「鬼と異形の民俗学」ほか7選/ムー民のためのブックガイド
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「鬼と異形の民俗学」ほか7選/ムー民のためのブックガイド

鬼と異形の民俗学 飯倉義之/監修

日本の鬼のことがすべてわかる!鬼滅ネタのコラムも見逃せない1冊

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ウェッジ/1540円(税込) 

 もはや改めて語るまでもないだろう。2019年のアニメ化以来、日本のみならず全世界で大絶賛され、大ブームを巻き起こした『鬼滅の刃』である。昨年にはコロナ禍の状況にもかかわらず劇場公開された『無限列車編』が、これまた史上空前の大ヒットを飛ばしたことも記憶に新しい。
 令和の今、日本を、世界を、「鬼」が席捲している。評者の記憶する限り、オカルト界隈にこれほどのブームの追い風が吹いたのは『ダ・ヴィンチ・コード』以来のことではないか。そんな大ブームの中、はたして「鬼」とは何なのかを、懇切丁寧に解説する、良質な案内書が満を持して登場した。
 それが本書『鬼と異形の民俗学』である。
 本書によれば、現代人がイメージするような「鬼」が定着したのは、室町時代以降のこと。それ以前の日本人は「禍をもたらす正体不明の怪物や邪神、あるいは王権に服従しない異民族・異邦人のことをひろく〈鬼〉として観念していた」。
 そこで本書の第一章では、日本の鬼の「原像」ともいうべき「ヤマタノオロチ」から説きおこして、鬼の歴史をひと通り通覧する。この第一章だけで本書全体の半分以上を占めているから、読み応えは十分だ。
 続く第二章は、鬼以外の化物たちのカタログ。第三章は鬼と戦った修験者や密教僧などの紹介。そして第四章は、実際に鬼と出逢える聖地の案内となっている。
 また、ところどころにちりばめられた「鬼舞辻無惨と八百比丘尼」「竃門炭治郎と炭焼長者」などの鬼滅ネタのコラムは、まさにファン垂涎のサービスといえよう。
 この一冊で、日本の鬼のことがすべてわかる、『鬼滅の刃』副読本の決定版。監修と序文を担当された飯倉義之氏は、妖怪に造詣の深い國學院大學准教授で、内容的にも信頼がおける。
 それはよいのだが、実際に本書の「本文執筆」にあたられたのは、過去に本欄でもご紹介した『仏像破壊の日本史』などで知られる文筆家/編集者の古川順弘氏である。すなわち、古川氏こそ本書の実質的な著者であり、本書のクオリティを高めているのだ。にもかかわらず、氏のご尊名は本書の表紙にも扉にも記載されていない。他人事ながら少し違和感を覚えずにはいられない。

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福岡県太宰府市、宝満山(別名・竈門山)にある、宝満宮竈戸神社。宝満山は、大宰府の鬼門にあたる。コミック『鬼滅の刃』の聖地として、注目を集める。

ホログラム・マインドⅡ 宇宙人として生きる 
グレゴリー・サリバン/著

知られざる宇宙の真実を解き明かす入門書

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キラジェンヌ/1980円(税込) 

 本書の主張によれば、現在の地球は「アセンションの本番に突入している」。このアセンションとは、「高次元宇宙とのダイレクトな繋がりを取り戻すプロセス」である。
 著者であるグレゴリー・サリバン氏はニューヨーク生まれの音響エンジニア、音楽プロデューサーで、2003年より日本在住。2007年には「アメリカの隠された聖地アダムス山で、宇宙とのコンタクト・スイッチが起動」したという。2010年にJCETI(日本地球外知的生命体センター)を設立、「日本のこれまでの〈宇宙人〉や〈UFO〉といった概念を書き換え、全く新しい宇宙観を根づかせる活動」に従事している。本書はそんな著者が、知られざる宇宙の真実を解き明かす入門書。
 文字が大きく、フォントもくっきりしていて、とても読みやすい。だがその内容には、一般人の常識を遙かに超越する、深遠高度な情報がぎっしりと網羅されていて、そのすべてを繋ぎ合わせて理解することは至難の業。本書を精読し、そのいわんとするところをきっちり理解できたという読者は、おそらく本書でいう「スターシード」なのであろう。
 標題に「Ⅱ」とあるように、本書は2016年に上梓された『ホログラム・マインド 宇宙意識で生きる地球人のためのスピリチュアルガイド』の続編である。本書を先に手に取った方は、ぜひこの前作も併せてご覧いただきたい。本書の理解もより一層深まるだろう。

カラー版 地獄絵の日本史 末木文美士・小栗栖健治ほか/著

"地獄"のありとあらゆる情報が詰め込まれた一冊

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宝島社新書/1320円(税込)

「今明かされる衝撃の真実! 閻魔大王の正体は〈地蔵〉だった!」などというと、まるで某誌の総力特集のようだが、実はこれ、紛れもない事実。閻魔大王といえば、一般的には唯一絶対の地獄の王のようなイメージだが、平安時代の『地蔵菩薩発心因縁十王経』によれば、冥界には10人の王がいて、閻魔大王はそのひとりに過ぎない。この十王信仰の起こりは中国だが、日本ではこの十王のそれぞれに本地仏が配された。そこで、あの恐ろしい閻魔大王の正体は、実際には慈悲深い地蔵菩薩であるとされたのだ。
 そんな細かいトリビアから、そもそも仏教における地獄とは何か、キリスト教やイスラムの地獄とは何がどう違うのかという根本的な知識まで、およそ地獄に関するありとあらゆる情報をこれでもかと詰め込み、コンパクトにまとめ上げたのが本書である。しかも「カラー版」と銘打たれているとおり、全ページフルカラーで、重要文化財『十王図』、国宝『六道絵』、国宝『北野天神縁起絵巻』など、わが国が世界に誇る至宝の数々が惜しげもなく収録されているから、眺めているだけでも楽しい。
 珍しいところでは、平安時代から山中に地獄が実在すると信じられてきた、越中立山を描いた『立山曼荼羅』や、日本人の死後世界のイメージを決定づけた『熊野観心十界曼荼羅』も収録され、詳しく図解されている。地獄についての知識は、本書一冊押えておけば事足りよう。

精神世界3.0 秋山眞人・田口ランディ・江原啓之/著

田口ランディの「まとめ」が、実に巧み

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河出書房新社/1562円(税込)

 本欄の常連であり、人気・実力ともに日本を代表する正真正銘の超能力者・秋山眞人氏と、TVなどでもお馴染みの霊能力者・江原啓之氏。トップクラスであるこのふたりの霊的巨人に、両者とは旧知の仲である作家の田口ランディ氏を加えて、霊や超能力、霊界からUFO、神や宇宙、そしてコロナやオウム真理教に至るまで、幅広い話題を縦横無尽に語り尽くす、骨太な一冊。
 各章のはじめとおわりに、田口氏による導入部と「まとめ」が用意されているのだが、これが単なる導入と「まとめ」などではぜんぜんない、というところが本書の恐ろしさだ。
 対談という形式は、ときに対談者が絶妙なケミストリーを引き起こし、思いもよらぬ話が飛び出したりする利点もあるが、一方で、論説文に比べて話が散漫になりやすい。
 本書では、秋山・江原両氏が何気なく提供する膨大深遠な情報を、「霊も宇宙人も見たことがない」という田口氏が、「まとめ」において実に巧みにまとめ上げてくれているから、すとんと胸に落ちる。両氏のそれぞれの体験や思想体系には、一見相容れないと思えるものもあるのだが、田口氏の「まとめ」と考察のおかげで、両者が実際には同じことを語っているのが理解できたりする。実に素晴らしい書き手を得たものだ。
 文字通り昏迷の時代を迎えた現在、本書を何度も熟読し、「精神世界3.0」を自らにインストールしていただきたい。

死る旅 松原タニシ/著

「人の死」と誠実に、厳粛に向き合う

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二見書房/1595円(税込)

「死る旅」である。「死ぬ旅」でもなければ「知る旅」でもない。だがこの標題にはおそらく、その両方の意味が込められている。
 著者である松原タニシ氏は、「事故物件住みます芸人」。きっかけはTV番組の企画であるが、2012年にいわゆる「事故物件」、すなわち何らかの理由で人が亡くなった物件に住み始め、「これまで大阪、千葉、東京、沖縄など13件の事故物件に住む」。この間の顚末は『事故物件怪談 恐い間取り』および『同2』としてまとめられ、当然、本欄でも紹介した。
 その異様な迫力と独特の無気味さから、この2冊はたちまちベストセラーとなり、映画化までされるほどの人気を博した。
 さらに著者は、事故物件に住みつづけることで「明らかに恐怖に強くなった」と称して、次には全国各地の心霊スポットを巡る旅に出る。その成果をまとめたものが前著『異界探訪記 恐い旅』であった。
 本書は、この『異界探訪記』の続編的性質を持つ作品である。だが、著者の旅の意味は本書において劇的に深化している。旅の目的地も、単なる心霊スポットのみならず、「人の死」と誠実に、厳粛に向き合う場所が増えている。そして旅を重ねることで、著者自身が生きる意味を見出していく過程が実に秀逸である……などとしんみり思っていたら、何という意表を突くエンディング。
 はたして著者の運命は、この後、いったいどうなってしまうのか!

コティングリー妖精事件 井村君江・浜野志保/編著

妖精がもつ今日的意味を、多角的に考察

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青弓社/3080円(税込) 

 1917年、イギリスはヨークシャー州の小村コティングリーで、従姉妹同士であるふたりの少女、エルシー・ライトとフランシス・グリフィスが、奇妙な写真を撮影した。そこに写っていたのは踊る妖精や地の精ノーム。
 驚いた母親は、神智学協会の役員であったエドワード・ガードナーのもとへこの写真を持ち込んだ。これを本物と信じたガードナーは、同じ協会員であり、ご存じシャーロック・ホームズの生みの親でもあるコナン・ドイルに、この写真を見せた。
 著名人であるドイルが記事や著作で広く紹介したことで、この写真は一躍世に知られることとなり、多くの論争を引き起こした。だが後年、83歳になったエルシーは、この写真が捏造であることを告白し、論争は一応の決着を見た。
 だが今回、この事件にまつわるまったく新しい資料、すなわち「エドワード・ガードナーの鞄」が発見され、事件は新たに急展開を迎えることとなったのである。本書は、この新資料のすべてをつぶさに紹介し、妖精がもつ今日的意味を、多角的に考察する学術書である。編者の井村君江氏をはじめ、井村淳一氏や高山宏氏など、そうそうたる執筆陣が集結しているが、本誌読者にとって何より嬉しいのは、寄稿者のひとりとしてあの鏡リュウジ氏が名を連ねていることだ。氏の感性の瑞々しさ、論理の緻密さを改めて痛感させてくれる、まさに玉稿である。本書を購入する有力な理由のひとつといえよう。

世界人類の99.99%を支配するカバールの正体 西森マリー/著 副島隆彦/監修

カバールの執行機関はディープ・ステイトだ!

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 カバールとは何か。著者・西森マリー氏の定義では、「ヨーロッパで中世以降、何世紀にも渡って、世界を陰で支配してきた支配者」のことであり、「英国の王族と、ヴァチカン、そして中世から続く大銀行家の集団」であるという。さらには「このカバールの執行機関がディープ・ステイト即ち軍産複合体と主要国の諜報機関と報道機関」であるということだ。「ディープ・ステイト」の定義は論者によって異なるので一概にはいえないが、この定義なら、たしかに彼らは「存在する」し、世界に対して隠然たる支配力をふるっているというのもうなずけよう。
 西森氏は、過去に本欄でもご紹介した『ディープ・ステイトの真実』の著者でもある。大変な力作であった前作同様、膨大な資料を惜しげもなく投入し、目もくらむような情報量で圧倒するというスタイルは健在。遠く中世にまでさかのぼるカバールの歴史が詳細に語られる。「カバール」というファクターを通して見れば、世界の歴史の展開に一本の明瞭な筋道が浮かび上がってくるのが、実に空恐ろしい。
 本書の第9章は「第Q章」と題され、あのQアノンの驚愕の正体が赤裸々に明かされている。何と著者によれば、トランプ出馬以後の出来事は、すべてQのシナリオ通りに展開されてきたのだというから驚く。近く予定されているというトランプの復活劇と「大覚醒」の到来を、本書とともに見守りたい。


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