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「鑑賞するUFO」特集 未確認飛行物体に関する超常ムービー7選/秋月朗芳

先日の「聴くUFO」特集につづいて、「UFO手帖」編集長の秋月朗芳氏が、「観る」UFOを紹介する。目撃するのではなく、鑑賞するーー「UFO映画」である。

文=秋月朗芳 編集=高橋聖貴

非日常で味わうUFO映画

 新型コロナウイルスの急速な拡大によって、我々の自由は大きく制限されることとなり、完全にかつての日常に戻るのはまだ時間がかかるだろう。そこでサブスクリプション・サービスなどで自宅で観ることができる”UFO映画”をご紹介する。端々に「UFOマニアが気になる描写がある」「完全にフィクション(実際のUFO事件をもとにしていない)」7つの作品を選んでみた。

 UFO映画といえば、他の星から来た異星人とのファーストコンタクト、もしくは異星人の侵略をテーマとした極めて非日常的な場面を描いた作品が多いことは皆さんもご存知のはずだ。しかも現在は目に見えない未知のウイルスと戦っているという意味で、我々の今はUFO映画に負けず劣らず「非日常」な状況下にあると言えるだろう。そんな時なので一度観たUFO映画であっても、再度観るとまた違った感触を得られるはずだ。

1.現代的UFO映画の金字塔「未知との遭遇」

「未知との遭遇」/Close Encounters of the Third Kind(1977)

 1977年に劇場公開され、大きな話題となったスティーブン・スピルバーグ監督による映画『未知との遭遇』は、現代的なUFO映画の金字塔として最初に紹介するのにふさわしい傑作であろう。
 原題はUFO搭乗者とのコンタクトを意味する『Close Encounters of the Third Kind』、つまりUFOファンには馴染み深い「第三種接近遭遇 」である。また、冒頭からUFOの影響でエンジンや電気系統にトラブルが生じる「EM効果」が描かれるなど、当時のユーフォロジー(UFO学)の知見がふんだんに盛り込まれている。
 それもそのはず、この作品は「第三種接近遭遇」という言葉(分類法)の生みの親であり、プロジェクト・ブルーブック(米空軍に実在したUFO調査機関)の科学顧問であったJ・A・ハイネック(1910-1986)博士が監修として参加した本格的なUFO映画なのだ。

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 しかし、今回あらためてこの映画を観て少し驚いたのは、ドラマ的には感動的な箇所を一つも見つけられなかったことだ。公開当時は感動の大作という評判だったはずだ。我々はあの乱舞する電飾UFOに少し惑わされすぎていたかもしれない――。

 主人公ロイ・ニアリーは、UFOと遭遇した日から脳裏に消えることのないイメージが宿ることになる。ロイはシェービングクリームやマッシュポテトなど目に入る物を片っ端から手に取り、脳裏に残るイメージをなんとか形にしようと試みる。やがてそれに没頭するあまり精神の安定を乱し、職を失い、妻は奇行を繰り返すロイに嫌気が差して子供を連れて家を出ていってしまう。

 ――と、派手なUFOのシーンを除いて物語を追っていくと、わりと悲惨な話なのだ。観ようによっては、UFOによって理不尽に人生が変わってしまった者のドラマだと言えるかもしれない。しかし、実際UFOによって職や家族を失ったという話は多いので、それはそれでリアルだったりする。
 例えば、1973年に米アラバマ州フォークビルで宇宙人と遭遇し写真を撮影したジェフ・グリーンホウという警察官は、事件から一ヶ月たらずのうちに妻と離婚するはめになり、警察官も辞めせざるをえなくなった。また、「父は自分の体験を主張する代わりに家族という大きな代償を払わされた」と当時を振り返り語るのは、同じように家族を失ったウッドロウ・デレンバーカーというコンタクティーの娘だ。さらに60年代に宇宙人とコンタクトしたとして一時有名になったキャロル・ワッツに至っては、被害妄想を抱き、自分を捕らえにきたと勘違いした警官に銃を向け、しばらくのあいだ刑務所で過ごしている。

『未知との遭遇』に戻ると、その後もロイと家族が元通りになることはなく、それなのにロイは同じUFO目撃者のジリアンといい雰囲気になったり、最後には家族を顧みず宇宙人たちに誘われるがままUFOに乗せられちゃうしと、わりとメチャクチャなのだ。
 そもそもこの映画の主人公であるロイは、特別な取り柄がある人物ではない。あまりパッとしない電力会社のエンジニアだ。最終的にシャンデリアのような巨大なマザーシップ内部へと宇宙人に導かれていく、ある意味人類代表であるにもかかわらずだ。
 しかし、このように宇宙人と接触した者がごく普通の人であることも、ある意味UFO事件らしいと言える。例外はあるにせよ、これまで宇宙人と接触したと公言する人で、社会的地位や影響力がある人は極めて少なく、大半はごく普通の人だからだ。
「UFO体験は、ごく普通の人々が体験してしまう異常な出来事である」と言ったのは、『私は宇宙人にさらわれた!』の著者、ジョン・リマーだ。同書は遭遇者の家族関係や心理面など、あまり顧みられなかった見地からUFO事件を考察している。『未知との遭遇』は、この言葉の通りに描かれたUFO映画と言えるかもしれない。

2. UFO都市伝説を詰め込んだ「メン・イン・ブラック」

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