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ムー民のためのブックガイド

「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。

文=星野太朗

神神の契約 古墳と北斗七星に秘められた真実/西風隆介 著

一直線上に配置された聖地、何の目的で、いったいどうやって建設したのか

 埼玉県行田市にある国の特別史跡「さきたま古墳群」は、9基の大型古墳からなる全国有数の巨大遺跡である。世界遺産への登録も進められているこの遺跡だが、本書の著者はこれに関して、これまでだれも気づかなかったふたつの奇妙な事実を発見した。ひとつは、この古墳群が南へ50キロ以上も離れた大國魂神社と、「信じがたい精度」の南北ラインで貫かれているということ。そしてもうひとつは、各古墳の配置が、二重星を含む北斗七星と北極星の配置を精密に地上に再現している、という事実だ。それだけではない。古墳群と大國魂神社を貫く南北ラインは、そのままはるか南の江ノ島大師や三宅島まで、精確に貫いていたのだ。
 いったいこれはどういうわけなのか。これらの聖地を一直線上に配置した古代の人々は、何の目的でこんな手の込んだことをしたのか。否、そもそも現在の精密な測量技術でもない限り不可能な工事を、いったいどうやってやってのけたのか。
 かくして、古代の謎を追い求める著者の旅が始まった。鬼気迫るともいうべき執念で古代史に関する細かな情報を逐一収集し、組み上げる著者・西風隆介(ならいりゅうすけ)氏の鮮やかな手腕には素直に脱帽する。氏は「神の系譜」シリーズで知られる作家であるが、かつては別名義でオカルト現象の解明本なども手がけていたことがある。そんな著者の駆使する文体は言葉のリズム感に独特の癖があり、最初は戸惑うかもしれないが、慣れてくればこの癖の強さが文字通り癖になる。
 そこかしこへとばらばらに、だが巧妙に配置されていたパズルのピースが、最後にぴしゃりとはまって壮大な古代の眺望が出現する。その快感は、何ものにも代えがたい。かくして読者は、想像もしていなかった古代の「神神の契約」の現場に立ち会い、歴史の教科書が根底から書きかわる瞬間を目撃するのだ。まさに読書の愉悦、ここに極まれりである。
 これは評者の誇張ではない。評者などより学識の面でも感性の面でもはるかに卓越している夢枕獏氏が「達人の書である。久しぶりにおもしろい古代史本を読ませていただいた」とまで絶賛。その面白さと知的興奮は文字通り保証つきである。


「自然栽培」で地球を救っていく!/坂の上零、高野誠鮮、池田整治 著

「自然栽培」を起点とし、新たな世界を創る

 本書は3人の著者による鼎談で、昨年7月に生配信されたセミナーの書籍化である。まず鼎談のホストをつとめる坂の上零氏は、音楽家・小説家・発明家・国際金融家・ジャーナリストなど、多彩な顔を持つ才媛であり、現在は日本再生をかけた地方創生プロジェクト「医食同源NAUはこぶね組合」を主宰している。
 迎えるゲストのひとりである「スーパー公務員」高野誠鮮氏は、石川県羽咋市文化財室長や、立正大学客員教授、日蓮宗僧侶などいくつもの肩書きを持ち、ベストセラーとなった『ローマ法王に米を食べさせた男』の著者。もうひとりのゲストである池田整治氏は、元陸上自衛隊陸将補で、「オウムのサリンテロを身を挺して止めた男」として知られている。
 この個性あふれる3氏が、「自然栽培」を起点として、遺伝子組み換え作物や陰謀論、米国による日本支配にフリーエネルギー、はてはUFOから宇宙の構造、そして今後やってくる「本当の国難」にいたるまで、多種多様な話題を縦横無尽に語り尽くす。だがそこに一貫して流れているメッセージは、現代という昏迷の時代の中に希望を見出し、新たな世界を創っていこうという前向きなもの。読めば生きる希望がわき、それを実現させるための具体的な処方もわかる。
 また、決して報道されることのないこの世界の裏の情報、隠された真実をも垣間見ることができる。暗闇にさす、一条の光のごとき導きの書。


日本神話と同化ユダヤ人/田中英道 著

日本神話や古代史、ユダヤ人渡来の事実は!?

 一昨年になるが、本欄において『発見! ユダヤ人埴輪の謎を解く』と題する書物を紹介したことがある。同書は一般向けの新書という体裁ながら、「人物埴輪」という斬新な題材を用いて、古代におけるユダヤ人渡来の真相に切り込んだ快著であり、本欄は「学問的に隙のない緻密かつ正確な論考でありながら、同時に解りやすく、読みやすいという贅沢極まりない良書である」と評した。
 著者の田中英道氏は、東北大学名誉教授やローマ、ボローニャ大学客員教授などの肩書きを持つ歴史家・美術史家。文字通り「美術史の世界的権威」として知られている。 
 本書『日本神話と同化ユダヤ人』は、その田中氏が『日本國史学』などの専門誌に発表してきた、学術論文8編を網羅した学術書である。第一論考「火焔土器は水紋土器である」から第八論考「ユダヤ・秦氏の歴史的系譜」まで、日本の神話や古代史、そしてユダヤ人渡来の事実について、著者の提唱する「形象学(フォルモロジー)」の方法論を駆使した、緻密な論考が展開される。
 いわゆる「日ユ同祖論」といえば、いまだに学会からは異端視されているようだが、ここまで厳密、かつ説得力あふれる学術論文が提出されてしまえば、ぐうの音も出ない。
 なにしろ専門的な学術論文集であるから、先の『発見!』ほど読みやすくはないし、かなりの教養も要求されるが、真摯に取り組むべき必読書である。


Love Me Doの大予言~2021年から輝く未来を築くために~/Love Me Do 著

コロナ禍の到来を予言した、驚異の占い師の著

 昨年初頭から世界中で猛威をふるう「コロナ禍」という未曾有の厄災は、現時点においてもまったく収束の気配を見せようともしない。そんなご時世、だれもが現在の生活に、そしてこれから先の世の行く末に、切実な不安を抱いているのが実情だ。
 そんな先行き不透明な時代を生きるすべての人に、明確な指針を提供する運命の羅針盤が登場した。それが本書である。
 何と本書の著者であるLove MeDo氏は、当のコロナ禍の到来を、ウイルスの発生日時に至るまで予知していたという驚異の占い師である。本書で著者は、西洋占星学と東洋の陰陽五行論を巧みに組み合わせた独自の手法で、2021年の大まかな世界の動きを月別に予言している。これはまさに、前途多難な今年を生き抜くためのこの上ない指針となろう。
 それだけではない。12星座別の2021年の運勢、そして今年から2026年までの運勢の流れや人生の課題まで細かく予言されているから、頼もしいことこの上ない。
 また、運気を上げるための生活習慣も一章を割いて解説され、おまけに帯には著者のトレードマークである「黄金のリンゴ」まで添付されている。これをスマホケースやパスケースなどに入れておくだけで運気がアップするというから、入手しない手はない。
 文字通り至れり尽くせりの内容を盛り込んだ、近未来を生きるための必須のバイブルである。


現代山岳信仰曼荼羅/藤田庄市 著

克明に描かれる「日本宗教の底流」修験道のリアル

 世界一の登山者数を誇る山、東京・高尾山。標高599メートルと手ごろな高さで、都心から1時間とアクセスも至便とあって、都内有数の人気観光スポットとして名高い。
 だがこの高尾山には、観光地以外にもうひとつの顔がある。今も大勢の山伏が山野を跋渉(ばっしょう)し、火渡りや滝行などの修行に勤しむ「信仰の山」としての側面である。
 本書は、この高尾山を皮切りに、いわずと知れた日本一の霊峰富士、御嶽山(おんたけさん)信仰の根本道場である木曾御嶽山、異界の趣漂う国東半島六郷満山(ろくごうまんざん)、修験道の一大根拠地である羽黒山、そしてかの役行者が駈け巡った大峰山……などなどの聖地の苛酷な行程を著者が自らの足で踏破し、写真として切り取った、20年にも及ぶフィールドワークの集大成である。標題通り「曼荼羅」さながらに展開する美しい写真たちには、思わず息をのまずにはいられない。
 著者・藤田庄市氏は、大学で宗教学を専攻したフォトジャーナリストで、「山岳信仰、宗教修行、伝統仏教、神道、民俗宗教、新宗教、カルト問題、政治と宗教など、40年間にわたって宗教取材に従事」してきた。著書も多数である。
 そんな著者が、文字通り命がけで挑んだ、数々の修行を追体験させるような活き活きした文章は、現代における修験道のリアルな姿を克明に描いている。「日本宗教の底流」である修験道の世界への、好個の入門書である。


坎宮 世界は誤算時代/渡邊庄一郎 著

昨年以来、「坎宮の神様が大暴れ」

「坎宮」とは聞き慣れない単語だが、著者によれば「気学でいう60干支の『己亥・北の方位』のこと」で、「病気や災いなどが起りやすい厳しい方位」。現在の地球は、この「坎宮の庚子の方位に回座している」という。
 本書は、著者が専門分野である気学の知識を縦横に駆使して、今後の世界の情勢を読み解く試みである。
 著者によると、昨年以来、この「坎宮の神様が大暴れ」しており、「天命殺と気の動きが活発」になっている。コロナ禍における「この地獄の世は、後5年は続」いて「これからは毎年、無慈悲な暴れ梅雨に、長引く新型コロナに悩まされること」になるというのだ。
 各国の運命を見ると、アメリカのトランプ氏の2021年は「天命殺と表鬼門で、どうにもならない年になりそう」。一方の習近平の今年は「気は坎宮で、凶の方位」。来年は裏鬼門で、「厳しい状況から脱出するのは、まだまだ先」。そしてロシアのプーチンは今年「鬼門と天命殺が重なり、最悪の年」。菅総理は丑庚で「苦しい年」ということで、世界的な苦境が浮き彫りにされる。
 著者の渡邊庄一郎氏は昭和9年生まれ。新制中学卒業後、さまざまな職業を転々としつつ人生の浮沈を体験。あるときから「運命学を猛勉強」し、2019年に『発見・新運命学「追い風」』を上梓した。
 本書は氏の2冊目の著作。苦しい時代を乗り切るよすがとしたい本である。


太古から今に伝わる不滅の教え108/エリコ・ロウ 著 牛嶋浩美 イラスト

深遠な叡智が秘められる格言と、愛らしいイラスト

 昨今のコロナ禍で、多くの人は健康に対する不安にさいなまれていることだろう。だが、チベットにはこんな格言がある。「病気は、なる前に治せ」。常日ごろから免疫力を高め、病気にならないライフスタイルを心がけていれば、コロナすら恐るるに足らず、というわけだ。
 本書はチベットをはじめ、シュメールやケルト、ネイティヴアメリカン、アステカ、イヌイット、エジプトなど、世界中の民族や地域から集めた格言、すなわち「不滅の教え」を、煩悩の数である108 種も収録した、美しい本である。
 基本的な体裁は見開きで、右ページに格言と愛らしいイラスト、左ページには著者によるスピリチュアルな解説、という構成。それぞれの格言は「健康な生き方への養生訓」「落ち込んだ気分を晴らす」「幸せのありか」「家族を想う」「人間関係を見つめ直す」「将来への展望をひらく」「より健やかな社会を作る」「古代人の警告」という8つのテーマに分類され、今すぐ自分に必要な格言にたどり着くことができる。
 どの格言も滋味にあふれ、シンプルな言葉の中に深遠な叡智が秘められていて、はっとさせられる。
 著者エリコ・ロウ氏はシアトル在住のジャーナリストで、マインドフルネス&ウェルネスのトレーナーでもある。氏によれば、格言は「草花の薬効成分を抽出した精油」のようなもの。常に本書を身近に置いて、生活の向上に役立ててほしい。


(月刊ムー2021年3月号掲載)

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