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昭和的売文屋・五島勉へのシンパシー/初見健一・昭和こどもオカルト回顧録

昭和の時代、少年少女がどっぷり浸かった怪しげなあれこれを、“懐かしがり屋”ライターの初見健一が回想。
前々回、前回に続き、故五島勉氏の仕事を回想する。終末予言を発見、発掘した”売文屋”の生涯を讃えよう。

文=初見健一 #昭和こどもオカルト

前回は<こちら>

「売れた」ことで巻き起こる想定外の事態

 前回の本コラムの最後で、『ノストラダムスの大予言』があれほどまでのベストセラーになってしまったのは、五島勉氏にとっては「誤算だった」という言い方をしたが、もっと言えば、それは「事故」のようなものだったのだと思う。
 僕が取材したときも、五島氏は「私も、祥伝社の人たちも、あの本があんなに売れるとは夢にも思わなかった」と語っている。
 当然である。
 刊行の経緯を見ても、非常に失礼な言い方をしてしまうが、彼がそれまで無節操に(そこには若干の方向性があるにはあるが)手掛けていたエログロルポルタージュ、かなりインチキな雰囲気が漂うビジネス書、おそらく版元側からあてがわれた数々のやっつけ仕事(?)などの延長に、『ノストラダムスの大予言』の企画もあったのだろう。

 当時の新書の多くは、サラリーマンなどが週刊誌的な読み方をすることで消費される媒体だ。いわば「読み捨て」を前提にしているものが多く、そういう売れ方、読まれ方でペイできるようにハナから企画が組まれている。今でいえばコンビニ本に近い。もちろん直前に小松左京の『日本沈没』があり、これが常軌を逸した売れ方をして国内の終末論を加速させたという状況があったし、この作品もまた新書で出されていたことにも留意する必要はあるだろうが、そうしたことで五島氏が「ノストラダムスはイケるはずだ」と踏んでいたにせよ、その「イケる」は数字的にはたかが知れていただろう。キャリアを積んだプロの書き手として、この本の売れゆきも反響も「いつもの感じ」になると踏んでいたはずだ

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