・絵=黒史郎 #妖怪補遺々々 ある爺の成功物語  どこにでもいるような普通の善良なお爺さんが、ある日、自分の人生を変えることとなる「奇跡の屁」を獲得する――そんな昔話が全国各地に見られます。 「隣の爺」の回(202

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「嫁の屁」で、飛ぶ。/黒史郎・妖怪補遺々々

「嫁の屁」で、飛ぶ。/黒史郎・妖怪補遺々々

普通の妖怪譚より奇妙かつ恐るべきは「嫁の屁」……? 今回より3回に渡り、「におう」話を補遺々々します。 ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」だ! 文・絵=黒史郎 #妖怪補遺々々 おならの意味 「へへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ」  31個の「へ」。これは加保茶元成という狂歌師が、人が放屁したときに周りの人が笑った様を詠んだものだといいます。五・七

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土瓶が、下がる。/黒史郎・妖怪補遺々々

土瓶が、下がる。/黒史郎・妖怪補遺々々

ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」! 今回は、藪や枝に〝下がる〟土瓶の怪異を補遺々々します。 文・絵=黒史郎 #妖怪補遺々々 なぜ、その姿に……  古い道具や棄てられた道具が、化けて妖怪となる――そんなお話があります。茶器、仏具、食器、その他日常品に目や口や鼻が現れ、角や手足や尻尾が生え、歌い、踊り、飲み食いし、時には人々を脅かします。このような「道具が化けた妖怪」は絵巻や昔

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『北越雪譜』の化け猫か!? 雲洞庵の妖怪・火車の頭骨/山内貴範

『北越雪譜』の化け猫か!? 雲洞庵の妖怪・火車の頭骨/山内貴範

江戸時代に出版された『北越雪譜(ほくえつせっぷ) 』には、越後国の古刹・雲洞庵(うんとうあん)の住職が、霊力を使って化け猫を退治した逸話が記録されている。しかも驚くことに、その雲洞庵には、火車(かしゃ)という化け猫の頭骨が保管されている。現地で目の当たりにした筆者は、奇怪極まりない形に衝撃を受けた。いったい、この頭骨の正体は何なのか? 『北越雪譜』の記述と寺の伝承をもとに、真相に迫った。 文=山内貴範 写真=キッチンミノル 『北越雪譜』の化け猫と火車の頭骨の謎  猫とい

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人を食う鬼と、鬼を食う人/黒史郎・妖怪補遺々々

人を食う鬼と、鬼を食う人/黒史郎・妖怪補遺々々

ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」! 今回は、世間で何かと話題の「鬼」にまつわる伝説から補遺々々します。 文・絵=黒史郎 #妖怪補遺々々 鬼=人でなし  私たちは「鬼」という言葉を、日常会話の中で気軽に取り入れています。「鬼嫁」「鬼教官」「鬼のように〇〇」「鬼うまい」「鬼ヤバイ」「鬼ハンパネェ」――このような接頭辞の「鬼」は、およそ「とてもすごい」「とても怖い」と感じる物や事

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子供の遊びに忍び込む”鬼”や”異なるもの”たち/黒史郎・妖怪補遺々々

子供の遊びに忍び込む”鬼”や”異なるもの”たち/黒史郎・妖怪補遺々々

ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」! 新年一発目は、『異』なるものと繋がろうとする子供たちの遊びから補遺々々します。 文・絵=黒史郎 #妖怪補遺々々 遊戯に「異」が混じる  奥成達『遊び図鑑』には、「ブタノコマギレ」「伝染病」「牛殺し」「子とろ子とろ」など、物騒な名称をもつ遊びが見られます。遊びの中には昔から、何らかの「残酷」は入っているものでした。戦争、いじめ、死を連想させ

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牛の鬼神と魔神 その知られざる歴史と正体/本田不二雄・神仏探偵

牛の鬼神と魔神 その知られざる歴史と正体/本田不二雄・神仏探偵

2021(令和3)年、人類史上に残る疫病の蔓延のなか、丑年を迎える。このことは、12 年に一度の巡りというだけではすまない意味を持っているかもしれない。 「牛」に象徴される神々は、疫病をもたらし、さまざまな災厄をもたらす元凶であるとともに、ねんごろに祀り、礼拝することで、これらの厄禍から人々を守ってくれる神であるという。 「鬼神」にして「魔王」——そんな牛神をめぐる闇の日本史をひもとき、その知られざる正体に迫ってみたい。 文・写真=本田 不二雄 #神仏探偵 牛御前と素戔嗚

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ひとつ目の藁人形を流す奇祭! 大宝八幡宮ひとつもの神事/影市マオ

ひとつ目の藁人形を流す奇祭! 大宝八幡宮ひとつもの神事/影市マオ

秋祭りの晩、夜道を無言で進む和装の集団。 その行列には、ひとつ目の奇妙な人形が厳かに掲げられている。 飛鳥時代から続く古社に伝わる謎の祭礼「ひとつもの神事」には、失われゆく日本古来の宗教観と、今も息づく疫病鎮めの願いが秘められていた。 文・写真=影市マオ 珍しい火祭りを伝える創建1300年の古社  現在の「令和」にまで至る継続的な元号制度が始まったのは、日本初の法典「大宝律令」が成立した「大宝」の時代である。対馬で初めて産出した国産の金が朝廷に献上され、「大きな宝を得た

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化け物屋敷に飛来する怪火の奇譚/黒史郎・妖怪補遺々々

化け物屋敷に飛来する怪火の奇譚/黒史郎・妖怪補遺々々

ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」! 今回は〝宇宙3部作〟の最終回、七尾町の怪火と恐ろしい顔が出現した「化け物屋敷」伝承から、補遺々々します。 文・絵=黒史郎 #妖怪補遺々々 未確認発光物体  空飛ぶ円盤、UFO――なのではないかと話題になった怪火【そうはちぼん】、「カッ」と音を立てて〝ハッチ〟が開くと光る鳥が飛びだす奇石【かっと石】など、解釈のしかたによってはSF的といえる

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全裸の老女を担ぐ幽霊集団/黒史郎の妖怪補遺々々

全裸の老女を担ぐ幽霊集団/黒史郎の妖怪補遺々々

ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する「妖怪補遺々々」。今回は「南島研究」より、ちょっと変わった怪異・怪談を補遺々々します。 文・絵=黒史郎 #妖怪補遺々々 「南島研究」の怪談  暖かな陽春に語られる夢、幻めいた怪談もありますし、冬の囲炉裏端で語られる、身も心も凍てつく怪談もあります。ですが、やはりなんといっても怪談は夏でしょう。(編注:初出時が夏の掲載でした)  さて、怪談の主人公といえば、いうまで

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