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宇宙をさまようゴミ袋物体とメキシコをさまようカバの話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2019年5月号、第421回目の内容です。

文=南山宏


謎のETBO

「現段階では、当該地球近傍不明物体(アンノウン・ニアアースオブジェクト)の起源については、残念ながらまったくのお手上げ状態だ!」
 米ハワイ・マウイ島のハレアカラ火山頂上で〝地球近傍天体〟を監視する「小惑星地球衝突最終警報(アステロイド・テレストリアル・インパクト・ラスト・アラート)システム」略称ATLASに所属する天文学者たちは、本年1月25日、現在地球周回軌道上にあるというコードネーム〝A10bMLz〟なるその謎の物体について、公式記者会見の席上いささか投げやり気味な説明をつけた。
 近地点は地表から600キロ近い超高空、遠地点は月・地球間距離の約1.4倍まで遠ざかる極端に細長な楕円形軌道をとって周回していることまではどうにか突き止めたが、かりに宇宙ゴミ(デブリ)の一種だとしてもその発生源と正体がさっぱりわからないという。
 近地点600キロは地表からの観測可能な限度ぎりぎりの距離だが、それで判明したのは、この怪物体A10bMLzは通常の人工衛星やデブリとは大違いで、軌道上の行動が奇妙すぎることだった。
 まるで風に吹かれて空中に舞う空っぽのビニール袋のように一貫性も規則性もないそのあてどなく
フラフラとさまようような奇妙きてれつな動き方の特徴から、専門家の間では密かに〝空っぽのゴミ袋物体(エンプティ・トラッシュ・バッグ・オブジェクト)〟略称ETBOという別名でも呼ばれるようになったのだ。
 その正体はおそらく打ち上げのさいにロケットから剥がれ落ちた柔らかくて軽い金属フォイルの類いだろうとも憶測されている。
 だがその反面、これまでまったく前例がなかった異常な事態なだけに、アメリカの宇宙開発ウォッチャーたちの間では「これはフェイクニュースで、その見せかけの背後にはそれこそ〝地球文明の存亡に関わる何らかの宇宙的重大事が隠蔽されている〟とのまことしやかな陰謀論も囁かれている。


世界最重量女

 エジプトはアレキサンドリア在住のイーマン・アハマド・アブドゥルラティさん(37歳)は、体重約502キロ。おそらく記録が残るかぎりでは、世界一体重が重い女性だったらしい。
 だったらしいというのは、人間の体重に関する世界的な比較統計がないため、あくまでも推測の範囲内でという意味で、彼女は一昨年9月25日、加療中だったアラブ首長国連邦の病院で亡くなった。
 イーマンは11歳のときに〝体液貯留〟性の病気にかかり、25年間ほとんどベッドで暮らす生活を続けて体重過剰になってしまった。
 ちなみに大相撲の力士の最重量記録でもせいぜい292キロで、彼女のやっと6割ぐらいである。


1発ゴルフ

 英イングランドはエセックス州のラングドンヒルズ・ゴルフコースで、40年来の親友同士、テリー・ハギンズさん(61歳)とジョン・ヒルさん(57歳)が、ともに同じホールでホールインワンを達成するという珍しい記録を出した。
 テリーとジョンはそのときダブルスを楽しんでいたが、まずテリーが14番ホールで、6番アイアンを使って165ヤード(約151メートル)を沈めた。
 そして次にジョンが7番ウッドを振って、同じパー3のホールにいきなりボールを叩き込み、親友の作った新記録に並んだのだ。
 専門家によると、このホールインワンの奇跡が実現する確率は、約1700万分の1だそうだ。


メキシコカバ

 昨年3月22日、1頭のカバがメキシコ国内で10日間ほど追跡されたあげく、ようやく捕獲された。
 出所不明のこのカバ君は、同年1月ごろから東部のベラクルス州内を徘徊していたが、ようやくラスチョパスで捕獲されて現在は近くの動物園に収容されている。
 当初は捕獲に反対していた地元の住民も、この半水棲の巨大動物に親しみを覚えたのか、〝タイソン〟とニックネームをつけた。
 カバはサハラ砂漠以南のアフリカが原産地なので、目下のところタイソン君がどこから逃げてきたのかが不明のため、専門家によって追跡調査が行われている。
 3月24日付「ニューヨークポスト」紙は、南米コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルが20年以上前に警察との銃撃戦で死亡して以来、放置された麻薬王の私設動物園の廃墟からカバたちが逃げだし、いまやアフリカ以外で最大の野生カバの群れと呼ばれるまでに増えている事実を指摘する。
 その1頭では、という可能性も捨てきれないが、南米のコロンビアから中米のメキシコまでは直線距離でゆうに3700キロ近くも離れている。はたして真相は?


アブナイ男

 豪西オーストラリア州キャニントンの野次馬たちは、昨年7月18日、ゴルフクラブとチェーンソーで自分の車に乱暴狼藉を働いている若い男を取り押さえようとする警察を積極的に応援した。
 同国パース郊外ベッケンハム出身の27歳のウォルター・アンダーソン(仮名)は、警官に手錠をかけられてからもなお車を蹴ろうとして暴れるのをやめなかった。
 だが、警察がウォルターになぜ車を傷めつけるのか、いくら理由を聞いても答えないので、結局、病院の精神検査に送られた。


ポテチ弾

 ポテトチップスで世界的に有名なカルビー社の香港子会社の工場で、今年2月2日、フランスから輸入したジャガイモの中からとんでもない危険物が発見された。
 第1次世界大戦中に使用されたと見られる幅8センチ、長さ11センチ、重さ約1キロのドイツ製とおぼしき不発手榴弾で、ただちに警察の爆発物処理班が工場敷地内の排水溝内で、安全を期した爆破処理を行って事なきをえた。
 香港警察のスポークスマンによると、当の手榴弾は安全装置がはずされた状態の不発弾で、かなり〝不安定〟な状況だったという。
 香港大学の軍事史専門家デーヴ・マクリー氏はコメントする。
「おそらく戦闘中に兵士が投げた手榴弾が、泥の中にでも落ちて濡れたために信管が発火しなかった可能性がある。戦場はその後、畑になり、不発弾はジャガイモといっしょに収穫されて、はるばる香港まで運ばれてきたのだろ
う」


(ムー2019年4月号掲載)

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