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<入選発表>オカルト短歌・お題「念」/笹公人

歌人・笹公人氏の新刊『念力レストラン』(春陽堂書店)の発売を記念しての「オカルト短歌」企画。お題「念」にて、多数の投稿をいただきました! 優秀作の発表です。

文・選評=笹公人

念入りに選歌

たくさんのご投稿ありがとうございました!
「ムー」連載時代の常連投稿者の懐かしいペンネームの数々を見て、うれしくなりました。なんだか同窓会の気分です。
今回、いい歌が多くて、選歌に悩みました。その分、自信を持ってお送りできます。みなさんの作品をぜひお楽しみください!

では、念力を込めて、結果発表!!

<最優秀作品>

恒例の念力大会中止にてスプーン2本が届く夏の日
【ふじたま】
  

新型コロナウイルスの影響で中止となった年に一度の「念力大会」。
申込金が返却されない代わりに、申込者に<参加賞>のスプーン2本が送られたのでしょう。
2本というところがリアルです。
往年のエスパー清田さんのような超能力界のスターを目指している少年にとって、大会中止はさぞ無念だったことでしょう。
コロナ禍の世相が反映されているところも素晴らしかったです。

ちなみに作者の正体は、
SF作家の藤田雅矢さんです! オカルト短歌もお上手です!

☆賞品 『念力レストラン』笹公人・著(春陽堂書店)

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<優秀作品>

埴輪には空洞があり人々の念じるものが棲みついてゐる
【藤﨑正二】
  

埴輪のボディが空洞なのは、人々の念を入り込ませるためだったのか……!
思わず唸る作品です。
実際にそういう説があるのかどうかはわかりませんが、妙に説得力がありました。
日本文化の「余白の美」の原点は、埴輪にあるのかもしれないと考えさせられました。


念力で白熱電球光らせて読むエジソンの学習まんが
【星野珠青】 
 

意味不明な行動ですが、エジソンへのリスペクトなのかもしれません。
エジソンはどうだったか知りませんが、エジソンのライバルの二コラ・テスラは、もろに超能力者でしょうね。

シンプルなアイディアが光る、おもしろい歌ですが、句跨りにしなくてもよかった気もします。
また、エジソンが執筆した「学習まんが」と思われてしまう恐れもあるので、こうしてみてはいかがでしょう?

念力で白熱電球光らせて学習まんが「エジソン」を読む


自らの息ととのわせ今心(いまこころ) 念に満たされいま実現(みあら)す
【清田益章】

スプーン曲げの本家がまさかの登場!!!
エスパー清田こと清田益章さんの作品です。
道歌(みちうた)にカテゴライズされる作品かもしれませんが、「念力とは何か」を教えて頂いたような気がします。半紙に清書して部屋に飾りたくなるような歌です。

清田さんのエッセイ集『超能力野郎』清田益章・著 日笠雅子・編(扶桑社/1988年)は、僕のむかしからの愛読書です。小学校時代からの清田さんの超能力行動を綴った「父の日記」が特に凄まじくて、パワーがほしい時などに読み返します。

9・11の直後に、清田さんの実家に遊びに行ったことがあります。
「この間、こんなパラパラ漫画を書いたんだよね」と言って、清田さんがノートをパラパラめくってくれたのですが、それは、飛行機がビルに突っ込むパラパラ漫画でした。つまり清田さんは、あの事件を予知していたということです。驚きました。なぜパラパラ漫画にしたのかは謎ですが……。
もちろん、持参したスプーンやフォークも念力で曲げたり折ったりして頂きました。懐かしい思い出です。
清田さん、ありがとうございました!


<佳作>

座高の高い男に念を送り過ぎどんな映画かわからぬままで
(戸田響子)
  

前に座る男に直接注意したり、足で座席を蹴る勇気がないから、「深く腰掛けろ」と念じるより他なかった状況が伺えます。
自分にも似た経験があります。
この歌の作者・戸田響子さんの歌集『煮汁』(書肆侃侃房)はオススメです!


食事前の感謝にしては長すぎる念仏唱える君の過去とは
(中山一朗)

ふいに湧く新興宗教信者疑惑。
まわりが気まずくなるパターンですね。


念のため用意していた盛り塩がパスタを茹でるのに使われる
(魚虎豆太郎)
  

浄化のために置いておいた盛り塩が、家族にパスタを茹でるのに使われたという、風水あるあるです。
盛り塩は、しっかり邪気を吸っているでしょうから、そのパスタは食べたくないですねぇ。
題の「念」の使い方はノーマルでした。


猫又になるまで生きてと念じよう我が愛猫よ尾の裂けるまで
(木下ひるね)
  

化け猫になってでもいいから、どうか長生きしてほしいという
飼い主の愛猫への盲愛が描かれています。
共感できました。


目が合えば念を送ると言う友が怖い男に絡まれている
(柳原栄三) 

危険を伴う念力トレーニングです。
そういうのは、人を選んでやらないと……。


我々は残るだろうか入念に神が地球を除菌したなら
(他人が見た夢の話)
  

人間は、真っ先に消えるでしょうね。
環境保護団体のポスターとかにハマりそうな歌です。
この歌も題「念」の使い方がノーマルでした。


さらなる新刊を予言する

お知らせです!!

2020年10月8日に『念力恋愛』(短歌と文・笹公人 絵・水野しず/幻冬舎)という本が発売されます! なんと、恋愛の短歌のみを集めた一冊。絵はミスiD2015グランプリの水野しずさん。

発売のそのときに、またぜひここで「オカルト短歌」募集企画をやらせて頂きたいと思います。その日まで、念を溜めてお待ちください!

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