西洋版コックリさん「ウィジャボード」の誕生と流行/初見健一・昭和こどもオカルト回顧録
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西洋版コックリさん「ウィジャボード」の誕生と流行/初見健一・昭和こどもオカルト回顧録

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霊との交信に用いられる神秘の文字盤「ウィジャボード」。19世紀欧米の心霊ブームを機に普及したスピリチュアル・アイテムだが、商品としての大ヒットの仕掛け人は、意外な業界の人物だった。

文=初見健一 #昭和こどもオカルト

儀式からゲームへ 

 典型的な昭和っ子のお正月の過ごし方といえば、三が日に集まった親戚の子どもたちと「人生ゲーム」「ドンジャラ」「魚雷戦ゲーム」などのボードゲームを囲んでワイワイガヤガヤ……というものだった。そんなことを思い出したので、新年一発目の話題は超ロングセラーのボードゲーム。いわゆるオカルト好きには説明不要の「ウィジャボード」のお話である。

「ゲームじゃないじゃん!」という声が聞こえてきそうだが、いや、アメリカ本国では「ウィジャ」はあくまでゲーム。「ジェンガ」「ツイスター」「モノポリー」、そして「人生ゲーム」を手掛ける大手メーカー、ハズブロが販売する「子どものおもちゃ」なのだ。
 クリスマスやハロウィンになると売り上げが伸びる商品で、特にクリスマスに親が子どもに買い与えるプレゼントとしては昔からの定番なのだそうだ。一応は「死者と交流するためのツール」とされているものを親が子に与える感覚は少々理解しにくいが、ともかくアメリカでは「ウィジャ」は「ちょっと不思議なパーティーゲーム」として定着しているのである。

ハズブロ「ウィジャボード」。かつてはメイプル材を使った風格のあるクラシカルな仕様だったが、1999年から販売される現行品は紙を貼りつけたペラペラのベニヤ板にプラスティック製のプランシェットのセットで、驚くほどショボい! 以前の重厚な商品については「ウィジャ」をテーマにしたホラー映画「呪い襲い殺す」2部作で確認できる。

「ウィジャ」の起源には諸説ある。
 宋朝時代の中国では特殊な筆記具(筆を取り付けたV字型、もしくはT字型の木片)を使って神仙からの託宣を自動筆記する「扶箕(ふき)」という”卜占”法が確立され、これを遠いルーツとする説もある。しかし、これはスピリチュアルな自動筆記そのもののルーツであって、この儀式で召喚されるのは死者の霊ではなく、神ということになるのだろう。

 より直接的な「ウィジャ」普及の契機となったのは、1840年代の欧米に降霊術ブームを巻き起こし、近代オカルトの幕を開けたハイズヴィル事件(フォックス姉妹事件)だ。当時、霊体との交信方法として「テーブルターニング」が大流行していた。丸テーブルを囲んだ儀式の参加者が手をつないで行う古典的な降霊術である。霊が呼び寄せられると、中央のテーブルが動いて床を鳴らすなどして合図の音を出しはじめる。この音をキーにして死者との交流を図るわけだ。
 その後、ラップ音によるモールス信号的なやりとりより、もっと直接的に言語を使った会話ができるシステムとして注目されたのが、「トーキングボード」「スピリットボード」と呼ばれる木製の文字盤、そして文字を指し示すハート(矢印)型の木片(プランシェット、「こっくりさん」における硬貨)のセットだった。

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