異星人きっかけの親子喧嘩の話など/南山宏・ちょっと不思議な話
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異星人きっかけの親子喧嘩の話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2015年10月号、第378回目の内容です。

文=南山宏

異星人大統領

 英ウルヴァーハンプトンのショーン・ワトソン(25歳)は、近くに住む母親の家で、恋人と3人で酒を飲みながら議論するうちに突然激昂し、母親にパンチをくらわせ、鼻に噛みつくなどして、大怪我を負わせた容疑で逮捕された。
 陰謀論好きなショーンが「オバマ米大統領の正体は宇宙人だ」と主張したのを、母親が大笑いしたのが暴行の原因だったという。
 もっとも、ショーンは酔いが醒めるとすぐに後悔したらしく、ナイフで自殺しようとして、止めようとした母親とまた揉み合いになり、余計な切り傷や打撲傷を与えたあげく逃げ出して、外から電話で母親に「ごめん」と謝った。
 隣人の通報で警察に拘留されたものの、裁判では母親の陳情も考慮され、保護観察3年の条件つき仮釈放プラス被害者補償60ポンド(約1万1500円)と、罪状のわりには軽い刑が申し渡された。


ロボット殺人事件

 床でうたた寝していた52歳の女性が、作業中のロボット掃除機に髪の毛をゴミと判断され、巻き取られて怪我する騒ぎが、今年2月に韓国であったばかりだが、さる6月29日、今度はドイツのフランクフルト北方バウナタールのフォルクスワーゲン工場で、とうとうロボット殺人事件が発生した。
 22歳の工員が組み立てラインにロボット装置をインストール中、突然誤作動したアームに体を掴まれて、金属板に強く圧迫され、胸を押し潰されて事故死したのだ。
 作業中〝安全ケージ〟に入ってはいたものの、共同作業の相方がそのときケージの外に出ていたため、事故を防げなかったという。
 もちろん、ロボットによる致死事故はきわめて稀だが、この事件がロボット史上初めてではない。
 1979年には米ミシガン州のフォード工場で、作業員がロボットアームに頭を潰された。1981年には日本の川崎重工業の工場で、技師が故障したロボットを修理中、アームにグラインダーに押し込まれ、致命傷を負わされた。


批判的落書き

 名著『純粋理性批判』で世界的に高名な大哲学者イマヌエル・カントの生家は、今もロシアのバルト海に接する港湾都市カリーニングラード(旧プロイセン王国ケーニヒスベルク)にあるが、その古い建物の片隅には、いつ誰が記したのか、こんな落書きがある。
「カントは大まぬけ野郎だ!」


銀河ワームホール

「われわれの〝天の川〟銀河系は全体が超巨大なワームホールで、観測不能だがどこかに存在するダークマターのおかげで、崩壊せずに安定している可能性がある!」
 昨年11月、〈物理学紀要〉第350号で、イタリアはトリエステのSISSA(国際先進研究スクール)のイタリア・インド・北米合同チームが、最新研究の結果をそう発表して、学界を驚かせた。
 ワームホールとは、宇宙の離れた2点間を直結する仮想上の〝時空トンネル〟で、宇宙になぞらえたリンゴの虫食い穴(ワームホール)に由来する。
 別名を〝アインシュタイン=ローゼン橋〟ともいうが、これはあの天才アインシュタインと同僚ローゼンが、相対性理論から導き出した画期的アイディアだからだ。
 ワームホールを通れば、光より早く時空を移動できるとされ、トンネル内は宇宙外の超空間(亜空間)なので、ワームホールはパラレル宇宙同士や銀河宇宙同士をリンクするある種の〝連絡通路〟に使えるのではとも言われてきた。
 最近のSF映画『インターステラー』では、太陽系内に出現したワームホールを通って、別の銀河系内に生命惑星を探しに行く。
 3者合同チームの一員でダークマターの権威、天体物理学者パオロ・サルッツィ教授は解説する。
「推測されるダークマターの天の川銀河内分布図とビッグバンの最新モデルを組み合わせると、われわれの銀河系内のどこかにワームホールが存在し、銀河系自体がワームホールの可能性さえある」
 従来のワームホール説では、存在するには内部に莫大な量の〝負のエネルギー(ネガティブ)〟が必要とされてきたが、この新説では、天の川銀河内に存在する膨大な量のダークマターが、ワームホールを安定させる役目を担っているという。
「天の川銀河全体がワームホール、というのは究極的仮説だ。だが、ダークマターは〝別次元〟の可能性があり、それが支えるワームホールがあちこちにあれば、宇宙間や銀河間にまたがる壮大無比の宇宙交通システムとして利用できる時代が、将来くるかもしれない」
 いずれにせよ、科学者はワームホールをただのSF的空想ではなく、真剣な科学的探求の対象とすべきだと、教授は主張するのだ。


ヒマワリの渇き

 英児童文学者ジェラルディン・デュラントのツイートから――
 フランスのあるレストランで食事中、こんな場面に居合わせた。
 ヒマワリの花瓶がシャンパンのマグナムボトルを道連れに、ガシャンと床に落ちて砕け、出てきた店主が、給仕に雷を落とした。
 だが、10分後、別のヒマワリ花瓶が、またガシャンと落下した。
 花瓶に詰め込んだヒマワリたちが、水分を吸い上げすぎて花の部分が重たくなり、バランスを失ってひっくり返ったのだった。


予言者死す

 アメフトの世界王者決定戦スーパーボウルの勝者を、7年連続予言して的中させ、人気者だったオランウータンのエリー君が、昨年9月6日、持病の乳ガンの合併症を引き起こして、24歳で死んだ。
 エリーはカンザス州トピーカの動物園で生まれ、2004年にユタ州ソルトレークのホーグル動物園に貰われてきた。
 2011年、雄なのに乳ガンと診断され、除去手術を2度も受けた。オランウータンとしてはまだ中年ぐらいの年齢だが、最近はとみに元気をなくしていたという。
 予言の方法は、対戦する両チームの紙張り子ヘルメットか、チームロゴ入りミニゴールポストを用意して、どちらを選ぶかを見る。
 去年は、2月2日のスーパーボウル直前、シアトル・シーホークスの紙張りヘルを手にとって、みごとに勝者の予言を的中させた。



(月刊ムー2015年10月号掲載)

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