ディアトロフ峠事件は雪崩事故? 放射性物質と発光体の謎/遠野そら・MYSTERYPRESS
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ディアトロフ峠事件は雪崩事故? 放射性物質と発光体の謎/遠野そら・MYSTERYPRESS

世界の超常現象ニュースをお届けする本コーナー。今回は世界的にも有名なミステリー「ディアトロフ事件」について。雪崩が原因とする研究が発表されたが、はたして…?

文=遠野そら #MYSTERYPRESS

死の山で起きた集団怪死事件

 1959年2月。極寒のロシア・ウラル山脈で雪山登山をしていた学生ら男女9人が謎の死を遂げた。テントは内側から切り裂かれ、メンバー全員が無残な遺体となって発見されたこの事件は「ディアトロフ峠事件」と呼ばれ、60年以上が経った今でも様々な説が囁かれている世界有数のミステリー事件である。

 亡くなった9名はウラル工科大学の学生とOBからなる雪山登山の経験が豊富な若者たち。リーダーのディアトロフが撮影したスナップ写真や日記から、一行は和気あいあいとした雰囲気でトレッキングを楽しんでいたようだ。楽しげに笑い、おどけた様子で写っている彼らの姿は、まさに学生の仲良しサークルそのもの。だが、2月1日を最後にディアトロフがシャッターを切ることは2度となかった。

 2月1日午後9:30~10:30頃。
 夕食を取り就寝前のひと時を過ごしていた一行に、”なにか”が起きた。

 パニックとなった彼らは通常の方法ではなく、テントを切り裂き脱出、そして近くの森へと逃げ込んだようだ。極寒の森の中で2時間ほど焚火をして過ごしたというが、-25℃の雪山である。焚火だけでは夜を明かせないことぐらいわかっていただろう。だがそれでもテントには戻らず、なぜか近くの木の上からテントの様子をうかがっていたようなのだ。

 最初に遺体が発見された場所は、テントから約500m離れた杉の木の近く。足に火傷を負っているものもいたが、2人ともほぼ下着姿で靴を履いていない状態で発見された。次いでリーダーのディアトロフを含む3人が発見されたが、やはり皆薄着で、死因は低体温症、いわゆる凍死と診断された。学生サークルの遭難事件として調査が進められてきたが、残り4人の遺体が発見されると事態は急変、捜査は事件へとハンドルが切られる。というのも、頭蓋骨が陥没している者、外傷がないにも関わらず肋骨が粉々に砕けている者、眼球や舌が丸ごと無い者など、遺体には不可思議な点が数多く残されており、舌が無くなっていた遺体については解剖の結果、生きたまま舌を切り取られていたことが判明したからだ。
 さらには衣服から高濃度の放射能が検出されると、謎の遭難事件として世界中で注目を集めたのだ。

 地元マンシ族の言葉で「死の山」を意味するこの場所でいったい何があったのか……。

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1959年2月26日に救助隊が雪に埋もれたテントを発見した。

雪崩による圧死というシミュレーション研究

 事件当初、ソ連の捜査機関は彼らの死を『抗いがたい自然の力によるもの』と発表したが、矛盾点が多く、逆に「何かを隠蔽しているのではないか」と疑惑の目を向けられることとなった。今なお真相は謎のままであり、62年が経った今でも、秘密の軍事実験説、メンバーにKGBスパイがいた説、雪崩や低周波によるパニック説、宇宙人説など様々な説が囁かれている。

 その中で最も”現実的”と言われているのが「雪崩説」だろう。しかし一行がテントを張った場所は傾斜が緩い場所だったこと、さらに当日は雪崩が起きるほどの降雪はなかったことなどの理由から『合理的な説明を試みただけに過ぎない』と懐疑的な意見も少なくない。
 だが、2021年に至り、スイス連邦工科大学で山崩れを専門に研究する地盤工学者アレクサンダー・プズリン氏と雪崩シュミレーション研究の専門家ヨハン・ゴーム氏ら合同チームが、「雪崩説こそ正しい」と主張した。一行がテントを張った場所は実際には30°近い傾斜があり、表面の雪が滑りやすくなる基底層が形成されていた可能性が高いとして懐疑派に真っ向から反論したのだ。

 事件当日、彼らのテントを強い風が吹きつけていたという。極寒の死の山を吹き荒れる風は、凍てつく氷の風となり、ゆっくりと雪量を増やしていった。
 研究チームは、雪崩が起きた時の衝撃を、映画『アナと雪の女王』劇中にある雪のシーンのアニメーションコードから再現、ディアトロフ峠に置き換えシュミレートしたところ、5mほどの雪塊で人間の肋骨や頭蓋骨は骨折することが判明したという。
 プズリン氏は、ディアトロフたちは雪崩で埋もれたテントから重傷を負った友人を抱えて脱出したのではないか、と推測している。彼らは必死に逃げ出したが力尽き、ある者は”矛盾脱衣”という凍死者によくみられる異常行動に走り下着姿で凍死、またある者は野生動物に眼球や舌を食われたのだろうーーということだ。

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