「私は幽霊です」と主張する侵入者の話など/南山宏・ちょっと不思議な話
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「私は幽霊です」と主張する侵入者の話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2016年10月号、第390回目の内容です。

文=南山宏


運命の赤い糸

 ダニエル・アスキュー君とジェシカ・クローカー嬢は、どちらも英エセックス州ロムフォードのラッシュグリーン病院で、1988年5月1日に産ぶ声を上げた。
 当の赤ん坊たちはむろん知る由もなかったが、たまたまどちらの家族とも付き合いのある共通の知人が、お祝いに駆けつけた。
 長じてダニエルとジェシカは、イーストロンドンの同じヘイヴァリング・シックスフォーム大学に入学して出会い、恋に落ちた。
 1年ほどして、病院で生まれたときに撮られた古い家族動画を見て、ふたりは自分たちが運命の赤い糸に結ばれているのを悟った。
 恋に落ちて10年後の昨年9月10日、ふたりは正式に結婚した。


サイズの問題

 未来のいつか、われわれが宇宙人と仲よく暮らす時代がやってきて、彼らをわが家のディナーパーティに招待しようと思い立ったとしても、宇宙学者たちの言うことがまちまちすぎて頼りにならないのは、まったく困ったものだ。
 宇宙人のサイズの問題である。
 英シェフィールド国立大のミルトン・ウェインライト博士は、宇宙人=顕微鏡サイズ説を唱える。
 博士はオンライン誌〈宇宙論ジャーナル〉で、成層圏で採集された微生物のDNAが地球生物とまるで異なっていた事実から、宇宙起源の可能性が高いとする。
「宇宙空間なら、必要なエネルギー量も少なく、行動の自由度も大きいから、微生物のまま知的生物にまで進化してもおかしくない」
 これに対してスペインはバルセロナ大の宇宙論学者ファーガス・シンプソン博士は、真逆の説だ。
 博士は生命惑星の数学モデルに基づいて、地球外知的生物(宇宙人)の平均体重を、295キログラム以上は必要だと推測する。
 分かりやすく力士の実例で説明すれば、横綱の白鵬(はくほう)に日馬富士(はるまふじ)を足したよりも重い体重になる。
 シンプソン理論が前提とするのは、エネルギーの必要量が小さいため、小型生物は大型生物より個体数では上回るが、寿命は短い、という地球上の生物学的真実だ。
「逆に言えば、生きるために多量のエネルギーが必要な、ゾウやクジラに代表される大型生物は、頭数は少ない代わり、寿命は長い。
 したがって宇宙の遠い星から宇宙船で地球にこられるほど知的レベルの高い生物もまた、必然的に長命で、ホッキョクグマ以上の体格の持ち主にちがいない!」
 やれやれ、宇宙人が顕微鏡サイズとしてもホッキョクグマなみとしても、われわれ招待主側は、料理と会場の準備にとてつもなく苦労させられそうです。

私は幽霊

「私は幽霊である。おとなしくベッドに戻って、眠るがよい!」
 暗い室内で物色中に見つかったコソ泥が、その家の主(あるじ)に命じた。
 驚いたことに、その家の主の男性は、言われた通り素直にベッドに戻って眠ったが、翌朝目が覚めると、財布もケータイもノートパソコンも消えていた。
 男性はあわてて地元の警察に通報し、数日後、警察は情報機器のGPS機能を逆探知した結果、ロシア・オリオール市近郊のストレレツカヤ村在住のボグダン・デニソフを、容疑者として逮捕した。


眠る犬は起こすな

 昨年3月11日付〈デイリーメール〉紙によれば、中国四川省重慶のとあるビルを訪れたデン・ジャンユー氏(仮名)は、いつもの使い慣れた駐車スペースに寝そべっている犬にむかっ腹を立て、蹴り飛ばして追いはらった。
 件(くだん)のワン君はしばらくすると仲間をぞろぞろ引き連れて戻ってくるや、ひとしきり駐車中の赤い車に噛みついて車体を傷つけたり、ボンネットに登ってワイパーを引きちぎったりと、乱暴のかぎりをつくしてから立ち去った。
 この恐るべき復讐劇の一部始終は、たまたま隣人が連続撮影し、ネット上でも公開されている。


火の出るような恥

 ドイツはバイエルン州で、昨年10月4日に発生した森林火災の消火に奮闘した当地の消防隊は、予想外の事の真相に茫然自失した。
 火元の原因となったのが、人もあろうに同州森林局のヘルムート・ブルンナー局長、という屈辱的な捜査結果が判明したからだ。
 ブルンナーはサマーシーズン中に、森林火災の発生率がとりわけ高い季節だからと、率先して警告を発し続けてきた当人だった。
 自宅の庭の焚き火の燃え殻を、完全に消したつもりで森に捨てたのがいけなかったのである。


フランケンウイルス

 自然科学専門サイト〈フィズオルグ〉2015年9月8日付によると、フランスのマチュー・ルジャンドルら総勢15人の微生物学チームが、シベリアの永久凍土から3万年前の氷河期に生存していた〝巨大〟ウイルスを発見した。
 電子顕微鏡でなければ見えないほど微小なウイルスが〝巨大〟というのもおかしいが、専門家によると、ウイルスの大小を分ける境い目は、3分の1ミクロン(マイクロメートル)から半ミクロン前後で、それ以上大きいウイルスは〝巨大〟な部類に入るそうだ。
 モリヴィルス・シベリクム(シベリア産の軟らかいウイルス)と命名された今回のウイルスは、0.6ミクロンあるという。
 冷凍状態で見つかった有史前のウイルスとしては、2003年の生物学史上初の発見以来、今回で4例目になるそうだ。
 ただし、冷凍されたモリヴィルス・シベリクムの解凍と蘇生――つまり生き返らせていいかどうかについては、専門家たちの間でも意見が分かれ、現段階では解凍・蘇生は見合わされている。
 甦った有史前ウイルスが、人間やほかの動物・植物に侵入して、何らかの悪性の疾病(しっぺい)をもたらす危険性も考えられるからだ。
 それというのも、これまでに発見された有史前ウイルスは、いずれもただ巨大なだけではない。
 地球上で現在活動している各種のウイルスに比べると、遺伝学的にはるかに複雑な構造であることがわかっているという。
 有史前ウイルスは、ウイルス界のフランケンシュタインなのだ。


(月刊ムー2016年10月号掲載)

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