ちょっとムーでも読んでいきなよ

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まだまださきのもの/読者のミステリー体験

まだまださきのもの/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 まだまださきのもの 栃木県 46歳 福田宏  最近、ある大手電機メーカーが発表したヘッドホン型ステレオの最新モデルを見て、びっくりしていました。  私はなんと、それを35年前に見ていたのです!  そのころ私の実家は、アパートを営んでいました。2階建てで12室あり、大学生や若い勤め人が主な住人でした。  私が小学6年生のときです。空き室にひとりの

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廃墟が呼ぶ/黒史郎・化け録
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廃墟が呼ぶ/黒史郎・化け録

あるときは図書館の書架を漁り、あるときは体験者から話を訊き……「化け録」は、日々古今の怪異を収集する作家・黒史郎が拾い集めた膨大な化け物たちの記録。 第1回目はまず、こんなお話を、ひとつ。 文=黒史郎 イラストレーション=北原功士 廃墟が呼ぶ 廃墟には人を惹きつけるものがある。だからといって勝手に踏み荒らしていいはずがない。  しかし、近年ではそういう場所を心霊スポットと称して不法侵入し、撮影した動画をネットにあげる行為が横行している。これは霊に対しても不行儀ではないだろ

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るみちゃん人形/読者のミステリー体験

るみちゃん人形/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 るみちゃん人形 北海道 27歳 鈴木沙織  小学校のころ、父にねだって、声が出る人形を買ってもらいました。私はその人形に〝るみちゃん〞と名前をつけ、とても可愛がりました。寝るときも、出かけるときも、ずっと抱っこしていました。中学生になってもそれは変わらず、本当に大切にしていました。  中学1年生のころ、うちに遊びにきた友だちが、るみちゃんを見て、

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古い学生寮に住み続けている霊の話…ほか/ミステリー体験
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古い学生寮に住み続けている霊の話…ほか/ミステリー体験

戦前に建った古い学生寮。そこで快適に過ごしていたある真夏の夜のこと。夢の中に見知らぬ人物が! 氷のように冷たい手をした薄気味悪い謎の人物。この世のものか、はたまたあの世からの訪問者か。真相は今も闇の中……。 イラストレーション=不二本蒼生 学生寮の夜◆林田恵子/栃木県足利市(51歳)  通っていた大学には学生寮があり、私は3年間ほどそこでお世話になっていました。  その学生寮は戦前に建てられたもので、造りはとてもモダン。アンティークの好きな私は、当時、その学生寮に大きな

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油揚げと菓子パン/読者のミステリー体験

油揚げと菓子パン/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 油揚げと菓子パン 徳島県 48歳 河村正子  スーパー勤めの友人から聞いた話です。その人の義姉は裕福な家に嫁いだのですが、その家で長いことお祀りしていたお稲荷様を、このごろおざなりにしていたそうです。そのせいかどうか、つい最近になって体調を崩して入院したとのこと。  これはそのしばらく前のお話です。ある日、その義姉が菓子パンを食べようとして袋を

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人込みの中から/読者のミステリー体験

人込みの中から/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 人込みの中から東京都 35歳 石井隆之  最初は、帰宅途中の電車がドアを閉めて動きだしたときだった。私の目が、ホームに立っているひとりの男の姿をとらえた。  ──あれ? Hじゃないか……?  その男は確かに学生時代の友人のHに見えた。だが、スピードをあげながらホームをあとにする電車の窓からは、それを確認することはできなかった。Hとは、もう10年近

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念入りCD/読者のミステリー体験

念入りCD/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 念入りCD 神奈川県 32歳 柏田浩二 「あの気味の悪い声の入ったCDのこと、覚えてる? あれね、O君が持ちだしたらしいわよ」  ぼくは半年ほど前まで、某大手CDショップ・チェーンで働いていました。先日、その店の元同僚のTさんとばったり出会い、お茶をすることになったのでした。  彼女の話では、やはり以前、同じ職場にいたO君が、昨年11月にバイクで

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蛍柱/読者のミステリー体験

蛍柱/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 蛍柱 埼玉県 70歳 伊藤方年  あれは、昭和20年8月初めのこと。当時、私は12歳、中学1年生でした。  そのころ東京に住んでいた私たち家族は、アメリカ軍の激しい空襲を避けて、ある村の民家に疎開していました。  そんな、ある日の夕方、私は母の用事で父の勤め先まで行ったのですが、父と行き違いになってしまったので、しかたなくひとりで終電車に乗って帰

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夢枕で最期の挨拶/ミステリー体験

夢枕で最期の挨拶/ミステリー体験

あの世へ旅立つ瞬間、人は何を思い、何を願うだろう。もう一度、会いたい。直接、会って、今生の別れをあの人に告げたい。 切なる望みは時空を超え、いつしかあの人の元へ……。 イラストレーション=不二本蒼生 夢枕の別れ◆木下幸子/岩手県奥州市(65歳)  これは、今から20年ほど前の私の体験です。  市の大腸がん検診を受けたところ精密検査が必要という通知書が届きました。  “きっと大丈夫”とは思いながらも不安な思いで再検査の日に指定されていた病院の受付に行くと、そこにAさんがい

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夏の夜のタクシー幽霊譚…意外すぎる乗客とその行く先/黒史郎・妖怪補遺々々

夏の夜のタクシー幽霊譚…意外すぎる乗客とその行く先/黒史郎・妖怪補遺々々

講談の世界でも「冬は義士、夏はお化けで飯を食い」などというように、夏のお話といえば怪談! なかでも「タクシーの幽霊」は定番中の定番ですが、そこはいかにも妖怪補遺々々らしい斜め上なお話を紹介しよう。 ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」だ!  文・絵=黒史郎 #妖怪補遺々々 タクシー怪談 ひと気のない夜道を走る、1台のタクシー。  舗装された道から未舗装の道に変わると、節くれだった

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