ちょっとムーでも読んでいきなよ

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人込みの中から/読者のミステリー体験

人込みの中から/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 人込みの中から東京都 35歳 石井隆之  最初は、帰宅途中の電車がドアを閉めて動きだしたときだった。私の目が、ホームに立っているひとりの男の姿をとらえた。  ──あれ? Hじゃないか……?  その男は確かに学生時代の友人のHに見えた。だが、スピードをあげながらホームをあとにする電車の窓からは、それを確認することはできなかった。Hとは、もう10年近

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笑っているんですね/読者のミステリー体験

笑っているんですね/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 笑っているんですね 兵庫県 47歳 木村茂子  忘れもしません。地下鉄を利用するたびに思いだします。ある若い男性の笑顔です。  数年前のことです。地下鉄の駅でした。午後2時ごろだったと思います。私はホームの壁にもたれて、電車が来るのを待っていました。そのときです。  カラン、コロン、カラン、と今どきめずらしくゲタの音をさせて、25〜26歳のほ

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深夜にすり寄るもの/あなたのミステリー体験

深夜にすり寄るもの/あなたのミステリー体験

幽霊ではなさそうだ。でも、しつこいほどに私に擦りよってきた謎の人物の姿はどこにも見当たらない。 鮮明な夢だったのか? それともやはり現実か!? 摩訶不思議としかいいようのない現象が。 イラストレーション=不二本蒼生 深夜3時のスリスリ ◆Nさん(27歳)/岐阜県  2020年4月6日、深夜3時から朝までの数時間の出来事です。  その時私は、母と共有している2階の寝室で、頭を南向きに、顔を西の壁に向けて眠っていました。  そのうちだれかが、まるで猫のように顔や頭を私の背

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早く行くべ/読者のミステリー体験

早く行くべ/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 早く行くべ 岩手県 25歳 村上かつ子  私は何年か前から、ある事情で大変につらく苦しい毎日を送ってきました。なんとかこの状況から抜けだそうと、ずっと歯をくいしばって耐えつづけているのですが、やはり、ときとしてふと気が弱くなり、つい、もう死んでしまいたいと真剣に考えてしまうこともありました。  そんな、ある日の出来事です。  私は勤務先には車で

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キラキラした球体からの呻き声……/あなたのミステリー体験

キラキラした球体からの呻き声……/あなたのミステリー体験

お願い! 私たちを助けて! ! 悲痛な願いも空しく火災で焼死した母子。 この親子には、とうてい、死を受けいれることなどできないのだろう。 道行く人々に助けを求め、死後も街を徘徊する悲しいふたり連れ……。 イラストレーション=不二本蒼生 全身火傷の親子 ◆Sさん(52歳)/静岡県  親元を離れて都内の大学に通うため、アパートで独り暮らしをしていたころの出来事です。  ある夜のこと、私は大学のゼミの研究発表を控え、夕食も取らずに資料作りに没頭していました。しかし、さすがに

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位牌のかけら/読者のミステリー体験

位牌のかけら/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 位牌のかけら 群馬県 14歳 久笹子  私がとても恐ろしい体験をしたのは、今から5年前、まだ9歳のときでした。ある夜、眠っていた私は、両親の激しくいい争う声に目を覚ましました。両親は、私の寝ている部屋の隣の部屋でいい争っていました。  どうしようかと思っていると、いきなり父が私の部屋に入ってきました。そして、そこにあった死んだ祖母の位牌を手にす

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「きれいなドア」/読者のミステリー体験

「きれいなドア」/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 きれいなドア 石川県/平塚美代子(14歳)  あれは私が小学5年生のころの冬でした。ある日、私は友人のN、Yと一緒に、Tの所に遊びに行きました。Tの家の前には古いアパートが2軒並んでいて、陽当たりが悪く、私はなんだか妙な気分になりました。でもみんなと遊んでいるときに、変なことをいいだすのもと思い黙っていました。私たちは、そのTの家の前でオニごっ

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学校・トンネル・病院の怪奇体験投稿/あなたのミステリー体験

学校・トンネル・病院の怪奇体験投稿/あなたのミステリー体験

子供たちはとっくに帰宅し、静まりかえった校内。巡回のため階段にさしかかると、踊り場の鏡に男性とおぼしき姿が。いるはずのない人の姿がなぜそこに? イラストレーション=不二本蒼生 踊り場の鏡 ◆Hさん(52歳)/静岡県  これは、以前、私と同じ学校に勤務していた、S先生というベテラン女性教師が体験した出来事です。  S先生に『戸締り当番』がまわってきた日のことでした。その学校では、月に1~2度、順番で、教師が帰宅する前に校舎内の戸締りを確認することになっていました。  

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「うどんげの華」/読者のミステリー体験

「うどんげの華」/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 うどんげの華 和歌山県/香山さと(56歳)  私にはあまりオカルトだとか超能力というものはわかりませんが、この世の中には不思議なことはあると思います。  そのひとつに、〝うどんげの華〞というのがあります。周知のようにこれは、クサカゲロウという、蚊の5〜6倍もあるような大きい虫の卵です。でも、それにしてはめったにこの卵は目につきませんし、私も56

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「かえる女性」/読者のミステリー体験

「かえる女性」/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。 選=吉田悠軌 かえる女性 秋田県/佐藤紫穂(13歳)  その日、私は学校で友人と時間を忘れるほど夢中になって遊んでいたため、帰るのがいつになく遅くなってしまいました。ひとりで帰ることには慣れていましたが、その日のように遅い時間には、それまで一度もその帰り道を通ったことはありませんでした。昼間でも人通りが少なく、電灯も途中にふたつくらいしかない淋しい道でした。

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