呪術医師による病欠証明書の話など/南山宏・ちょっと不思議な話
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呪術医師による病欠証明書の話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2014年2月号、第358回目の内容です。

文=南山宏

幽霊証明書

 南アフリカ労働控訴裁判所の上級判事3人は、呪術医師(ウィッチドクター)の提出した病欠証明書の適法性を認め、ダーバン市付近のレストランを解雇された元女性シェフのジョハンナ・ムメロディさんを、病気が治癒しだい復職させるようにと、レストランオーナーに勧告した。
「デイリーテレグラフ」2012年10月29日付によれば、呪術医師の病欠証明書には、ジョハンナさんが”死んだ祖先たちの幽霊を見る”ようになったので、彼らを〝無視する″ことで”傷つけない″ように、1か月間の休職が許可されるべきである、と記されていた。


宇宙の匂い

 宇宙飛行士たちの打ち明け話によると、宇宙船から国際宇宙ステーションに乗り移るたびに、いつも独特の匂いに気がつくという。
”肉の焦げた匂い″と”溶接機の炎に焙られて熱くなった金属の匂い″が入り混じったような不思議な匂い――と形容すると、大方の宇宙飛行士がうなづくそうだ。
「MXニューズ」2012年7月25日付によれば、宇宙遊泳を3回も経験したトマス・ジョーンズ氏は、船外活動からステーションに帰還するたびに”強いオゾン臭と微かな酸の匂い″を持ち込んだ。またステーション内には”硫黄の臭気″を感じたと証言している。


悲劇からの生還

 モハメド・エイサ・ダニアル・ハヤト坊や(1歳)は、メッカ巡礼を目的に家族とともに英ウェールズのニューポートを出発、サウジアラビアに入国して、2013年2月8日、タクシーに乗った。
 ところが、そのタクシーが運悪く橋に激突してひっくり返る大事故を起こしてしまった。運転手は即死し、同乗していたエイサ坊やの近親者5人――両親と祖父母と叔母も、全員が命を落とした。
 意識を失ったエイサ君も、家族全員と同じように遺体袋に収められ、遺体置き場に運び込まれた。
 だが、冷蔵室に入れられようとした寸前、係官たちがもぞもぞ動く遺体袋に気がついて、坊やを大急ぎで病院に担ぎ込んだのだ。
 エイサ君は肩を脱臼し、片腕と肋骨数本を折ったものの、亡くなった祖母のシャウカトさん(56歳)がしっかり両腕に抱え込んでいてくれたおかげで、致命傷は負わずにすんだ。2歳となった現在は、親戚のもとで元気に育っている。


チョコフィッシュ

 英国ロンドンのシーライフ水族館のスタッフたちは、キツネにつままれたような気分になった。
 新規購入したエキゾチックな東南アジア産大型魚が、健康体なのにどんな魚用の餌も受けつけず、困りはてて以前の飼い主に問い合わせたところ、キットカットのチョコレートウエハースだけで育てられたことが判明したからだ。
「チョコレート菓子を餌にしている魚なんて、これまで見たことも聞いたこともなかったわ」
 飼育員のレベッカ・カーターさんはぼやく。体重4キロを超えるジャイアントグーラミ(スズキ目キノボリウオ亜目の淡水魚)のゲーリー君は、現在フルーツ主体のダイエット食に励まされている。


危険な哲学

 2013年9月10日、ロシア南部ロストフヴォンドンで、ビール購入の列に並んでいた20代の若者ふたりが、イマヌエル・カントの『純粋理性批判』について議論するうちに、激しい口論になった。
 それが殴り合いに発展し、ついには一方が小さなピストルを持ちだして、相手を撃ちまくった。
 撃たれた若者はすぐ病院に担ぎ込まれたが、幸いゴム弾だったので、命には別状なくてすんだ。


駐車位置違い

 ドイツはミュンヘンで、2010年12月のとある晩、どんちゃん騒ぎのあと、へべれけ状態のゲリット・フェルバー氏(仮名)は、駐車場に駐めた愛車が消えていたので、警察に盗難届を出した。
 2年近くたってから、ゲリット氏がたしかにここに駐めたはず、という場所から4キロも離れた地点で、駐車違反取締官が違法駐車している1台の車を発見した。
 そのトランクから、今は33歳の腕利き職人となったゲリット氏の3万8200ユーロ(約540万円)相当の電動工具が見つかったが、違法駐車と放置駐車2年分の罰金総額はそれをはるかに上回った。


バウンティ号沈没

 大英帝国海軍史上に名高いバウンティ号のハリウッド製レプリカ版帆船が、2012年10月28日、米ノースカロライナ沿岸沖合でハリケーン・サンディの直撃をくらって遭難したとき、船上にはバウンティ号反乱事件の首謀者の遠い末裔の女性が乗り組んでいた。
 1789年、南太平洋のタヒチ島を出航した英海軍武装船バウンティ号上で起きたウィリアム・ブライ艦長に対する航海長フレッチャー・クリスチャンら部下たちの反乱事件は、当時のヨーロッパで大きな話題となり、その後多くの文学作品や映画、ドラマを生んだ。
 英語圏では5度も繰り返し映画化され、1935年製作の米映画『戦艦バウンティ号の叛乱』はアカデミー賞作品賞に輝いた。
 遭難したハリウッド製レプリカは、名優マーロン・ブランド主演の『戦艦バウンティ』(1962年)用に製作された本物そっくりの帆船で、その後『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(2006年シリーズ第2作)でも、18世紀当時の操船術のトレーニングを兼ねて再使用され、再出演を果たした。
 2012年10月25日、ハリケーン予報を無視してコネティカットからフロリダに向かったレプリカ版バウンティ号の男女クルー16人の中に、2世紀以上も昔の反乱首謀者の曽・曽・曽・曽・曽・曽孫にあたるクローディン・クリスチャンさん(42歳)がいた。
 クローディンは出港前、自分のフェイスブックに記していた。
「8代前のご先祖も……きっと誇りに思ってくれると確信する」
 だが、バウンティ号が転覆して嵐の海に放り出されたクルー16人のうち、14人は沿岸警備隊の救助ヘリに救出されたが、船長とクローディンは還らぬ人となった。


(月刊ムー2014年2月号掲載)

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