金属を取り込む新種の樹木の話など/南山宏・ちょっと不思議な話
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金属を取り込む新種の樹木の話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2014年12月号、第368回目の内容です。

文=南山宏

マントヒヒ・ヒステリー

 オランダ北東部のエメン動物園のマントヒヒたちが、いっせいにとった奇怪な行動の原因について、飼育員や動物学者は困惑を隠せない。
 112頭のマントヒヒ全員が怪行動を始めたのは、昨年7月29日のこと。怯えたようにひと塊になってじっと座ったまま、5日近くの期間、食事はおろか水もろくろく飲まずに過ごしたのだ。
 8月2日の朝がくると、彼らもやっと平常の活動に戻ったが、動物学者ウィブレン・ランドマンは報道陣に悩みをこう打ち明けた。
「囲いが隣接するゾウやカンガルーは、いつもどおりで変わりなかった。原因は地震だ、脱走ヘビだ、キツネだ、雷だ、あげくには宇宙人だと、諸説出されてるがね」
 ランドマンによれば、同動物園のマントヒヒたちのこの種の〝ヒステリー行動〟は、これまでも1994年、1997年、2007年と3度も報告されているが、いずれも原因不明のままである。


オードパル糞

 インドネシアの女子高生ドウィ・ナイルル・イッザーさんとティンチャ・アプリアンチ・ミキさんは、去年の春開催された権威ある科学技術コンテスト”インドネシア科学企画オリンピック″で、こともあろうに”牛糞″から液体消臭芳香剤を精製する調合法を発表し、栄えある金メダルに輝いた。
 作り方は単純で、農場の牛小屋で採取された牛糞を、3日間発酵させて水分を抽出し、ココナツ水を混ぜ合わせてから蒸留・濃縮して、不純物をすべて取り除く。
 完成までには1週間ほどかかるが、完成品には危惧されるような臭気がないどころか、気品のある純粋に植物性のアロマを放つ。
 従来の化学合成製品に比べて製造コストは半分以下ですみ、有害な薬物もいっさい含有しないので、環境に優しく人体にも健康的だ。
 1000通り以上の競争相手を蹴落として選ばれただけあって、今後の研究いかんでは消臭芳香剤どころか、オードパルファン級の高級香水になるかもしれない。


手近い捜査

「人間の片手が1本、車のダッシュボードに置かれてる!」
 ドイツはマインツ市で、すれ違った対向車の運転者が通報したのをきっかけに、警官数百人が総出で、殺人捜査に市内を奔走した。
 英フリー紙〈メトロ〉2013年3月25日付によれば、まもなく捜査対象車がとあるカーパークで発見され、所有者が割り出されたものの、問題の〝人間の片手″は本物ではなくジョーク商品と判明したため、持ち主は捜査費用総額2万5000ユーロ(約350万円)の請求書を突きつけられた。


金属を食べる樹

 植物は一般的に金属成分を有害な毒物として、根が周辺の土壌から取り込まぬように進化してきた。
 だが、フィリピン大学の生物学者エドウィノ・フェルナンド教授らの研究グループはこのほど、金属含有量の多い土壌で知られるルソン島西部で、金属を好んで吸収する新種の樹木を発見した。
 このような金属蓄積能力のある草木はきわめて珍しく、地球上に存在する全植物種の0.1パーセントにも満たないとされている。
 リノレア・ニッコリフェラと命名されたこの新種は、学名が示すようにとりわけニッケルの多い環境に適応進化したものらしく、この金属をとくに好んで取り込む。
 樹高は180センチ以下、幹の太さは最大でも13センチという低木だが、葉や根にニッケルを1万8000PPMも蓄積できる。これは通常の樹木の含有量の100倍~1000倍に達する分量だ。
 本年5月に発表された研究論文の共同執筆者、オーストラリア・メルボルン大生物学者オーガスティン・ドロニラ博士は解説する。
「この種の〝超蓄積性植物(ハイパーアキュムレーター・プラント)″は細胞内の液胞に金属を溜め込む。液胞にはヒトの肝臓と似た働きをする膜があって、金属成分の毒性から細胞のほかの部分を守るのだ」
 だが、”金属を食べる植物″は単なる珍種発見にとどまらない画期的可能性をはらんでいる。
 品種改良やクローン技術を組み合わせて、超蓄積性植物の大量栽培が可能になれば、近い将来、土質改良や環境改善から放射能や有害物質の汚染除去などまで、さまざまな応用が期待できるからだ。
 フィリピン科学技術省は、この研究を〝植物テクノロジーによる廃鉱地帯再生プロジェクト″の一環と位置づけて、研究推進のために財政支援を約束している。


獣人パレイドリア

 米ユタ州オグデンの化石収集家でビッグフットマニアでもあるトッド・メイ氏(49歳)は、去年5月、オグデン峡谷の入り口付近の崖下から、ビッグフットの〝頭蓋骨化石〟を発見して小躍りした。
 さっそくこの大発見を一般公開すべく、地元紙のスタンダード・エグザミナー社に持参した。
「突き出た額、大きな平べったい鼻、のみで彫ったような顎のきれいな線。形はイースター島のモアイの頭にどこか似てなくもない」
 記者マーク・サールはそう記事に書いて、撮った写真をユタ州立大の古生物学者たちに送った。
 だが、学者たちは”ビッグフット頭蓋骨化石″をただの岩塊と鑑定し、「そのように見えるがそうではないパレイドリア(変像幻視)の典型的実例だ」と結論した。
 しかし、2011年4月と”頭蓋骨化石”の発見数日前の2度にわたって、同じオグデン渓谷内でビッグフットの実物とおぼしき獣人に遭遇したというメイ氏は、
「”頭蓋骨化石″の発見もたんなる偶然ではなく天の恵みであり、したがって本物にまちがいない」
 と今も固く信じているそうだ。


ロイヤル・パイ

 故ダイアナ妃の孫にあたるジョージ王子は、昨年7月22日――つまり円周率πの近似分数、22/7と同じ表記の日に誕生した。
 偶然にも王子の父、イギリス王室のケンブリッジ公ウィリアム王子は、第22捜索・救助飛行隊C編隊に所属する空軍大尉で、この中隊の隊章(識別バッジ)には、πの記号が組み込まれている。
 ちなみにこれは第2次世界大戦中、第22飛行隊が第7飛行群に属していたことに由来するそうだ。


(月刊ムー2014年12月号掲載)

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