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2020年の今だからこそ沁みるーー廃墟となった地球でゴルフをする『GOLF CLUB WASTELAND』/藤川Q・月刊ムー通

ムー民の皆様にファミ通の怪人編集者こと藤川Qがムー的なゲームを紹介する本コーナー。今回取り上げる作品は、滅亡して廃墟となった地球でゴルフをする『GOLF CLUB WASTELAND』。

文=藤川Q

GOLF CLUB WASTELAND

 昨今、コロナ禍による都市のロックダウンや非常事態宣言によって、町から人の姿が消えつつある。今回ムー民の皆様にご紹介する『GOLF CLUB WASTELAND』には、どこかそうした風景とシンクロするような空気感を持ったゴルフゲームだ。

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 本作の物語は、火星に移住した人類の富裕層が、崩壊した地球へゴルフをしにくる……というもの。あなたは、火星での生活になじめずにホームシックにかかり、思わず宇宙服を着こみ、地球への最後の一人旅として、廃墟のゴルフコースを巡ることになるのである。
 茫漠たる無人の都市などでひたすらゴルフショットを繰り返してコースを進んでいく本作は、淡々としたさびしい風景が続くゲームプレイが特徴だ。そんな孤独な主人公は、GOLF CLUB WASTELAND RADIO Nostalgiaという架空のラジオ番組を聴きながらプレイをしているのだが、これが本作のBGMとなっている。このラジオ番組は、火星の住人達が在りし日の地球について思い出を語らったり、往年のヒット曲を流したりするという内容で、滅んでしまった地球へと首(こうべ)を巡らせるもの。このラジオはサウンドトラックとしてiTunesにて配信されていたりもする。

 ラジオに耳を傾けながら、無人となった都市の静謐な風景の中で黙々と進めるゴルフプレイ。良い成績を収めてホールを巡るごとに明かされていく日誌に記された物語と、火星からの電波に乗って届くラジオの声は混然一体となって、あなたに強烈なノスタルジーをもたらすはず。
 
 ちなみに、崩壊後の地球から脱出した人類の富裕層は、火星のテスラ・シティに移住したという設定だが……これは2018年にアメリカのスペースX社のロケット・ファルコンヘビーが打ち上げられ、積載されたテスラ社の電気自動車である初代ロードスターが火星に向かった事実を彷彿とさせる。ゲームも2018年にリリースされたものでもあり、本作には、人類の宇宙や火星への移住という科学技術の発展をベースとして描かれる、ポストアポカリプスなSF小説のように味わうことができるものだった。

 そんな本作の舞台は2020年……つまり今年にあたるのだが、地球はいまコロナ禍で各国の都市は廃墟のように静まり返っている。奇しくも作品と情景や時間軸が重なり合うという、稀有なタイミングとなったいまだからこそ、家から出ずに『GOLF CLUB WASTELAND』を遊びながら人類を行く末に思いをはせてみるというのも一興ではないだろうか?

(本作のムー民度★★★☆☆)

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画面をタップ+スライドでクラブをスイングする角度と勢いを調整してショット。誰もいない(?)ので、何打たたいても大丈夫……。
約330円でAppStore、GooglePlayにて配信中。(C) 2020 Demagog Studio


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