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ブータンの人食い魔女「シム」と怪僧の伝説を追う!/松本祐貴・現地レポート

秘境の国ブータンには、忌まわしき魔女「シム」が語り伝えられている。その脅威は過去のものではなく、現在も畏怖の対象だ。ブータン現地を訪れ、その実態を探った。
(ムー 2017年3月号掲載)

文=松本祐貴

今もブータンに出没する「魔女」

 チベット仏教の影響が色濃く残るブータン。人口はわずか75万人と熊本市程度。のんびりとした雰囲気が漂う国だが、今でも日常のそこかしこに「シム」と呼ばれる魔女を恐れる民間信仰が残っている。
 典型的な魔女の昔話としては、峠を越えるときに暗くなってしまい、絶世の美女が男に迫ってくるというものだ。そして、恐ろしい顔に変身した魔女が男を殺し、食べてしまうという。日本でいえば山姥だろうか。
 しかし、それは昔話にとどまらず、近現代でも魔女との遭遇譚はある――。いかにも手つかずの自然があるブータンらしい話である。

著者はブータンの魔女の実態を探るために現地調査に挑んだ。

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 まず、比較的最近の逸話をブータン中部在住の40代男性・クンブ氏が語ってくれた。

――20世紀初頭、ブータン北西のガサ城の大名に民衆はヤクの肉を献上していた。ある日、役人が肉の倉庫を見てみると骨だけになっていた。犯人は肉食のハチだった。怒った役人の男は6人の軍人に「ハチの巣を獲ってこい」と命じた。
 獲りにいった彼らは逆にハチに追いかけられ、シウラという場所にまで追いつめられた。そこには全長2メートルを超す、信じられないほど大きなハチの巣があった。5人は帰ろうといったが、1人は命令なので獲って帰るといってきかない。彼は1人で巣に向かっていった。そこには、蛇に変身した魔女がいた。男は格闘の末、蛇の首を切り、ハチの巣を手に入れた。
 城に帰る途中、バラナという村に軍人たちは泊まった。翌日、城にたどりついたのだが、退治した蛇の頭をバラナ村に忘れてしまったことに気づいた。
 あわてて村に戻ると、すでに村の人は全員死んでいた。首を切られた魔女が怒り、たたりを起こしたのだという。バラナ村は廃村となり、現在では廃墟の家が残るばかりだという――

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ブータン取材で目にした廃墟。シムに滅ぼされたものなのか、それともただの空き家なのか……?

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