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ワレワレはラニアケア宇宙市民だ!/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2015年6月号、第374回目の内容です。

文=南山宏

球ゴのお値段

 英ロンドン南部、テームズミード在住のフォークリフト運転手マーク・キャメロン氏(45歳)は、ある朝、オムレツを作ろうとタマゴのパックを開けて、偶然、完全な球状のタマゴを見つけた。
 調べてみると、球形タマゴの発見は過去たった2例しか報告されていないことがとわかった。
 そこでイーベイのチャリティオークションに出品したところ、1個21ペンス(約37円)で購入したその球形タマゴが、なんと91ポンド(約1万6000円)で売れた。


ワレワレハ宇宙市民ダ

 米ハワイ大天文学部のブレント・タリー博士らのチームが、専門誌〈ネイチャー〉昨年9月4日号に最新論文を発表した結果、われわれ地球に住む人類は、全員〝ラニアケア宇宙市民〟となった。
 ちなみにラニアケアとは、ハワイ語で〝計り知れない天の国〟の意味で、ここではわが〝天の川〟銀河を含む超銀河団に、タリー博士のチームが与えた正式名だ。
 博士のチームは、わが銀河系の周辺各銀河の相対速度の観測データから、ラニアケア超銀河団(スーパークラスター)の境界線の天文地図化に成功した。
 ラニアケア超銀河団は、直径160メガパーセク(5億光年)の膨大な空間に広がり、それぞれ1~4000億個の恒星から成る銀河系を、10万個以上含んでいる。
 〝天の川〟銀河はラニアケア超銀河団の端近くに位置しているので、境界外の超銀河団も比較的観測しやすい利点がある。
 近隣超銀河団は11個、遠方超銀河団は24個、さらに最遠超銀河団は5個見つかっているという。
 まさにコスモス(大宇宙)は、〝計り知れない天の国〟なのだ。


偶然の偶然

 昨年6月、米ニューメキシコ州政府エネルギー・ミネラル・自然資源省の新聞発表によれば、同州アルバカーキ南方の州立公園内の湖畔の砂浜から、300万年前の有史前ゾウのものらしい巨大な頭蓋骨と牙の化石が発見された。
 キャンプ中の男性グループが砂地で偶然けつまずいた化石骨を、ニューメキシコ自然史科学博物館の専門家が、現生ゾウの直系祖先ステゴマストドンと鑑定した。
 発見場所がエレファント・ビュート・レイク州立公園というのはもちろん、ただの偶然である。


スマートじゃない

 ドイツはバイエルン州コーブルクで、検問に引っかかったベルンハルト・ベッカー氏(41歳)は、べろんべろんに酔っ払っていたので、アルコールチェッカー(呼気アルコール濃度測定器)をアイフォーン(アップル製スマホ)と間違えて、弁護士を呼ぼうとした。
「機械を引っつかむなり、パネルのアイコンを呼び出そうとして、必死にいじくっていましたよ」
 コーブルク署の広報係官は、笑いながら取材陣に説明した。


後ろ歩きの男

 25年前、世界に戦争や紛争が絶えないことに心を痛め、核兵器の廃絶と世界の永久平和促進を目的に、生涯後ろ向きに歩く誓いを立てた男は、今では普通の歩き方をすっかり忘れてしまったとか。
 インドはタミルナドゥ州ティルッパトゥル市で、現在は携帯電話店を営むマニ・マニサンさんが、後ろ歩きに初めて挑戦したのは1989年。州都チェンナイ(当時マドラス)まで約480キロを後ろ歩きで通すつもりだったが、このときは抗議の意志を示すためにヌード姿だったので、1キロも行かぬうちに警察に捕まって、3日間留置場に入れられたという。
 今では後ろ歩きでも日常生活にまったく支障がなく、前歩き以上に快適で充実感があるそうだ。


スズメはタバコがお好き

 メキシコシティのスズメはタバコ好き? メキシコ国立自治大学の動物行動学者コンスタンティーノ・マシアス・ガルシア教授と教え子たちが、大学構内で見つけたイエスズメの巣27個と、その近縁種メキシコマシコ(スズメ目アトリ科)の巣28個を観察した結果、どちらのスズメたちもポイ捨てタバコの吸い殻を好んで路上やゴミ箱から持ち帰り、巣に組み込んでいる興味深い事実が判明した。
 理由は不明だが、教授たちの立てた仮説では、ニコチンなどタバコとフィルターに含まれる種々の化学成分のどれかが、ダニや寄生虫を寄せつけないのを本能的に知っているからではないかという。
 ただ捨てタバコの吸い殻には、本来の成分のほか、口紅や口内の雑菌、食べカスなど、余計なものが付着している可能性もある。
 そこで仮説を科学的により厳密に立証するため(「それと学生の健康を損なわないためにもね」と教授は付け加えた)、彼らは〝自動吸い殻製造装置〟別名〝スモーカー・ロボット〟を製作した。
 というといささか大げさで、紙巻きタバコの太さぐらいの細口のペットボトルに、ポンプ式隔膜をとりつけ、隔膜を伸縮させてタバコをふかさせる単純な仕掛けだ。
 さらにスズメの体温程度に電池で温めたスズメのソックリさんを複数用意し、装置がふかしたタバコの吸い殻と、未使用タバコでそれぞれ覆ったソックリさんを、別々のスズメの巣にセットした。
 結果は、吸い殻ソックリさんのほうが新品ソックリさんより、惹きつけたダニや寄生虫の数がはるかに少なく、どうやら害虫を寄せつけないのは、吸い殻の大部分を占めるフィルターに喫煙中蓄積される成分らしいと判明したのだ。
 スズメの繁殖シーズン終了後、教授と教え子たちは家屋や樹木上に残された両種のスズメの巣を回収して、吸い殻と害虫の残量を測定したところ、吸い殻が多いほど、害虫が少ないことがわかった。
「ここまで歴然とした相関関係がある、とは予想してなかった」
 ガルシア教授はコメントする。
「一般に鳥類は嗅覚が鋭いから、スズメも吸い殻と未使用タバコを匂いで識別するのかもしれない。ただ問題なのは、吸い殻の同じ有害成分がスズメ自身やタマゴも汚染して、健康や遺伝子に悪影響を及ぼす恐れもあるという点だ」
 ガルシア教授たちは次のステップとして、スズメが喫煙(?)習慣を身につけた原因と、その結果どうなるかの研究に入っている。


(月刊ムー2015年6月号掲載)

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