紀州の「二足蛇」と信州の「野守」/鹿角崇彦・大江戸怪獣録
ツチノコや大蛇の伝説は数多いが、「足」付きの奇妙な話をピックアップ。見間違いか、それとも突然変異だったのか?
文=鹿角崇彦 #大江戸怪獣録
後ろ足だけある蛇 前回紹介した、羽州米沢の「三頭蛇骨」。寺の屋根裏から発見されたという三つ首の奇妙な骨は江戸の耽奇趣味人たちのあいだでずいぶん話題になったらしく、模写図もひとつならずつくられていたようだ。前回のものとは別の三頭蛇骨図がこちら。
みっつの頭それぞれの眼窩がはっきり描かれていて、動物らしさがより強く感じられる。この図を描