竹藪の先に広がる謎の田園風景……/あなたの怪奇ミステリー体験
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竹藪の先に広がる謎の田園風景……/あなたの怪奇ミステリー体験

通いなれ、隅々まで知りつくしているはずの竹たけ薮やぶ。ところが、今日に限ってまるで目にしたことのない光景が眼前に。夢か? 幻か? いや、もしや今、自分がいるこの場所は……。

イラストレーション=不二本蒼生

竹藪を抜けると

◆山段敏明/京都府福知山市(71歳)

 令和2年6月7日の日曜日、13時30分ごろのことでした。
 私は一級河川の由良川ゆらがわ沿いにある父親所有の竹藪たけやぶへ、淡竹はちくたけのこを採りにいきました。
 鬱蒼うっそうとした竹藪の中に入り、細い筍を何本か採った後、もっと太いものはないかと捜しながら、さらに奥へと進みました。
 竹藪の幅は50~70メートルくらいあり、東から西に向かって伸びています。対岸は明智藪あけちやぶ明智光秀あけちみつひでの竹藪築堤ちくてい)でした。
 竹藪といっても実際には雑木ざつぼくの多い荒廃地こうはいちで、藪の中は薄暗く、目の前にビッシリと張りめぐらされている蜘蛛の巣を手で払いながら進んでいきました。
 そうして苦労しながら少しずつ進むうちに、やがて私はこれまで自分の記憶にない、やや明るい開けた場所に出ました。
 最初に竹藪に入ってからの距離はわかりません。何本か細い筍を採ってから、時間にして10分あまり歩いたように思います。
 いずれにしてもその場所は、ほぼ毎年、筍の時期になるとその竹藪に入っている私が初めて目にする場所でした。
 藪の中を蜘蛛の巣を払いながら足下ばかりに気を取られて歩いているうちに、まったく見覚えのない場所に出てしまった私。驚いて思わずその場に足を止め、しばらく茫然ぼうぜんと目の前に広がる光景を見まわしていました。

 どれくらいの時間がたったころでしょう、何と私の目の前に、ぼんやりと異様な光景が! !
 それまでの荒れ地が、五畝ほどのきれいに耕された畑へと変化したのです。
 それだけではありません。何とその畑のあちこちに、昭和の初期に見られたような農作業着姿に麦わら帽子を被った40代くらいかと思われる男女数人が、くわを使って何やら作業をしている光景が浮かびあがったのです。

 畑のまわりは草地でしたが、なぜかぼやけていて遠くまではよく見えません。畑にはすでに美しくあぜが作られていて、空はまさに抜けるような青空でした。
 私は自分の目で見ているものが信じられませんでした。こんなところにこんな畑があるはずもなく、あんな人たちが令和のこの時代に存在するはずがない。
 変だ。これは絶対に何か変だ! !
 今にして思えば、あのとき自分がなぜあの人たちに声をかけてみなかったのか不思議です。ただあの人たちには何やら近寄りがたいものが感じられて、私はすっかり気圧けおされていたように思います。
 そうしてその場で声を出すこともなく、ただ茫然とその光景を眺めていました。やがて私はごく自然にきびすを返して、まさに逃げるかのようにその場を後にしていたのです。

 その後、どうやって自宅へ帰りついたのか私の記憶は定かではありません。ただ、自分が目にした不可解な光景ははっきりと覚えています。
 翌日、再び竹藪に入り、昨日の場所を捜しました。しかし、どんなに必死に捜しても、とうとうどこにもあの畑を見つけることはできませんでした。
 思うに、あれは異次元空間で、私は束の間、そこに足を踏みいれてしまったのだろうと考えています。

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30年越しの男の子

京都練馬区 吉田泰平(53歳)

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