電波塔で世界が歪む!『リトルナイトメア2』の怪電波をジャック/卯月鮎・ゲームー案内
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電波塔で世界が歪む!『リトルナイトメア2』の怪電波をジャック/卯月鮎・ゲームー案内

書評家・ゲームコラムニストの卯月鮎がオカルト、超常現象、不思議が詰まった話題のゲームをムー的に紹介。このゲーム、ほかとはひと味違う!

文=卯月鮎 #ゲームー

『リトルナイトメア2』

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ダークホラー風味のアドベンチャー

『リトルナイトメア2』は、電波塔に支配された世界を探索するサスペンスアドベンチャー。バンダイナムコエンターテインメントヨーロッパが開発したということもあって、ダークホラーの不条理な世界のなかにお洒落な雰囲気も漂っていて人気となっています。

 前作は少女・シックスが不気味な巨大船からの脱出を試みましたが、今回は紙袋をかぶった少年・モノが、森のなかに建つ家に閉じ込められていたシックスとともに彷徨います。

 敵から身を隠しながらステージにある謎や仕掛けを解いて先に進む。薄暗く悪意で歪んだ森や学校、病院……この手のゲームが好きならたまらない一作です。では、ムー的キーワード3つをピックアップしましょう。

電波塔

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世界を支配する電波塔。

 主人公のモノと少女シックスが目指すのは、あちこちに置かれたテレビを介して世界を歪めている電波塔。ほとんどテキストがなく多くは語られませんが、このゲームの不気味さの象徴です。

 現実世界の電波塔というと、ムー読者なら異能の天才発明家、ニコラ・テスラの「世界システム」が思い浮かぶでしょうか。
 ニコラ・テスラは「フリーエネルギー」「人工地震」「霊界との通信機」といった数々の構想で知られるオカルト界のカリスマ。1943年、テスラが孤独のうちに亡くなった後、「彼の発明と設計図はFBIに没収された」という説があるのもその神秘性を助長しています。
「世界システム」とは、電波とともに無線で電力も送電するというアイデア。1905年、モルガン財閥の創始者J・P・モルガンの援助でニューヨーク州ロングアイランドに「ウォーデンクリフ・タワー」という高さ57mの電波塔を建て、テスラコイルでの無線電波&電力の伝送実験を始めました。しかしこれは失敗に終わっています。
 時は過ぎ、このテスラの世界システムが再び注目を集めています。実際に電波を使った大がかりなワイヤレス送電の実用化を模索する動きがあります。スマホにIoTデバイス、自動車と、1世紀前よりもはるかに電力の需要が増している時代。電波塔で私たちのすべてが管理される悪夢も近づいているのかもしれません。

背の高い男

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本作のキーとなる存在「シンマン」。

『リトルナイトメア2』で主人公・モノの前に立ちはだかるのが背の高い男「シンマン」。黒いスーツと帽子、異常に細長い体と手足の持ち主で少女シックスに執着しています。

 都市伝説で背の高い男といえば「スレンダーマン」。黒いスーツをまとい無表情で、特に子どもをさらうことで知られています。
 スレンダーマンは2009年にアメリカのネット掲示板で生み出された存在。多くの不特定多数の書き込みで肉付けされていきました。今では実在を信じる人々も現れ、アメリカではそれに関連する事件も起きています。ネットから生まれた、噂と想像力が形となった新しいタイプのフォークロアでしょう。

顔を隠す

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主人公のモノと黄色いレインコートを着た少女シックス。

 主人公・モノは、目のところに穴が空いた紙袋をかぶってこの世界を冒険しています。公式サイトのプロフィールでは「彼がかぶる薄い紙袋は憎悪に満ちた世界を忘れさせてくれるが、一時的でしかないそれが彼に永遠の休息を与えることは決してない」とのこと。

 現実世界で顔を隠すものといえば仮面や覆面。仮面は装着した者を、神や精霊など別の存在へ変える太古からの装身具でした。
 また、正体不明にするという役割もあり、この性質が強いのがヴェネツィアのカーニヴァルの仮面。記録によると12世紀にはすでに男たちが獣の皮をかぶった変装姿で町を行進していたといいます。やがて人々は仮面をかぶり、華麗な衣装をまとって2月末から3月始めの10日間、自由に振る舞うようになりました。身分によって行動も服装も規定されていた当時、この匿名性は社会へのアンチテーゼだったと言えそうです。
 一方、日本では、神仏に供え物をするときや貴い人の食膳を扱うときに自分の息がかかってけがれないように、口と鼻を覆う紙・布を「覆面」と呼んでいました。今で言うマスクの形状です。

 はたして主人公のモノは何のために紙袋をかぶっているのでしょうか? 考察もゲームの楽しみ方のひとつです。


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