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武漢から殺人ウイルスが流出…1981年のSF小説『闇の眼』は予言書となった!?/遠野そら

新型コロナウイルスによるパンデミックは2019年末から世界を一変させて
しまったが、今、ある小説が話題となっている。ディーン・クーンツによる1981年の作品だが、「中国・武漢の研究所から殺人ウイルスが持ち出される」という設定なのだ。はたしてこれは予言だったのか?
フィクションが現実化していく、恐怖の2020年を読む。

文=遠野そら

ウイルス禍を予言していた『闇の眼』

 いまだ終息の気配が見えない新型コロナウイルス。それは中国・武漢の水産市場から瞬く間に世界中へ広がり、最近ではヒトの細胞内で増殖しながら変異しているという経路が有力視されている。

 世界中でワクチンや治療薬の開発が急がれている中、コロナウイルスの発生源をめぐりアメリカと中国の熾烈な舌戦は加速する一方だ。アメリカ・トランプ大統領は「コロナウイルスは『武漢ウイルス研究所』から発生した」として中国に対し痛烈な批判を繰り返している。だが中国側も黙ってはいない。「コロナウイルスは米軍が中国・武漢に持ち込んだものだ」として、逆に中国は被害者であると反論したのだ。さらに中国国営テレビでは「コロナウイルスはアメリカが開発した生物兵器である」といった内容のニュースまで報じ、世はまさに”米中コロナ冷戦状態”となっているのだ。

 米中コロナ冷戦がヒートアップしている中、まるでコロナウイルスの出現を予言していたかのような小説が注目を集めている。それはアメリカの人気作家ディーン・クーンツ『闇の眼(The Eyes of Darkness)』という作品である。

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『闇の眼』(光文社文庫)。

 物語の舞台はアメリカ。ある少年がボーイスカウトの旅行中、バス事故に巻き込まれ亡くなってしまうのだが、母親はある不思議な経験から息子の死に疑問を持ち、真相を追求していくーーという内容だ。

 作品のキモとなるのは、「武漢-400」という名のウイルス。『闇の眼』が1981年に刊行された当初、ウイルスの流出源はソ連だったが、1996年の作者による改訂で中国・武漢へと設定が変更され、そこで”誕生”したのが「武漢ー400」だ。

「武漢-400」はその名の通り中国・武漢の研究所で開発されたウイルスで、ワクチンや治療薬はない。感染後24時間以内に死亡するという致死率100%の”完璧な生物兵器”なのだ。「武漢-400」は中国政府の政治犯排除の目的で作られたのだが、ある中国人研究者がこのウイルスデータを持ってアメリカに亡命。”完璧な生物兵器”を手に入れたアメリカは、この「武漢-400」をコントロールすべく極秘に研究を始めるのだ。

 まさに、現在、米中が主張しあっている状況と重なる内容ではないか。
 ちなみに、作中でアメリカに亡命した中国人研究者は「李・チェン」という名前なのだが武漢で最初にコロナウイルスのパンデミックを予想し、ウイルスの危険性についていち早く世界に警鐘を鳴らしたのは「李 文亮(リ・ウェンリャン)」眼科医である。中華系で李という姓は多いが、名の語感にもなにやら通じるものがある。

『AKIRA』の2020年予言

 これまでもSF作品が未来を予見していた、という事例は他にも多数ある。その中でも特に有名なのは『AKIRA』だろう。大友克洋氏によるSF漫画で、アニメーション映画としても大ヒットした作品なので、細かな説明は不要だろう。

 物語の舞台は2019年。37年前(作中の1982年)に起きた第3次世界大戦で大きな傷を負った東京は、東京湾上に巨大な人工島を作り、『ネオ東京』として新しく生まれ変わろうとしていた。翌2020年には東京オリンピックを控え、順調に復興の道を歩み出していたが、軍が機密裏に封印していた最強の超能力者「アキラ」を巡って街は抗争に巻き込まれていくーーというストーリーだ。

 ここでまず注目されたのが、2020年の東京オリンピック開催という設定である。2020年のオリンピック開催地が東京に決定したときにも話題になったが、特に注目を集めたのが、作品の中のオリンピックの建設現場に掲げられた看板にある「中止だ 中止」という落書きだろう。新型コロナウイルスの影響でオリンピックの開催が危ぶまれると、「WHO、伝染病対策を非難」と書かれた新聞の描写とともに、ネットでは『AKIRAの予言』と話題になった。

 そしてまたさらに注目されている『AKIRA』の予言がある。それは「前総理の行った税制改革の歴史的失敗である」というセリフだ。

 安倍政権は2014年に5%から8%へ、2019年にはさらに10%へと、2度も消費税を引き上げたが、これが景気を冷やす最悪の増税だと悪評は高い。内閣支持率が急降下している現在、安倍首相が退陣し、文字通り“前総理”となれば、またひとつ『AKIRAの予言』が的中することになるとして、話題になっているのだ。まるでAKIRAで描かれた2020年の世界が徐々に現実に近づいてくるような感覚さえ覚える。

高品質のフィクションが世界を変える

 2020年を予見した話題の『闇の眼』と『AKIRA』。1996年に改訂が入って予言書となった『闇の眼』は1981年に、『AKIRA』は1982年、とわずか1年違いで出版されているのだ。

 優れた作品は世界を変える力があると言われている。それは人々がその世界を想像することで、無意識のうちにその世界を引き寄せてしまうためだという。だが、『闇の眼』『AKIRA』の現実世界との奇妙な符合は、まるで作者が何らかの形で啓示を受け、実際に起こる未来を描いたように思えるほどだ。

 まだ2020年の折り返し地点ではあるが、ここまで世界中が揺れた1年はそうないだろう。果たして両書は本当に予言書なのだろうか。またはシナリオとして何者かに利用されているのだろうか。

ーー今のところ実現していないのは、第3次世界大戦である。


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