猫の報せ/あなたの怪奇ミステリー体験
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猫の報せ/あなたの怪奇ミステリー体験

人間とは比にならないほど優れた嗅覚や聴覚を持つ動物たち。そんな彼らなら、知られざる能力をも秘めているかもしれない。人間には想像もつかないような驚くべき能力を……..。

イラストレーション=不二本蒼生

猫の報せ

下川ロウザ/東京都杉並区

 以前、私は母親との諍いさかいが原因となって、半年間ほど実家との連絡を完全に途絶えさせていたことがありました。
 ある日のことです。私の夢の中に、そのころ可愛がっていた飼い猫が出てきて、「ママが入院したよ」と、ハッキリと人間の言葉で私に告げたのです。
 目が覚めた後、もちろん気にはなりましたが、もしも母親の入院が本当なら、実家の家族のだれかから連絡が来るはずと思い、そのままにしていました。
 その後も実家から何も連絡がないままに2~3か月が過ぎたころのことです。再び飼い猫が私の夢の中に現れて、「またママが入院したよ」と、またしてもハッキリと人間の言葉で私に告げたのです。
 もちろん気にはなりました。でも、今度も実家からはまったく何の連絡もありません。
 そこで、あれはただの夢だったと思うことにして、やがてそんな夢を見たことさえすっかり忘れてしまいました。
 それからひと月余りがたったころのことです。あることがキッカケで母親との関係が修復され、元通り仲のいい母娘に戻りました。
 ある日、母親本人から、「実は、ついこの間まで入院していたのよ」と、いわれました。驚くと同時に、かつて見たあの不思議な夢のことを思いだしました。
「どうしてそのことを私に知らせてくれなかったの!?」追及したところ、家族が私に知らせようとしたのを母親が止めたのだとか。当時、母が私に対して気分を害していたためです。
「もしかして2~3か月前にも入院した?」
 と、聞くと、
「うん、したけど……でもどうしてあなたが知っているの!?だれかが知らせたの?」と、びっくりしています。聞けば、何とそのときには腸閉塞で、生死をさまよっていたのだとか。
 そこまで危険な状態に陥りながら、なぜ私に知らせてくれなかったのかと本気で腹が立ちましたが、数か月も前のこと。今さら怒ってもしかたがありません。
 そんな私に対し、どうして自分が入院したことを知っているのかと、母親は執拗に聞いてきます。どうせ信じてもらえないだろうと思いながらも、例の猫の夢の話をしました。
 当然ながら母親は、そんなバカなことがあるわけないと笑いとばしていましたが、それでも私がなおも真剣にその話を続けていると、やがて笑いを引っこめて、「だから猫って嫌いなのよ」と、つぶやき、何やら苦々がしげでありながら複雑な顔つき。
 理由は知りませんが、実は母親は以前から動物が大嫌い。当然、私の飼い猫のことも嫌っていました。母親がめったに私の住まいに遊びにこなかったのも、そのせいでした。
 ところが、そんな母親がいきなりニコッと微笑んでこういったのです。
「それじゃ、あなたのところの猫にありがとうっていっておいて」以来、なぜか母親の動物に対する見方が少し変わったように思えるのですが……。

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身長40センチほどの物体

埼玉県行田市 高橋政春(73歳)

 あれは数日前の午後3時ごろのこと。私は居間で座布団に座りぼんやりとテレビを観ていました。突然、テレビの前を身長40センチくらいの小さな物体が右から左へと歩いていったのです! ! まるで童話の白雪姫に出てくるような格好をした物体でした。
 わが目を疑うとともに、すぐには自分の目の前で起きたことが理解できませんでした。小さな物体がいつ出現したのかはわかりません。ハッと気づいてからそれが消えるまで、時間にしてほんの2秒ほど。小さな物体は私には目もくれず、従って目は合っていません。
 私に霊感はないので、これまで幽霊に遭遇したこともUFOを見たこともありません。このことを友人たちに話しても、「何をバカなことをいっているんだ」と、だれからも相手にされませんでした。
 自分は日本人なので、座敷童子ならわかります。しかし、なぜ西洋人のような見かけの小さな物体が出現したのか、まったく理解不能です。


頑張れなかったのよ

鈴木宏明/静岡市(55歳)

 これはかつて私が派遣社員として介護の仕事をしていたときに体験した話です。
 当時、私は53歳。それまで介護経験は5年ほどありました。派遣法では、1か所での勤務は最長3年間と決められています。まさにちょうどその3年が経過したため、私は新しい派遣先に就業したところでした。
 それまでの派遣先は特別養護老人ホームでしたが、新しく派遣された先はグループホームでした。
 入居者数は同じですが、特養との違いはいくつかあります。たとえば三度の食事は職員が作らなければならないということや、介護用品が家庭環境に毛が生えた程度のものしかないことなどです。
 その施設には、かなり介護度の高い入居者も入っていたので、仕事としては特養を受けもったほうが楽でした。しかし、入居者との触れあいを考えると、スケジュール重視の特養に比べて楽しい部分もあり、やりがいはありました。
 こういう施設は、たいがい2日か3日行くと1日休みというシフトが組まれています。最低ひと月に1回は二連休を入れることで、できるだけ疲れを溜めないような配慮がされていました。
 そんなある日のことです。ちょうど私の二連休の前日のことでした。容態が急変して危篤状態に陥った入居者がいたため、その日、私はすっかりヘトヘトに。そんな状態で帰宅しました。
 二連休は、平日の水曜日と木曜日。土・日・祝日が休みの妻は、そのとき仕事のために在宅していませんでした。
 私は唯一の楽しみであるレンタルDVDを数本借りてきて、寝転がって観ていました。 
 しかし、その日の仕事の疲れや、日勤や遅番などの不規則な勤務時間による日々の疲れ、さらには寝不足気味だったこともあり、いつの間にか寝入ってしまったようです。
 ――夢を見ていました。その夢の中に、容態が急変した入居者が出てきました。80歳過ぎのおばあちゃんです。
「ごめんなさいね。頑張れなかったのよ」
 と、しきりに謝っていました。
 サクラエビの産地として有名だった地区出身のおばあちゃんは、「今度、うちにおいで。サクラエビをたんとご馳走するよ」
 というのが口癖でした。お亡くなりになったご主人はサクラエビの漁師をされていたようで、ご主人の獲ってくるサクラエビはいつもとても美味しかったと、よく自慢していました。
 そんな夢を見つつ、だんだんと眠りが浅くなってきたのでしょうか。観ていたDVDの音声らしきものが聴こえてきました。
 その直後、だれかが私の後ろを通って右に曲がり、歩いていく気配を感じました。
 妻が帰ってきたのだろうと、最初は思ったのですが、次の瞬間、違うことに気づきました。
 そのとき私は右肩を下に、壁に背中をつけて寝ていたのです。そんな私の背後を、だれかが通ることなどできないはずです。
 ハッと起きあがると、テレビの音声だけが聞こえていて、室内にはだれもいませんでした。
 なお、容態が急変したおばあちゃんは、その後、回復。元気を取りもどしました。私のあの不思議な体験は何だったのでしょうか。

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事故現場の影

◆鈴木知佳/静岡県袋井市(24歳)

 今から半年ほど前、わが家のすぐ近所で交通事故がありました。私が毎朝、通勤に使っている道で、あまり広い道ではないのですが、交通量は多いほうでした。
 事故が起きたのは、ある日曜日の午後のこと。その日、私は駅近くまで買い物に行き、帰りにその道を通りかかりました。そのとき事故後の処理をする人たちを目撃し、そこで事故があったことを知ったのです。
 それから数日のうちに少しずつその事故についての詳細がわかってきました。聞くところによると、どうやらそれは単純な交通事故ではなかったようです。
 被害者となったのは私と同年代の女性でした。いきなり通りかかった車の前に飛びだし、十数メートルも跳ねとばされたそうで、即死状態だったようです。地元新聞の記事によれば、婚約者の男性からの手酷どい裏切りにあい、将来を悲観した末に発作的に車道に飛びだしたようだ、とのことでした。
 私にも今、結婚の約束をしている男性がいます。そのためその記事を読んだときには、何やら他人ごとではないような気がしたものです。
 しかもそこは自分が毎日必ず通る道。事故以降、花束が手向けられた現場を通るたび、思わずそこに立ちどまり、手を合わせずにはいられませんでした。
 そんなときはいつも、見も知らぬ亡くなった女性に対して、まるで自分が友人だったような気になり、何かと話しかけたものです。ときには涙ぐみながら……。
 ある夜のことです。仕事帰りに婚約者と会っていたため帰宅時間が遅くなりました。時刻はすでに11時を過ぎていたと思います。自宅に向かってその道を歩いていたとき、私の前後にはだれひとり通行人はいませんでした。
 やがて事故現場に差しかかった私は、いつものようにその場で足を止め、手を合わせました。しかし帰宅を急いでいたせいもあり、ついその恰好かっこうだけするという感じになってしまいました。
 そして自宅に向かって歩きだそうとした瞬間――いきなり背後から背中をグイッと引っぱられたような気がしました。“えっ!?”と思って足を止め、振りかえりましたが、だれもいません。ただ……事故現場の花の供えてあるあたりに、何やらボンヤリと白い人影のようなものが! !
 次の瞬間、私はヒイッと小さく悲鳴を上げて、その場から駆けだしていました。
 数分後、自宅玄関に飛びこんだ私に、母親が何事かと聞いてきました。
「変な男がついてきたような気がしたのであわてて帰ってきた」
 そういってごまかしたものです。
以来、その事故現場を通るときに手を合わせるのは止めました。それどころかそこから目をそらし、急ぎ足で通りすぎるようになりました。
 ところが、それでもときどき私はあちこちであの白い人影を目にするようになったのです。それは夜でも昼間でも関係ありません。チラッと目の端に白い人影が見えて、ハッとその方向を見るのですが、そこにはだれもないといった感じです。
 だれにその話をしても単に私の気のせいだというばかりで、本気で聞いてはくれません。最近では、その白い人影は私の夢の中にまで現れるようになりました。そのたび私は金縛りに襲われます。
 私はこれから自分がどうなるか不安でたまりません。いったいどうすればいいのでしょう。

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黒い大きなアゲハチョウ

長崎県諫早市 石田百合(14歳)

 7月半ば、学校からの帰り道、ひとりで歩いていました。どこからか一匹の黒い大きなアゲハチョウが現れ、まとわりつくように私の周辺を飛びまわりはじめたのです。
 前にきたり、後ろにきたり、目の前を横切ったり、肩や頭に止まろうとしたり。手で追いはらっても、ほんの一瞬、離れるだけですぐに戻ってきます。鬱陶しくてたまりません。
 さすがに私が自宅に着いて玄関に入ると、チョウはサッと空高く舞いあがっていきました。そして私が家の奥に向かい、「ただいま」と、声をかけると、奥から母が飛びだしてきて、「おばあちゃんが、さっき死んだて……」と、涙で声を詰まらせていいました。
 あのアゲハチョウのことを思いだしたのは、火葬場の待合室でのことです。ふと目をやった窓の外を、一匹の黒い大きなアゲハチョウが飛んでいたのです。私は思わず、「おばあちゃん……」と、つぶやいていました。


小林世征の心霊相談室

 女性が事故死した現場を通りかかるたび、立ちどまり、手を合わせていた鈴木さん。このような行為から、鈴木さんの優しい人柄が忍ばれます。しかし、優しさからくるこうした行為は、かえって危険といえるでしょう。いうまでもなく事故現場にいた白い人影は事故死した女性の霊です。彼女は鈴木さんのこうした行為によって、"この人は私のことをわかってくれる人""私の味方"と、見なしてしまったのでしょう。さらには、"仲よくなりたい""一緒にいてほしい"という思いを持ち、鈴木さんのことを道連れにしようとしている可能性が高いように思われます。
 ご自身でも気づき、現場を通過する際、手を合わせる行為はすでに止めた鈴木さん。しかし、夢の中にまで事故死した女性が出現することから、もうそれだけではすまなくなっています。
 もしかすると、このままではつきあっている男性と理不尽な形で別れることとなり、鈴木さんご自身が事故死した女性の二の舞にならないとも限りません。
 では、どうすれば事故死した女性から逃れることができるのか。何をおいても、女性と距離を取ることが大事となります。通勤で使う駅を変えるなどして、金輪際、現場の道は通らないようにしましょう。結婚を早めて、その土地を離れるのもいいでしょうね。こうしたことを、ぜひ、早急に実行してください。
 一日も早く心休まる日々が訪れることを願っています。

○こばやしとしまさ 1959年、東京生まれ。学生時代より占学に興味を持つ。1991年、霊能者として独立。相談ごとのある方は、以下の『小林世征 心霊開運相談所』内、ご相談窓口まで連絡を。
www.imaiki.com/esp/

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