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お隣さんの屋根の上にいる/あなたのミステリー体験

不思議な雰囲気を漂わす転校生に、困惑を隠せない教師、そして生徒たち。さまざまな出来事が勃発しようとも、彼女は多くを語らない。やがて謎めく少女は人知れず引っ越し、この地を去っていった……。

イラストレーション=不二本蒼生


転校生

◆Nさん(53歳)/静岡県

 私は現在、学校職員としてある学校に勤めています。これは以前、同じ職場にいたK先生が体験した出来事です。

 K先生のクラスに、県外から転校生が来ました。Hさんという女の子です。
 複雑な家庭事情が関係してか、不思議な雰囲気のある女の子でした。だれもいない空間に向かって独り言をいったりすることがあり、そんなときは、まわりから霊感でもあるのかと思われていたようです。
 K先生が最も驚いたのは、先生のごく身近な人しか知らない古い知人男性のことをいきなりいわれたときでした。先生は、その知人と10年以上も会っていなかったといいます。彼女に、なぜ知人のことを知っているのかと尋ねたところ、彼女はニコニコするばかりでいっさい何も話してはくれなかったそうです。
 しばらくして、学校で遠足がありました。学校近くの山に登り、山頂ではクラスごとに集合写真を撮りました。
 後日、山頂で撮影した集合写真ができあがってきました。不思議なことに、なぜかHさんのすぐ後ろに重なるようにして大人の女性らしき顔が写っています。
 そのころHさんはショートヘア。後ろの女性は長い髪にパーマをかけていました。体はまったく写っておらず、顔だけが見えています。それが何とも不自然で、まるで心霊写真のようでした。
 Hさんはそんな女性のことは知らないといい、また写真を撮った人もそのとき周囲にそんな女性はいなかったといって、しきりに不思議がっていました。
 そんな写真を見てから何日かたったある日のことです。Hさんが左腕を骨折してしまいました。彼女の話によると、ちょっとした事故に遭い、転んだそうです。しかし、それ以上の詳しいことは、いくら尋ねても話してくれません。
 それから数日後、今度は何とHさんが右腕を骨折して登校してきたのです。彼女の話によれば、左腕のときと同じような事故に遭い、転んでしまったとのこと。それ以上の詳しいことは、やはりだれが尋ねても話してくれませんでした。
 結局、彼女は、ほぼ同時期に両腕を骨折してしまったことになります。両腕にギプスをしたHさんの姿はとても痛々しいものでした。
 K先生は、ケガの経緯について不審に思いながらも、彼女のことをとても心配していました。
 それから間もなくして、Hさんの家族から、急に県外に引っ越すことになりましたのでよろしく、という内容の連絡がありました。それはあまりにも突然の知らせでした。
 驚いたK先生があわててHさんの家庭を訪問しましたが、何とそのときにはもうHさん家族は引っ越した後で、Hさんと会うことは叶わなかったそうです。
 K先生の手元には、あの遠足のときに撮られた奇怪な集合写真だけが残されていました。その写真を見るたび、K先生はいつもHさんのことを思いだすそうです。そして彼女の背後に写りこんでいるパーマの女性のことを不思議な気持ちで眺めている、といっていました。
 写真の女性の存在と、Hさんが両腕を骨折したことは何か関係があるような気がしてなりません。

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