1883年の地球滅亡未遂の話など/南山宏・ちょっと不思議な話
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1883年の地球滅亡未遂の話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2012年7月号、第339回目の内容です。

文=南山宏

クシャミと弾丸

 イタリアはトリノの工芸職人ダルコ・サンジェマーノ君(28歳)は、2010年の大晦日を恋人と過ごそうと、ナポリにきていた。
 歳末の伝統的風物で、花火が上がり、爆竹が弾け、ときどき浮かれすぎた連中が空中にピストルをぶっ放したりする大通りを散策していると、運悪く22口径弾が逸れて、ダルコ君の側頭部に命中。頭部に潜り込み、右目の後ろで止まった。血は大量に出たが、偏頭痛がする程度なので、病院で診察を待つダルコ君は、思わずクシャミをした。
 とたんにポロリと、ダルコ君の右の鼻孔から弾丸が転げ落ちた!
 頭の中の弾丸の通り道に残った側頭骨の破片を外科手術で取り除き、傷ついた右目の網膜をレーザー手術で治療してから数か月、ダルコ君はすっかり元通りの元気な体を取り戻した。


バンジーAGA

 2011年12月11日付「ピープル・CO・UK」によると、5歳児の父親レイモンド・ケンプ氏(55歳)は、イギリス・デヴォン州エクスマスでバンジージャンプに挑戦し、スリルを満喫した直後から、どういうわけか数十年ぶりに、禿げ頭に毛が生え始めた。


アンビリバボー犬

 オーストラリアはダーウィンの店頭販売員フィル・ニュートンさん(30歳)は、世にも信じられない光景に目をまるくした。
 なんと1匹のイヌがハンドルに両足をかけて運転席に座った無人の2階建てバスが、店の前の車道をのろのろと通り過ぎたからだ。
 幸い運転席側の窓が開いたままだったので、フィルさんは走ってバスに追いつき、窓から半身を乗り入れて、サイドブレーキを引いた。
 バスは大きく進路をそれて、駐車中の乗用車にぶつかる寸前、危ないところでようやく停止した。
 200メートルのドライブを楽しんだワンちゃんのウッドリー君は、払い下げの2階建てバスを移動住宅に改造して使っているリチャード・マコーマク氏(62歳)お気に入りの愛犬で、毛の長いオーストラリアンクーリー種。
 ご主人がバスから離れて修理屋に立ち寄っている間に、勝手にバスを発進させてしまったようだ。
 牧羊犬のクーリー種は本来賢いイヌで、飼い主のそばにいつも付き添っているウッドリー君は、見よう見まねで運転を覚えたらしい。
 無免許運転とはいえ、イヌではしかたがない。事件を報じた昨年11月20日付UPI電によると、ウッドリー君は飼い主ともども、警察からのお咎めなしですんだ。
 ただマコーマク氏は〝再犯〟防止のために、サイドブレーキの位置を変えることにしたそうだ。


ハプニング芸術

 ドイツはドルトムントのオストワル美術館で、展示中の前衛的なオブジェの水滴模様を、去年の10月下旬、清掃員の女性がただのシミと勘違いしてきれいに拭き取ってしまったことが判明した。
 被害にあったのは国民的人気の前衛芸術家マルティン・キッペンベルガー氏の『天井から滴り始めるとき』という作品で、高さ約2.5メートルの木組みの塔状構造物の下に、水滴の痕のような模様が巧みに描かれたゴム製の桶が据えられているオブジェだった。
 時価80万ユーロ(約8600万円)は下らないが、作者が故人なので修復は困難と見られている。


本気にされない

 米カリフォルニア州リヴァーサイドのアルツーラ信用組合銀行に押し入った、50歳代と見られる道化師姿の強盗男は、結局手ぶらのまますごすごと退散した。
 男は顔に厚くおしろいを塗りたくり、唇に真っ赤な口紅をさし、両頬をピンクルージュで染め,派手なかつらをかぶり、さらに真っ黒なハンドバッグを抱えていた。
 駆けつけた警察官のコメント。
「バカバカしい格好すぎて、行員に本気にされなかったらしい」


世界が終わらなかった日

 まかりまちがえば、世界は1883年に最後の日を迎えていた?
 メキシコ国立自治大学の天文学者トリオが昨年10月に発表した研究報告によれば、1883年8月12日から13日にかけて、ハレー彗星の8倍も大きい彗星の破片の密集体が、地球からわずか500キロ前後の宇宙空間を擦め過ぎた。
 エクトル・デュラン・マンテロラ教授ら3人の分析の結果では、当時はわからなかったが、現在は発見者ふたりの名をとってポン・ブルックス彗星と呼ばれる約71年周期の彗星のなれの果てという。
 3人の主張によると、もともとは総重量10億トン以上の超巨大な氷と塵の球状天体だったが、今はさしわたしがそれぞれ50から800メートルもある3275個の破片に分解したと推測されている。
 このスケールだと、仮に1個が落ちただけでも、有名な1908年のツングースカ隕石爆発クラスの大被害をもたらすだろう。
 もし全部が衝突したら最後、恐竜時代や氷河時代に終止符を打ったとされる小惑星落下事件に匹敵するような大災厄となり、人類はおろか全生物の絶滅も免れない。
 3人がこの危険な彗星に関心を抱くきっかけになったのは、1883年に自国のザカテカス天文台のホセ・ボニーヤ博士が、太陽黒点の観測中に偶然発見して撮影したいわゆる〝UFO写真〟とか。
 博士はぼんやりとモヤに包まれたような1団の黒い小物体群が、明るい太陽面をのろのろと通過していくのを発見して、数枚の乾板写真に捉えることに成功した。
 小物体の数を447個までは識別できたと記録に残している。
 当時の同僚の多くは「鳥の群れが望遠鏡の視野内にたまたま紛れ込んだにすぎない」と嘲笑した。
 だが、20世紀後半にUFO騒ぎが起こるようになると、多くの研究家が「史上最初のUFO写真!」と持ち上げるようになったのだ。
 しかし、天文学者トリオの〝彗星分解〟説に対しては、「当時も71年後の1954年にも、ポン・ブルックス彗星起源の〝流星雨〟は観測されなかった」という根拠から、懐疑的な同僚も少くない。
 どの説が正しいか、ポン・ブルックス彗星が次回地球に接近する2024年4月1日まで、どうやら答えはお預けとなりそうだ。


(月刊ムー2012年7月号掲載)

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