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夜の学校で”青白い女性”に追われる/あなたのミステリー体験

学校にまつわる都市伝説は少なくない。だがしかし、実際に怪奇現象を体験した人はどれほどいるだろう。恐怖。そんなひと言ではいいあらわせない体験者の話がここに。

イラストレーション=不二本蒼生

学校の鏡に

◆Uさん/東京都(35歳)

 高校時代に私と友だちが体験した出来事です。
 私が通っていた高校には新校舎と旧校舎があり、旧校舎は昔の病院を建てなおしたものでした。
 旧校舎は地下1階、地上2階の建物。新校舎の1階から高さ2メートル、幅3メートルくらいの緩やかなスロープのトンネルを抜けると、旧校舎の地下へと繋がっています。旧校舎には当時も病院の名残りが随所に見られ、教室のドアには〇号室という文字も残っていました。
 そんな学校でしたので、廊下でワゴンを押している看護師らしき人の姿を見たとか、足を引きずっている男の人を見た、という噂が昔からあったようです。

 しかし、私はそういう類いの話はあまり信じていませんでした。あの日までは……。

 ある日の放課後、私は友人と遅くまで旧校舎の教室でおしゃべりをしていました。
 そのうち外が暗くなってきたのでそろそろ帰ることにして、私たちはその教室の明かりを消して廊下に出ました。
 そのころには他の教室はもちろん廊下の明かりも消えていて、廊下の窓を通して差しこむ夜空の明かりで周囲が何とか見えているという程度でした。
 2階の教室から1階に降りる階段の途中で、ふと忘れ物に気づいた私は、友人に、
「ごめん、忘れ物をしちゃったからいっしょに来て」
 といって、ふたりで急いで教室まで引きかえし、忘れ物を取り、再び廊下に出て歩いていました。
 やがて後ろのほうから何やらギシギシという音が聞こえてきました。しかし、廊下にもほかの教室にも私たちしかいないはずです。
 しかも私たちの教室は一番突きあたりにあるので、後ろに人などいるはずがありません。
 驚いた私たちは思わず顔を見合わせましたが、恐怖心のため、後ろを振りかえって確かめることはできませんでした。
 急ぎ足で歩きましたが、その音はまるで私たちについてくるかのように一向に小さくなりません。ギシギシと聞こえています。そして、ようやく階段まで到着しました。
 友人が先に階段を駆けおりました。続いて私も階段を降りようとした、そのときです。
 ふと階段手前にある大きな鏡が気になって、私は何気なくチラッと見てしまいました。
 すると、暗くてほとんど見えていない私の顔の後ろに青白く光る女性の顔があったのです! !
 顔の輪郭はうすくぼやけていて、顔の中心部分だけが浮いているように見えました。

 驚きのあまり私は声を出すこともできずに、先に階段を下りている友人を追いぬかし、地下にある下駄箱まで一気に走りました。
 そして、何事が起こったのかと後からあわてて追いかけてきた友人に、今、自分が見たもののことを話しました。
 すると、何と友人も階段を下りるときに、一瞬、鏡を見てしまったそうです。あの青白く光る女性の顔を見てしまったと……。
 以来、今でも私は暗いところで鏡を見ると、あの青白く光っていた女性の顔を思いだしてしまいます。

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行方不明中の男性

◆Kさん/大分県(25歳)

 私の知りあいの理容師S子さんが体験した話です。
 数年前の秋、同じ町内に住む当時70代の男性Aさんが、外出したきり行方不明になってしまいました。
 それから3日ほどがたったころのことです。
 S子さんは自宅近くの歩道でAさんを見かけました。Aさんとは以前から顔見知りではあったものの、それほど近所に住んでいたわけでもなかったので、そのときまで彼女は彼の捜索の状況などまったく知りませんでした。
 そのため、彼女は、
“ああ、よかった。Aさん、無事に見つかったんだわ”
 と思い、急いで彼に近づいて声をかけました。
 ところが、どうしたことか彼女が何を話しかけようとAさんはまったく無反応なのです。彼女のほうを見ることさえしません。
 おかしいな、どうしたんだろうと思っているうちに、Aさんは彼女を完全に無視したままトボトボと歩いていってしまいました。

 彼女はしばらく呆然とその場に立ちつくし、そんな彼の後ろ姿を眺めていたといいます。そして、私がだれなのかわからなくなっているのだろうか、耳でも遠くなってしまって私の声が聞こえなかったのだろうか、などと考えて首を傾げていました。
 そのうち、ふと違和感を覚えたといいます。
 まずAさんが歩いていく方向が彼の自宅のある方角とはまるきり正反対でした。それだけに限らず、そちらのほうに行ったところで山沿いの道が続くばかりで、民家などはいっさいありません。めぼしい建物といえばずっと先に廃材倉庫があるくらいです。
 いったい彼はどこへ行くつもりなのだろうかと、そのことが何やら妙に気になりました。
 それに、さっき自分が話しかけたときのAさんには、まったく生気というものが感じられなかったように思われました。
 S子さんは何となく納得できない自分の気持ちをどうすることもできないまま、仕方なく自宅へと帰ったのでした。

 その翌日のことでした。Aさんの行方を捜索しているという関係者による聞きこみ調査が、彼女の自宅の近所で行われたのです。そのとき初めて彼女は、まだAさんの捜索が続いていたことを知ってびっくりしてしまいました。
 もちろん彼女は聞きこみ調査をしにきた人に、
「昨日、私が会ったのは間違いなくAさんだったと思うのですが……」
 と、困惑しながらも、なぜか自分が話しかけてもまったく無視したまま廃材倉庫のある山沿いの道のほうへ歩いていったAさんのことを詳しく話しました。

 その日のうちにS子さんの証言を元に、大々的に付近の捜索が行われたそうです。
 その結果、何とAさんは廃材倉庫内で発見されました。かなり衰弱はしていたものの、命に別状はなかったそうです。
 Aさんは散歩の途中で具合が悪くなり、廃材倉庫内に入って休んでいるうちに身動きできなくなったとのことでした。
 それにしても、S子さんの自宅と廃材倉庫は10キロ以上も離れています。衰弱したAさんが彼女の自宅近くまで歩いてきたとは、とても思えません。そうだとすれば、彼女が見たAさんとは……!?

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不成仏霊

◆匿名希望/東京都

 結婚当初、夫と私はテレビの心霊番組を頻繁に観ていました。そんな習慣が、霊を引き寄せてしまったのでしょうか?
 ある日、毎日のようにリビングのカーペットがところどころ濡れていることに気がつきました。
 指先でたどってみたところ、それはまるで小さな子供でも歩いた足跡のような濡れ方でした。しかし、わが家に子供はいません。

 私はそのことを夫にはいわずに、自分だけでずっと不思議に思っていました。

 ある日の朝でした。夫が急に、最近よく見知らぬ女の子の夢を見るといいだしました。
 年齢は4~5歳くらい。おかっぱ頭で丈の短い着物を着た女の子が、いつもなぜかポツンとひとりでどこなのかわからない池の縁石に腰かけている夢なんだそうです。
 その話を聞いて、私はゾッとしてしまいました。実は私の知人の身内に、戦後間もないころに自宅の庭の池で娘さんを亡くしたという人がいて、その娘さんの特徴が夫の夢に出てくる女の子と、とてもよく似ていたからです。
 しかも、そのひと月ほど前に夫と私はふたりでそのお宅を訪問していたのです。ひと月前といえば、まさにリビングのカーペットに奇妙な濡れ跡ができはじめたころでした。
 もしかしたら、池で亡くなった女の子の霊と私たち夫婦の波長が合ってしまい、わが家に連れてきてしまったのかもしれないと、私は思いました。

 夫と話しあい、さっそくリビングにお線香を立てて、ふたりで女の子の冥福を祈りました。
 すると、次の日からカーペットが濡れなくなったのです。そこで、きっと自分たちの供養が届いたのだろうと思った私はすっかり安心していたのですが……。

 数日後の夜でした。深夜、ふと目覚めると、仰向けに寝た私の掛け布団の胸のあたりに幼い女の子がうつぶせに乗りかかり、私の目をジッと見ていたのです。
 驚きのあまり声も出せずに息を呑んでいると、いきなりその女の子がニタ~ッと、笑いかけてきました。
 異常なほど目が大きく、口は耳まで裂けんばかりです。あまりのおどろおどろしい形相に、私は次の瞬間には気を失っていました。

 翌朝、目が覚めてからも恐怖心が残っていた私は、やはり赤の他人の私たちの供養では意味がないのだろうと思い、夫に相談し、話し合いました。
 そして、その日のうちにその女の子の身内である知人に電話し、詳しく状況を話した上で改めて供養してくれるように頼みました。
 知人が驚いたことがいうまでもありません。しかし、状況を理解し、すぐにきちんと供養しますと、約束してくれました。

 それから数年がたった最近のことです。知人から、ある霊能者に女の子の霊がまだ成仏できずに家の中にいるといわれてしまったという連絡がありました。
 女の子の死は、戦後間もない当時、家族がだれもいないときに起こった不慮の事故だったそうです。
 それから七十数年もの長い年月が過ぎた今でも、女の子はだれからも霊界へと導いてもらえないまま、独りぼっちでこの世をさまよっているのでしょうか。
 一度は縁あって私の前に現れた女の子だっただけに、それを思うと不憫でなりません。

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すぐそこにある不思議

できないはずの英語を昼寝の最中、なぜ寝言で?
◆Nさん/岐阜県(25歳)
 ある日の夕方だったそうです。当時8歳だった私は、遊びつかれたのかそのころ住んでいたマンションのリビングの床でスヤスヤと眠ってしまったそうです。母は、そんな私の姿に苦笑いしながら毛布を取りにいき、リビングに戻ったときに異変に気づいたそうです。
 眠っているはずの私が何やらブツブツと、とても寝言とは思えないくらいハッキリとした声でしゃべっていたというのです。
 母は、私に毛布を掛けながら、改めて私のしゃべっている言葉に耳を傾けてみました。何とそれは驚くほど流暢な英語だったそうです。あまりにも流暢なので、多少は英語のわかる母にも、私のいっていることは難解すぎてよくわからなかったとのことでした。
 まだ8歳の私が流暢に英語など話せるはずもなく、しかも3分間ほどもしゃべりつづけたのだとか。今でも母は、あれは何だったのかと不思議がっています。もちろん私自身にはそんな記憶はいっさいありません。
女子生徒の全身を覆いつくす真っ黒な渦
◆Mさん/山口県
 子供のころから私は、怪奇現象やオカルトをテーマにしたテレビ番組が好きでよく観ていました。
 そんなある日の番組で、ある霊能者が何枚かの心霊写真を一枚ずつ鑑定していく、ということをやっていました。私はもちろん興味津々でそれを観ていました。
 そのうちに私はその中の一枚に、ふと何やら妙なものを見てしまったのです。それは、修学旅行中らしき生徒たちが何十人も写っている写真でした。なぜかその中のひとりの女子生徒の顔の上に、真っ黒な渦が巻いているのです。
 しかし、テレビに出ている霊能者は、まったくそのことに触れません。そのため、もしかするとテレビの故障で画面がおかしくなっているのかと思いました。ところが、そのうちその真っ黒な渦が次第に大きくなって、女子生徒の全身を覆っていったのです。私は怖くなり、あわててチャンネルを変えてしまいました。
 翌日、録画してあったその番組を確認してみると、なぜか渦などどこにも映っていませんでした。あれはいったい!?


小林世征の心霊相談室

 病院を学校に建てかえるといったケースは確かにあります。戦時中のみ学校を病院として使用していたケースもあるでしょう。病院と学校は、共に怪談話の舞台になりがちです。
 病院の場合、規模の大きさに比例して霊の出現率が増加します。規模が大きな病院ほど高度な医療を施すため、助かる人が多い分、死亡者も増えてしまうためです。診療科でいえば、耳鼻科や眼科で霊が出現することはまずありません。これらの科は死に直結することがないに等しいからです。意外ながらホスピス病棟に霊は出現しません。ホスピスで過ごす人は死の受けいれ準備ができているため、すんなりあの世へ行くことができます。地縛霊としてさまようのは、現世に未練を残して亡くなった人たちです。
 梅井さんが鏡越しに見た女性は、学校となる以前の病院で亡くなった人の霊とみて間違いないでしょう。梅井さんとご友人が楽しそうに学校生活を過ごしているのを見にきただけの弱いエネルギーパワーの霊でした。これが強いマイナスパワーを持つ霊であれば、おふたりに取りついてもおかしくありませんでした。霊を目撃こそしたものの体調不良を起こすこともなく現在に至っているわけですから、ラッキーだったと思うようにしましょう。
 学校や病院に限らず鏡越しに霊を見たという体験話は数多くあります。自分もいつか鏡ごしに霊を見るのではないかと心配な方は、煌煌とした明かりの下でのみ鏡を見るようしましょう。そうすれば霊を見ることはありません。


(月刊ムー2020年8月号掲載)


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