『Caligula2』呪縛の歌が響く偽りの学園世界/卯月鮎・ゲームー案内
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『Caligula2』呪縛の歌が響く偽りの学園世界/卯月鮎・ゲームー案内

書評家・ゲームコラムニストの卯月鮎がオカルト、超常現象、不思議が詰まった話題のゲームをムー的に紹介。このゲーム、ほかとはひと味違う!

文=卯月鮎 #ゲームー

『Caligula2』

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心の闇が共鳴する異色の学園RPG

 6月24日にリリースされた『Caligula2』は、2016年発売の学園ジュブナイルRPG『Caligula -カリギュラ-』の続編。前作は、自我が芽生えたバーチャルアイドル「μ(ミュウ)」が生み出した学園の仮想世界「メビウス」に閉じ込められた少年少女が脱出を図るという内容で、刺激的なテーマ設定が好評を博し、アニメ化もされました。

 今回はその5年後、バーチャルアイドル「リグレット」が創造した新たな仮想世界「リドゥ」が舞台。後悔に苛まれる人々がリグレットの歌声にとらわれ、終わりなき学園生活を送るなか、偽りに気付いたプレイヤーと仲間たちは「帰宅部」を結成します。現実への帰還はなるのか……?

 それでは、『Caligula2』から連想されるムー的キーワード3つを挙げていきましょう。

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主人公はもうひとりのバーチャルアイドル・キィの助けを得て仮想世界からの「帰宅」を目指す。

カリギュラ

 本作のタイトルは、心理学的用語として使われる「カリギュラ効果」から名付けられたそうです。「見てはダメと言われると一層見たくなる」。禁止されたストレスへの反発から逆の行動に走ってしまうというのがカリギュラ効果。現代ではマーケティングに応用されることもあります。

 このカリギュラ効果の由来となったのが、1980年に公開されて過激な内容が物議を醸した映画『カリギュラ』。アメリカの一部地域では上映禁止となり、かえってヒットしたとか。この映画はローマ帝国の皇帝カリグラが主人公です。
 皇帝カリグラは、古代ローマ史上に残る悪名高い暴君。紀元37年に若き皇帝として即位した際はローマ中が歓喜に沸きました。しかし、帝位について半年後、重病を患い悪夢にうなされたあと、人が変わってしまいます。従弟や親衛隊長など多くの人々の命を奪い、ついには自分を神と呼ばせるように……。41年には兵士たちに暗殺され、4年の短い治世を終えました。

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人生をやり直しできる、ぬるま湯の世界を創造した歌姫リグレット。

歌の魔力

『Caligula2』は、謎のバーチャルアイドル・リグレットの歌を聴いた人間が次々と別世界に取り込まれてしまうという設定です。

 強い呪力を持った歌の伝説は、昔から世界中に残っています。一番有名なのはギリシア神話のセイレーンでしょう。海の小島に住む女性の顔をした鳥で、美しい歌声で水夫を魅了して近づけては喰い殺したとされています。「サイレン(警報機)」の語源ともなりました。
 また、アイルランドの妖精リャナンシーは、人間の若者を言葉と音楽で魅了し、彼に詩や歌の才能を与えます。それと引き替えに若者は早死にする運命をたどるのです。
 日本に目を向けると、鹿児島の奄美群島には呪いの歌「サカウタ」の伝統があります。たとえば徳之島のサカウタは相手を殺す呪詛の力を持つと信じられていました。「犬な鞍かけて 猫なそり引かち 死旗押し立てて イラブドウカチ」。徳之島の民謡でももっとも強力な呪いの歌であるようです。(出典:『短歌と日本人1 現代にとって短歌とは何か』収録/谷川健一「呪言から呪歌へ―『言問ふ』世界―」)

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コマンド式の戦闘中は、BGMに重なってバーチャルアイドル・リグレットの歌が鳴り響く。

スティグマ

『Caligula』シリーズでは、「スティグマ」と呼ばれるアイテムを装備することで主人公たちを強化していきます。

「スティグマ」は、ギリシア語の「印」という意味の単語から派生し、もとはウシや奴隷に焼き付けた刻印のことでした。それが後に、キリストが釘を打たれた両手と両足、ロンギヌスの槍で突かれた脇腹、茨の冠で傷つけられた額に負った傷「聖痕」のことを指すようになりました。敬虔なキリスト教信者には、キリストと同じ場所に傷が現れるという奇跡が数々報告されています。
 最初に聖痕が現れたのは中世イタリアの聖人、アッシジの聖フランチェスコ。聖フランチェスコが山で祈祷していたところ、六翼の天使が出現し、両手、両足、脇腹に聖痕を受けたと伝えられています。人間の強い思い込みによって人体に傷ができるという説もあり、生体現象か超常現象か、意見はさまざまです。

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