真っ赤に染まる「豆腐の怪談」/黒史郎・妖怪補遺々々
見出し画像

真っ赤に染まる「豆腐の怪談」/黒史郎・妖怪補遺々々

まだまだ、蒸し暑い日が続くことと思います。こんなときは、ゾクリとするような怪談と、ひんやりとした冷奴でもいかがでしょうか。というわけで、今回は高知県で語られる【豆腐にまつわる怪談】をご堪能ください。
ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」だ! 

文・絵=黒史郎 #妖怪補遺々々

罪は豆腐にあらわれる

 香美郡槙山村(現・香美市)土居、ここにあった八幡宮の境内は一宇(いちゅう)小三郎の居城であったと伝えられています。
 それが起きたのは、12月の某日。
 小三郎は正月用の豆腐作りを家来に命じ、城下を歩いておりました。
 すると、ひとりの男が米を背負って歩いているのを見かけ、その後をつけていきます。
 そしてなんと、下大川岸で男を斬り殺し、彼の持っていた米を盗ってしまいました。
 城に帰ってくると、なにやら家来の者たちが震え慄いております。
「殿、正月用の豆腐が……」
 なに、豆腐が?
 製造を命じていた豆腐を見ますと、これはどういうことでしょう。
 白いはずの豆腐が、真っ赤に染まっている。
 この豆腐、小三郎が男を斬り殺したのと、ちょうど同じ時刻に赤々と染まったとのこと。
 以来、この城では正月用の豆腐を作ることを止め、村の家々から1丁ずつ豆腐を持参させるのが恒例になったといいます。
 小三郎は後に、3兄弟の長男、別役領主・岡本彦九郎に城を攻め込まれ、斬首されたといいます。

 土佐の奇談集に「血染の豆腐」と題されて載った怪談です。

この続きをみるには

この続き: 1,642文字 / 画像1枚
この記事が含まれているマガジンを購読する
マニアックなロングインタビューや特異な筆者によるコラム、非公開のイベントレポートなど、本誌では掲載しにくいコンテンツを揃えていきます。ここで読んだ情報は、秘密結社のメンバーである皆様の胸に秘めておいてください……。毎月30~40本投稿あり。

ムー本誌の特集記事のほか、ここだけの特別企画やインタビュー記事、占いなどを限定公開。オカルト業界の最奥部で活動する執筆陣によるコラムマガジ…

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
ムーPLUS

ネットの海からあなたの端末へ「ムー」をお届け。フォローやマガジン購読、サポートで、より深い”ムー民”体験を!

ムー民ですね!
スーパーミステリー・マガジン「ムー」の公式サイトです。 ウェブマガジン「ムーCLUB」にて極秘情報を配信中。世界の謎と不思議をご案内します。 ※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを禁じます。