「死者の告白」ほか7選/ムー民のためのブックガイド
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「死者の告白」ほか7選/ムー民のためのブックガイド

死者の告白 奥野修司 著

30人を超える霊に憑かれた20代女性の痛々しく生々しい体験と、除霊儀式の一部始終

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講談社/1760円(税込)

 評者は仕事柄、これまでにも悪魔や悪霊、死霊に生き霊、怨霊に動物霊などによる人間への憑依事例に関しては、それなりに資料や文献を読み漁ってきたつもりである。だが正直申しあげて、本書で描かれたものほどの凄まじい事例は、ほとんど記憶にない。
 強いていうなら「ルカ福による音書」にある「ゲラサの豚」の話が、かろうじて本事例に近いといえるだろうか。いいかえるなら、文字通り「神話レベル」の憑依事例が、こともあろうに、この現代の日本でおこっていたのだ。
 本書の主人公は、ひとりの若い女性である(ここでは「Aさん」としておく)。Aさんは幼いころからいわゆる「霊感体質」であり、ごく普通に死者の霊を見ることができた。それも、生きている人と見わけがつかないほどリアルに。家に帰ると部屋に下半身だけの霊がいた、などというのも日常茶飯事。彼女の毎日は霊との平和共存の日々であり、常に5、6人の霊が憑いていたという。
 だが父の死、そしてあの東日本大震災をきっかけに、霊たちの暴走が始まった。津波で死んだ大量の霊が一気に押し寄せ、彼女の肉体を乗っ取ってしまったのだ。その数、総計なんと30人以上。
 こうして完全に霊たちの支配下に置かれることとなった彼女に転機が訪れたのは、2012年6月。運命的に巡り会った曹洞宗通大寺の金田諦應住職により、実に10か月におよぶ除霊が開始されたのだ。
 この「除霊」が興味深いのは、いわゆる「悪魔祓い」のように霊を敵視して退去を命ずるのではなく、霊たちの話を根気よく聴いて成仏を促す、というものだった点である。
 憑依されたAさんは、あるときには霊によって身体から追い出され、またある時には死者の断末魔の苦しみを延々と追体験するなど、ともかく散々な目に遭う。その内容は想像を絶するほど痛々しく生々しいものであり、とりあえずは本文を読んでいただくしかない。人生観を一変させる深い衝撃の一冊といえるだろう。
 余談だが、本書には仏壇に供える高級和菓子のような、不思議な装幀が施されている。もしかしたらこの本自体が、本書で描かれた数多の霊たちへの鎮魂の「供物」として機能しているのかもしれない。

全身観相術の神秘 波木星龍 著

全身のあらゆる相の観方が掲載された、本物の奇書

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八幡書店/8800円(税込)

 何しろ出版元があの「八幡書店」である。ひと括りに「占いの本」といっても、昨今巷にあふれかえっているような、ライト層に媚びるだけの腑抜けた入門書など出してこようはずはない。そう頭ではわかっていた。
 だが本書の現物をひと目見て、評者はまだまだ修行が足りぬと痛感させられた。これはもう、その専門性といい網羅性といい分量といい執念といい、評者の予想の数倍上を行く、超ド級の硬派な百科全書であり、他に類を見ない「天下の奇書」である。「観相術」とは、読んで字のごとく人体の形質に基づいて、当人の性格や運命を読み取る術をいうが、まあ実際のところ、世に知られているのは「手相」と「人相」くらいのもの。
 だが本書では「全身」の標題通り、「頭骨相」「眼球相」「ホクロ相」「爪相」「足裏相」などから、「乳房相」や「陰毛相」のように、そもそもどうやって見るのかと思われるものまで、文字通り全身のあらゆる相の観方が詳細に記されている。
 それも東洋流も西洋流もひっくるめて、精緻な図版も満載して、である。いったいどれほどの研鑽を積み、準備を重ねれば、ここまでのものが書けるのか。まさしく驚嘆である。
 価格は確かに安くはないが、本誌と同じ版型で460ページ、二段組の大ボリュームとその情報量からして、妥当な値づけといえよう。ともかく、何十年に一度しか登場しない本物の奇書なので、見かけたら即買いされることを、心からおすすめする。

ディープステート 馬渕睦夫 著

元ウクライナ大使が語るディープステートの真実

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WAC/1540円(税込)

「2020年11月3日に行なわれたアメリカ大統領選挙において、現職のトランプ大統領が圧勝しました」と本書は宣言する。どこの世界線のことかと思われるかもしれないが、もちろん現在のこの世界である。著者によれば、実際には大敗していたバイデンが、大統領の地位を簒奪した背景には、世界を裏で牛耳る「ディープステート」の介入があったのだ。
 著者の馬淵睦夫氏は元外交官で、駐キューバ大使や駐ウクライナ大使などを務め、退官後は防衛大学校で教鞭を執っている。そんな人物であるから、当然世界の裏の情報にも通暁しておられるのだろう、と勝手に想像してしまうが、実際には本書の内容は「全て公開情報に基づいて」いるという。
 本書は、ここ100年に及ぶディープステートの、歴史の裏舞台における暗躍を白日の下にさらけ出すものだ。曰く、20世紀における2度の世界大戦はディープステートが仕組んだものであり、絶対悪として扱われているヒトラーは、実はそれほどの悪人ではない。むしろ諸悪の根源は共産主義であり、現在のいわゆるポリコレやSDGsなども、ディープステートの陰謀の一端である。
 そしてこの日本には戦前からディープステートの謀略が仕掛けられ、それは現在もなお継続中である。
 詳細は本書に譲るが、現在の世界情勢、およびその歴史的経緯に対する見方が180度覆される、危険な情報満載の必読書である。

聖地の条件 蒲池明弘 著

神社の始まりは、「10万年」以上前!?

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双葉社/1650円(税込)

「神社の始まりは、神道の始まりよりも古い」と著者はいう。そういわれると、建物としての神社以前の巨石や古木などに対する信仰のことかと早とちりしてしまうが、さにあらず。著者は神社の始まりとして、それらよりもさらに大きな「日本列島の大地の歴史」を措定する。
 そしてそのためのタイムスケールとして、とりあえず「10万年」という超古代が提示されるから驚く。
 著者の蒲池明弘氏は、元読売新聞記者。退社後は「神話や伝説が歴史と交差する可能性をテーマに」執筆を続けている。新聞記者としての修業の賜物か、まず本書は文章が抜群に読みやすい。緻密な構成、誠実かつ卓越した論理展開を、温和な語り口が耳心地よく届けてくれるさまは実に圧巻である。名文の見本として、中学生あたりの国語の教科書に収録してはどうか。
 それにしても10万年とは、いささかハッタリの効かせすぎと思われるやもしれぬ。何しろ10万年前といえば、その担い手がいわゆる人類、ホモ・サピエンスではなかった可能性さえ否定できないのだ。だが実際、出雲の砂原遺跡は、10万年以上前のものと推定されているのである。「国譲り神話」の核となる記憶が、超古代の急激な気候変動による土地の広範な水没にあった、という著者の推論には、文字通り興奮を禁じ得ない。最新の考古学の成果と古代の浪漫とが鮮やかに融合する、まさに極上の一冊だ。

夢を読み解く心理学 松田英子 著

「寝るのが楽しみになる」夢に関するよもやま話

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ディスカヴァー21/1210円(税込)

 あるとき、ふと再会した大学時代の仲良し3人組。いつしか話題は夢の話になり、3人は母校の心理学の先生の研究室を訪ねることになる。
 本書は終始、この先生(著者自身)と3人の卒業生との掛け合いという形式で、夢に関するよもやま話がざっくばらんに語られていく。
 このように読みやすく親しみやすい形式ながら、内容自体は特に近年進展著しい睡眠科学の最新の知見に基づいて、かなり高度な専門知識まで説明されるので、読み応えも十分。著者の松田英子氏(先生)は、臨床心理学その他を専門とする東洋大学教授。また臨床心理士として、実際にカウンセリングなどにも従事している人物であるから、内容の正確さに関してはお墨つきである。
 夢日記の真実、予知夢のメカニズム、金縛りの正体、明晰夢のコツなどといった、本誌読者なら思わず身を乗り出してしまうような話題から、悪夢と病理、夢の類型、夢とメタ認知、睡眠障害との関連に至るまで、およそ夢に関する一通りの情報はすべて網羅されている。特に、「夢と現実の区別が付かなくなる」などとまことしやかな噂のつきまとう「夢日記」に関しては、その安全性や効用についての太鼓判が捺されているので、安心して実践できる。 
 帯のあおりにもあるように、まさに「今晩、寝るのが楽しみになる」快著である。評者も本書を一読して奮然、その日から早速、夢日記を付けはじめたところである。

虹の身体の成就者たち ヨンジン・テンジン・ナムタク・リンポチェ 著

チベット古来の宗教ボン教の教えを説く

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ナチュラルスピリット/2750円(税込)

 イキナリ「虹の身体」といわれてピンとくる人は相当、チベット仏教に関する造詣の深い方であろう。本書によれば「虹の身体」とは、「ゾクチェン瞑想により心身が光に溶けていく現象」であり、それには「さまざまなレベルのものがある」という。「ゾクチェン」とは、チベット仏教古派およびチベット古来の宗教であるボン教に伝わる教義体系であり、「その教えの通りに修業することによって、今生でブッダの境地に到達できる」という。
 本書は、〈永遠なるボン教〉の最も重要な系譜の唯一の伝承者であるヨンジン・テンジン・ナムタク・リンポチェが、現存最古のゾクチェン経典『シャンシュン・ニェンギュ』の内容を説いたもの。英語で行なわれた講話の口述筆記を元に編集したもので、標題通り、過去にゾクチェンの修業によって「虹の身体」に到達した成就者たちのエピソードを中心に、修行者ではない者にも「虹の身体」とはいかなるものか、その一端が垣間見れるようになっている。
 正直、内容も文体も相当に難解で、チベット語などのカタカナ表記もとっつきにくい。だが本書によれば、「能力に欠けている人はゾクチェンの教えを理解できないし、それに関する書籍を読もうとも思わない」。つまり本書を読もうという意欲を起こした人は、それだけで「能力と縁がある人」なのだ。そのような選ばれし人なら、ぜひ積極的に本書を手にして研究していただきたい。

怖いほど願いがかなう 音と声の呪力 秋山眞人 著 今雅人[協力]

音楽の呪力を使いこなしていくためのマニュアル

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河出書房新社/1562円(税込)

 現代人にとって、今や「音楽」はなくてはならないものとなっている。映画にもゲームにもBGMは欠かせないし、携帯機器の発達によって、歩行中だろうと電車の中だろうと四六時中音楽にどっぷり浸る、ということも可能となった。これほどまでに音楽が「身近」となった時代は、おそらく史上初のことだろう。
 だが残念なことに、現代人と音楽との関わりは、ただ浅薄な「消費」でしかない。CDやmp3などで聴く音楽は、音楽本来の「呪力」を破壊されているのである。
 そう、音楽とは本来「宇宙の根源に意識を繋ぐ」ための呪術に他ならなかったのだ。本書は、今や失われてしまった古代の「音の叡智の体系」を復権させ、音楽の呪力を使いこなしていくためのマニュアルである。
 本書において著者は神秘の力を生み出す音の「3つの秘密の鍵」を提示する。具体的には「産声の音」「高次倍音の響き」「パルス」の3要素だ。
これらを適切に駆使することにより、「音に霊力・呪力が宿り、その音に触れる人の意識を大きく変え」ることができる。あらゆる願望を実現し、「神々しい存在と一体になった恍惚感」まで得られるというのである。本書にはそのための具体的な方法が満載されている。
 ロックにヘヴィメタ、クラシックに現代音楽、ジャズに雅楽。ジャンルは問わない。音楽を愛するすべての人に捧げる必携書。愛聴する音楽に対する認識が一変することだろう。


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