大富豪のクリスチャンが札束に命を救われた話など/南山宏・ちょっと不思議な話
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大富豪のクリスチャンが札束に命を救われた話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2012年2月号、第334回目の内容です。

文=南山宏

お金の効用

 大金持ちが金のせいで命を奪われることはままあるが、金のおかげで(文字通りに)命が助かった実例もたまには報告される。
 2010年5月のある日、ロシアの不動産開発業者で億万長者のクリスチャン・セーリン氏(52歳)が、息子のマルセル(27歳)が運転するリムジンで、ドイツはベルリン市外のアウトバーンを走っていると、だしぬけにヒットマン集団の車が後ろから追い抜きざま、ピストルの弾丸を2発打ち込んで猛スピードで走り去った。
 1発は逸れて路傍の壁にあたったが、もう1発は正確にクリスチャンの胸元に命中した。
 だが、弾丸は胸ポケットの大きな財布にぎっしり詰まったユーロ紙幣に阻まれて、クリスチャン氏の心臓までは届かなかった。
 5人の襲撃犯人は、大富豪親子が犯行車のナンバーを冷静にメモっておいたおかげで、数日後に全員あえなく御用となった。


死に真似

 台湾は台南市の仁徳医護管理専科学校では、「命の尊さ」を教える目的で、学生たちに遺書を書かせてから、死に装束をさせて、棺桶の中に横たわらせ、床下に10分間だけ埋葬する、という風変わりな“死に真似”授業を行っている。


宇宙漂流惑星

 宇宙空間を浮遊または移動する“宇宙都市”というのは、SFでは定番的なアイディアだが、惑星クラスの巨大天体がそのまま宇宙を“漂流”するという話は、さすがにSFでもめったにない。
 小説ではフリッツ・ライバーの名作『放浪惑星』(1964年)、テレビ番組では『スペース1999』(1974年)ぐらいだろう(後者の漂流天体は地球の月)。
 だが、そんな“宇宙漂流惑星”が事実上無数に存在することを裏づける国際的な最新研究が、権威ある英科学誌「ネイチャー」2011年5月19日号に発表された。
 発表者は名古屋大の伊藤好孝教授・阿部文雄准教授と大阪大大学院の住貴宏(すみたかひろ)准教授らを中心に、日本・ニュージーランド・米・ポーランドの大学・研究機関多数が参加する国際共同観測チームだ。
 実はわれわれの太陽系のような惑星系が形成される途中で系外にはじき出されたはぐれ者、と考えられるこの種の浮遊惑星の存在は、以前から一部の天文学者たちに”プラネター”と呼ばれて、理論的可能性が追求されてきた。
 同チームは光が重力に曲げられる重力マイクロレンズ現象を利用して、見えない惑星の位置を割りだし、地球から2万6000光年以内の空間を漂流するまたの名″孤児(みなしご)惑星″を確認したのだ。
 今回発見された10個はみな木星ぐらいの質量があるが、このクラスの巨大漂流惑星は恒星を回る惑星に劣らずありふれていて、チームの見積もりでは、おそらく恒星の数の倍は存在しているという。
 つまり、恒星数2000億を誇るわが銀河系内だけで、なんと4000億個以上の孤児惑星があてどなくさ迷っていることになる。
 これだけでも従来の宇宙観は大きな見直しを迫られるが、問題はまだある。今回の調査方法では、木星や土星より小さい質量の惑星はほとんど見つけられないのだ。
 ところが、新惑星系形成理論では、地球程度の小質量の惑星ほど、惑星系外にはじき飛ばされて漂いはじめる可能性が高いという。
 となると、まさに「事実は小説より奇なり」で、どうやらこの銀河系内空間には、未発見ながら地球サイズの惑星だけでも5000億以上、木星サイズまで合計すれば、1兆個もの惑星状天体がうようよと放浪していることになるらしい。


現代版ウロボロス

 アメリカ原産のキングヘビ、体長約90センチのレギー君は、おのれの尻尾をほかのヘビと勘違いして、ガブリとやったきり身動きできなくなり、すんでのところで安楽死させられそうになった。
 イギリスは西サセックス州フェイゲートのシアズクロフト獣医学センターに運び込まれ、外来種爬虫類の専門家ボブ・レナルズ氏が口をこじ開けて、食い込んだ顎を引き離し、消化寸前の尻尾を取りだしてなんとか事なきをえた。
 毒はないがガラガラヘビやトカゲを常食とするキングヘビの歯は後ろ向きに反っているので、いったん獲物にがっちり食い込むと、絶対に離れなくなる。
 レナルズ氏の話では、狭い空間でとぐろを巻いていると、よく自分の尻尾をほかのヘビと思い込んで、攻撃する性質があるという。
「とはいえ、こんなウロボロスにはめったになりませんがね」
 ウロボロスとは、古典ギリシア語で“尾を呑み込むヘビ(または竜)”を意味し、古来「死と再生」「不老不死」「永劫回帰(えいごうかいき)」などを表す宗教的象徴(シンボル)とされている。


呪われた路面電車

 1954年10月31日、クロアチアはザグレブ市の第13番路面電車が、時速80キロで走行中に脱線、4回も横転してから電柱に激突して、19人もの死者を出した。
 この路線はただちに廃止されたが、42年たって1996年に復活したところ、1年とたたぬうちに事故の最多発路線となった。
 その後2008年5月27日、またもや第13番電車が事故を起こして、乗客13人が負傷した。
 いちばん最近の事故は、2010年9月24日に起きた。第3番電車が停車していた第13番電車に追突して、負傷者数人を出し、“呪われた路面電車”の変わらぬ健在ぶり(?)を示したのである。


幽霊スカイダイバー

 2010年9月14日、米ニュージャージー州エッグハーバー・タウンシップの警察署に“身元の確かな信頼できる証人”3人から、たてつづけに同じ通報があった。
「午後3時20分ごろ、ジャンプスーツの男がパラシュートなしで飛行機から落ちるのを目撃した!」
 ただちに地上と空中から徹底的な捜索が行われたが、結果は何も見つからず、徒労に終わった。
 スカイダイバーが消息不明になったとの届け出はなく、周辺の空港や飛行場からもそんな事件が起きたという報告は寄せられなかったので、関係者はキツネにつままれたような気分になっている。


(月刊ムー2012年2月号掲載)

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