見出し画像

7万9000年後の宇宙隣人に備える話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2019年2月号、第418回目の内容です。


文=南山宏

エイリアン信号

「われわれは太陽系外に存在する地球によく似た文明惑星を、天文観測史上初めて発見した!」
 2017年11月8日、南米チリのアタカマ砂漠で米英をはじめヨーロッパ各国に日本や韓国も加わった16か国により共同運営される〝ヨーロッパ南天天文台(サザン)〟が、衝撃的な公式発表を行った。
 発見のきっかけは、同年4月にプエルトリコのアレシボ電波天文台が受信した高度に規則的な電波信号で、その規則性からみて自然発生的な宇宙電波ではなく、明らかに人工的な電波と判定された。
 発信源は黄道12星座のひとつ、おとめ座に属する赤色矮星で、地球からの距離は約11光年、肉眼では見えない絶対等級13.51の〝ロス128〟星と判明した。
「この赤色矮星が発する人工的な〝フシギ信号(ウイアード)〟の発信者は、同星を太陽として公転する生命惑星上で高度の科学技術文明を築き上げた知的生物の可能性が高い!」
 とアレシボ電波天文台付属の惑星居住可能性(プラネタリー・ハビタビリティ)研究所のアベル・メンデス所長は大胆に主張する。
 観測データによれば、〝ロス128b〟と呼ばれるこの新発見の文明惑星は、質量が地球の約1.35倍と推定される岩石惑星で、母星のロス128を1周ほぼ10日の猛スピードで公転している。
 地球の公転軌道より約20倍も太陽に近い周回軌道だが、それでも母星が光熱量のかなり低い赤色矮星なので、当の文明惑星ロス128bが母星から受ける光熱エネルギーの量はきわめて低く、おそらくその地表温度も地球とさほど変わらないだろうと推測される。
 地球同様に大気と海と陸地が存在し、比較的温暖な気候に恵まれさえすれば、生物進化の末に知的生物が出現して、われわれとよく似た科学技術文明を発展させ、その証として人工電波を発信していても決しておかしくない。
 われわれ地球人類からすれば、文字どおり〝エイリアン(地球外知的生物)信号〟というわけだ。
 さらに興味深いことに、前出・ヨーロッパ南天天文台の観測結果によると、このロス128星系はじりじりと地球の方向に動いており、約7万9000年後の未来には、われわれの太陽系に最も近い惑星系になるはずという。
 現在の時点でいちばん近い隣人惑星は、2016年に確認された約4.2光年先のケンタウルス座プロキシマb惑星だが、7万9000年後以降にはロス128bがそれに取って代わることになる。
 ちなみにこのケンタウルス座プロキシマbという惑星も、同じヨーロッパ南天天文台によって2016年8月に発見されている。
 とはいえ、7万9000年という人間にとっては長い歳月だが宇宙のスケールからは一瞬にすぎない時間が経過したとき、はたして地球人類やロス128b星人は、戦争や科学技術の暴走で破滅することなく、平和的な〝未知との遭遇〟の実現に成功しているだろうか?


コオロギパン

 フィンランドの製菓大手フェーザー社が、世界初の昆虫食用品として〝コオロギ粉末製食パン〟の大々的発売に踏み切った。
 その名のとおり乾燥コオロギを砕いた粉末に小麦粉を混ぜて作り、普通の小麦パンよりタンパク質が多く、また栄養価も高いという。
 コオロギパン1斤あたり、平均70匹分のコオロギが含まれ、売価は3.99ユーロ(約511円)とかなりリーズナブルだそう。


宝玉の雨

 2018年6月15日付「クイーンズランド・クーリエメール」紙によれば、米ハワイ諸島最大の活火山キラウエアは、ひときわ活発な噴出活動を数週間続けたあと突然、グリーンの美しい宝玉石オリヴァインを天高く噴き上げ、ハワイ島上にバラバラと降らせた。
 島民が女も子供も総出で拾い集め回ったのはいうまでもない。
 ちなみに日本の国立天文台ハワイ観測所が運用する〝すばる望遠鏡〟は、同じハワイ島の休火山マウナケア山頂に設置されている。


観客は死人

 2018年4月17日の夜、タイ王国の某財団が、チョンブリ県パントン地区のとある共同墓地で野外映画上映会を開催し、アクション、ラブストーリー、ファンタジーなど映画3本を上映した。
 観客は同墓地に住んでいる約100人の死者たちのほかに、上映会の企画スタッフ数人と近隣から集まった多数の住民たちだった。
 この墓地で映画上映会が催されるのはこの年3度目で、財団スポークスマンのブーンソム・シラパチャイ氏は、タイの全国紙「ネーション」の記者にこう語った。
「これで企画スタッフにも観客たちにもきっと幸運が訪れるでしょうし、何よりもまず死者や幽霊たちが喜んでくれるでしょう!」


今月のおバカで賞

 米オハイオ州バースタウンシップ在住のジョゼフ・マーフィー君(20歳)はすっかり気が動転し、大慌てで地元の警察署に電話すると、〝K9(ケーナイン)ユニット〟(警察犬捜索隊)の緊急出動を懇願した。
「ガールフレンドがボクのヘロインを持ち逃げしたんで、どうか警察犬で捜してください!」
 当然ながら、ジョゼフはたちまち麻薬犯罪者として逮捕された。


贋作美術館

 フランス南部ペルピニャン郊外のエルヌにあるテルス美術館に展示中または収蔵された140点の作品中、少なくとも3分の2近い82点は、文字どおりの真っ赤なニセモノであることが判明した。
 この美術館は地元出身の画家エティエンヌ・テルス(1857~1922年)が遺した作品だけを集めた個人美術館で、テルスは日本では無名だが、地元ではあの20世紀を代表する世界的芸術家のひとり、〝色彩の魔術師〟と謳われたアンリ・マティスの親友だった画家として知られている。
 総額16万ユーロ(約2100万円)を投じて購入した美術館のスタッフはだれも気づかなかったが、最初に贋作を発見した美術史家エリク・フォルカダ氏の話では、偽造作品の中にはテルスが生きていた時代にはまだ建造されていない橋や建物が麗々しく描き込まれた絵もあったそうだ。



(ムー2019年2月号掲載)


★「ムー」本誌の特集やオリジナル記事が読めるウェブマガジン「ムーCLUB」(月額900円)の購読はこちらから。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

ネットの海からあなたの端末へ「ムー」をお届け。フォローやマガジン購読、サポートで、より深い”ムー民”体験を!

見つけてしまいましたね。
16
スーパーミステリー・マガジン「ムー」の公式サイトです。 ウェブマガジン「ムーCLUB」にて極秘情報を配信中。 本誌記事のほかウェブオリジナル企画にて、世界の謎と不思議をご案内します。

こちらでもピックアップされています

ちょっとムーでも読んでいきなよ
ちょっとムーでも読んでいきなよ
  • 277本

ムー公式ウェブ「ムーPLUS」の中から、比較的まったり読めそうな記事(個人差あります)や連載記事の一部をまとめました。 ムー初心者の方、息抜きしたい方はこちらをどうぞ。 *一部、有料マガジン「ムーCLUB」向けの記事をこちらに移しています。購読者様は広い心でムー民、ムーCLUBメンバーの拡大を歓迎してください*