
『魔法科高校の劣等生 来訪者編』の”魔法師”=超能力兵士は実在する!/特別コラボコラム
体系化された超能力=魔法が社会に根付いた架空世界を舞台とするアニメ
『魔法科高校の劣等生 来訪者編』が放送中だ。
本作に登場する“超能力兵士”は、現実世界でも育成されていた――。放送が佳境を迎える今、 「ムー」によるコラボ・コラムをお届けする。
文=戸田敏智
魔法が体系化された世界
先般、TVアニメ第二期が放送開始された『魔法科高校の劣等生 来訪者編』。本作は、1999年を境に歴史が分岐したもうひとつの未来世界(西暦2095年~)を舞台に、「体系化された超能力」である「魔法」を駆使する高校生らの活躍を描く娯楽大作である。
本放送ではついに「戦略級魔法」をまじえた戦いの火蓋が落とされる。日本の“魔法師”も国際紛争に巻き込まれてしまうが……。
作中では、歴史の分岐以前の世界(すなわちわれわれの住むこの現実世界
である)においても、過去に魔法や超能力を科学的に研究、体系立てようとする試みがあったことが示唆されているが、これは単なる作劇上の架空の設定ではない。そうした試みは実際にあったし、現在においても厳然と存在しているのだ。
実在する”超能力兵士”たち
容易に想像がつくように、歴史上、そうした試みが積極的に為されたのは専ら軍事・諜報の分野であった。中でも最も有名なもののひとつが、アメリカが1970年代から80年代にかけて極秘に取り組んでいた「スターゲイト計画」である。カリフォルニア州スタンフォード研究所で開始されたこの計画の主眼は「遠隔視能力」の活用にあり、実際に超能力を開発されたスパイ部隊が組織されていた。その研究成果は1986年に国防情報局による「遠隔透視訓練マニュアル」として公開されている。公式には、この計画は1995年を以て終了したとされているが、それが隠密裡に今なお継続されているという見方は根強い。
一方、ロシアにおいても、遠く旧ソ連時代から超能力研究は盛んに行われていた。ソ連が国を挙げて育成した超能力者ニーナ・クラギーナは、念力で生き物の心臓を停止させることができたという。こうした研究に基づき、旧ソ連は独自の「サイキック兵器」の開発に成功していたともいわれている。
現に、2019年4月の「ニューズウィーク」紙に「ロシア国防省公式機関誌、超常兵士とイルカのテレパシー軍事利用を暴露」と題する記事が掲載された。同記事によれば、「旧ソ連の科学者が超能力に関わる分野の研究を行っていたことは事実」であり、特に1960年代から1980年代にかけて盛んに行われていたという。その結果、現在のロシアではテレパシーを用いて囚人を尋問したり、変性意識状態によって敵対勢力の情報を感知したりする技術が確立されているというのだ。
本作『魔法科高校の劣等生』はアニメであり、現実とは異なる時間軸上の物語である。だがこの現実世界においてもまた、作品世界に迫る超能力の実用化が成し遂げられるのかもしれない。
本作ではCAD(Casting Assistant Device=術式補助演算機」という、魔法の発動を高速化するデバイスが登場する。科学のように超能力が体系化されたことで、魔法の使用は身近になっている。
TOKYO MX、BS11、群馬テレビ、とちぎテレビ、MBS、テレビ愛知、AT-Xほかにて毎週土曜24時30分より放送中。
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公式サイト https://mahouka.jp/
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