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スワジランドでは魔法飛行に罰金がある話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2015年1月号、第369回目の内容です。

文=南山宏

針の長旅

 スウェーデンはマーラ市のウルフ・ベルフストレムさん(63歳)は、1974年に腕に自分で刺青しているうちに、長さ17ミリの針をどこかに失くしてしまった。
 2014年5月、足の親指にできた血で一杯の腫れ物から、40年ぶりにその針が飛び出してきた。


スネーク・フライト

 カンタス航空機の乗客たちは、窓外に見える光景に仰天した。
 2013年1月10日、オーストラリアはケアンズからパプアニューギニアまで約2時間のフライト中、右側の翼の上に、体長3メートルほどのニシキヘビが必死にしがみついていたからだ。
 ヘビは前進しようとしては、高空のマイナス12度Cの強風に押し戻され続け、可哀想に機が目的地に着陸したときには死んでいた。
 ケアンズ空港を飛び立つ前に滑走路に侵入して、駐機中の同機の翼に這い上がったとしか考えられないが、乗客が気づいて騒ぎだすまで、パイロットも乗員も空港の地上員もまったく知らなかった。
 ちなみにこの珍ニュースを伝えたAP電によると、機内に故意に放たれた毒ヘビの群れと乗員乗客が闘う米スリラー映画『スネーク・フライト』(原題〝機上の蛇”日本公開2006年)の監督デヴィッド・エリスが、偶然ながら事件の1週間前、南アフリカ・ヨハネスブルクのホテルで急死した。


ノンテロリスト

 2013年8月6日早朝、全員黒ずくめの忍者姿の男女10人が、車3台に分乗してマレーシアの首都クアラルンプールの王宮前に乗りつけ、国王の座を要求した。
 すわテロリストかと思いきや、「アラーは唯一神なり、ムハンマドはその使者なり」と書かれた黒旗と書類以外に、武器らしきものは何ひとつなく、駆けつけた宮殿警護隊にも無抵抗で拘束された。
 当日付の〈ザ・スター・オンライン〉紙が伝えた速報では、彼らは男性8人と女性2人(うち1人は11歳の子供)からなるイスラム教系のカルトグループで、全員が国内各地の在住者だが、3人は身分証明書を所持していなかった。
 ただ書類には「グループの指導者は王家の末裔」とあり、さらに次のような主張が記されていた。
「われわれは世界が終わる直前に再臨する救世主、と予言されたイマーム・アルマフディの帰還に備えて、16歳から30歳の男子を徴兵し、兵員数300万の聖なる軍隊を急遽、編制するよう要請する」


同姓同名同病院

 退役警官のジェレイント・ウールフォード氏は2009年、慢性病の治療のためウェールズ北部のアバーゲイル病院に入院した。
 最後に落ち着いた病室は、やはり元警官で氏名も同じジェレイント・ウールフォード氏が入っている病室と隣り合わせになった。
 この珍ニュースを伝えた2013年1月19日付の〈デイリーミラー〉紙によると、両人は親戚関係ではなく、まったく初対面で、しかもイギリス連邦王国広しと言えども、同姓同名の人間はこのふたりだけしかいないそうだ。


魔法飛行制限

 アフリカ南部の小国、スワジランド王国の領空飛行規則が、このほどいちだんと厳しくなった。
 同国民間航空庁のサベロ・ドラミニ広報部長は、こう警告した。
「箒(ほうき)を使って飛ぶ場合、飛行高度は150メートル以下にしなければならない。違反した魔法使いは逮捕され、最高50万ランド(約640万円)の罰金を科される可能性もあるので気をつけてほしい」
 同国では、今も魔法使いや呪術師の存在が広く信じられている。


神の破滅粒子

「宇宙の全物質に質量を与えるヒッグス粒子は、いつの日か宇宙崩壊の引き金となるかもしれない」
 車椅子の天才物理学者スティーヴン・ホーキング博士が、去る9月2日に発表したショッキングな最新学説は、世界中を驚かせた。
〝神の粒子(ゴッド・パーティクル)”とも呼ばれるヒッグス粒子は、理論的には半世紀前から予言されていたが、2012年ついにスイスのヨーロッパ原子核研究機構で存在が確認された。
 宇宙がビッグバンで誕生すると同時に、ヒッグス場という見えないエネルギー場が宇宙全体に出現し、ヒッグス粒子がほかの全物質構成粒子に質量を与えたという。
 ヒッグス場はよく〝飴の海〟に喩えられる。重い物体ほど飴の粘性に絡まれて動きが鈍くなる。それが物質粒子の質量に相当する。
 ホーキングら〝ヒッグス粒子宇宙破滅説”論者によれば、このヒッグス場はエネルギー的に不安定なので、例えば、銀河同士間の真空のどこかで〝量子ゆらぎ(クォンタム・フラクチュエーション)〟が起きると、そこに〝より強いヒッグス場が含まれた真空の泡”が発生する。泡内のヒッグス場が少しでも強いと、泡周辺の原子を収縮させ、原子核を分解させるという。
 その泡が光速度で拡大して物質崩壊を引き起こし、ついには宇宙全体を破滅させる。計算上では、最後に宇宙に残されるのは水素原子だけということになるそうだ。
「それがいつ起こるか、いつ破滅がやってくるか、われわれは目下の段階では知るすべがないのだ」
 ホーキングはそう脅かす(?)が、さいわい同説を支持する同僚学者たちは「今すぐ起こることはないだろう」と楽観している。
 米フェルミ国立加速器研究所のジョゼフ・リッケンは喩える。
「時空の全てが安定的宇宙と不安定な宇宙の間を綱渡りしているのか、われわれの計算がどこかで間違っているのか、のいずれかだ」
 もし計算が間違っているとすれば、原因はまだ科学が発見していない物理学の基本部分にある。
 例えば、ビッグバンの際にこの宇宙と分離した反物質宇宙とか、この宇宙の27パーセントを占めながら、重力以外は正体不明の〝暗黒物質(ダーク・マター)”などについて、特性や法則がわかってくれば、おのずと計算結果も変わるだろうという。
 いずれにせよ、ホーキングがつねに正しいとは限らない。なにしろこの世界的に高名な天才学者はヒッグス粒子が発見される以前、同僚の米学者ゴードン・ケインと論争し〝ヒッグス粒子は永遠に発見されない”ほうに100ドル賭けて、みごとに負けたのだから。


(月刊ムー2015年1月号掲載)

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