「魔術の書」ほか7選/ムー民のためのブックガイド
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「魔術の書」ほか7選/ムー民のためのブックガイド

魔術の書 DK社 編/池上俊一 監修

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グラフィック社/4180円(税込)

9万5000千年前のネアンデルタール人の魔術からインターネット時代の魔術まで、あまさず収録

「魔術は、人類と同じくらい古くから存在している」。
 本書冒頭に掲げられた宣言である。魔術は時代や文化の枠組みをやすやすと超越する、人類にとって普遍的な精神操作の技術なのだ。その普遍性ゆえに、これまでにも、魔術の研究書・概説書は本邦でも数多く出版されている。名著も多い。そんな中、まさに「魔術研究書の決定版」というべき一冊が、満を持して登場した。それが本書『魔術の書』である。
 本書はまず「9万5000年前のネアンデルタール人」の魔術から説き起こされたかと思うと、そのまま「古代のルーツ」と題して、まるまる1章日本の国土の7割以上を占めると をかけて、先史時代から紀元400年ころまでの古代魔術が解明される。それもエジプトやメソポタミアのみならず、ギリシアやローマ、インドに中国に中南米、日本までがカバーされているから驚きである。
 ここまでで約60ページだが、既に新書一冊分に匹敵する読み応え。
 さらにその後も怒濤の展開で、中世ヨーロッパおよび中東の魔術を論じた「呪術もしくは医術」、ルネサンスや錬金術を中心とする「学者たちとサバト」、秘密結社や神秘主義、そしてタロットやスピリチュアリズムなどを取り上げる「秘密と儀式」、そして最終章「現代の魔術」では、魔術師クロウリーに始まって、人類学、ーエイジ、サタニズムまで、20世紀以降の魔術に焦点が当てられる。
 評者が最も興味を惹かれたのがこの章で、「ケイオス・マジック」や「インターネット時代の魔術」の項はとくに必見だ。 
 記述の内容は、入門書レベルをはるかに超えた本格的なものだが、全ページにフルカラーで、迫力満点の美しい図版が満載されており、ページをめくるのが苦にならない。この美麗な図版、そしてAB判(本誌と縦は同じで横は長い)で、300ページ以上の大ボリューム。これ一冊で、およそ「魔術」に関する古今東西のありとあらゆる情報を、あまさず収録した充実の内容だ。これが税別3800円というのだから、何らかの魔術が使われているとしか思えない。
 魔術愛好家のみならず、人間の精神文化に関心のある、すべての人の書架に愛蔵されるべき決定版である。

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密教仏神印明・象徴大全  藤巻一保 著 

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太玄社/3278円(税込)

万人に有益な、幖幟と仏神のハンドブック

 密教の用語である「幖幟(ひょうじ)」とは、「本誓や、仏菩薩が長い修行によって到達した悟り(内証)、諸尊が衆生を救いあげるに当たって駆使するとされる功徳の内容……を、さまざまなシンボルを用いて表したもの」。
 たとえば観音菩薩が手にしている蓮華や、不動明王の降魔の剣に羂けん索さくなどが挙げられる。この幖幟がわかれば、仏教に対する理解もぐっと深まるというものだが、あまりにも膨大かつ複雑で、並の人間にはなかなか手出しできないのが実情だ。
 そこで本書である。本書は、大日如来をはじめとする如来、菩薩、明王、天部、星神に道教神、和神まで、それぞれの仏神の姿と働き、さらに幖幟(梵字、手印、三昧耶形(さんまやぎょう)(真言を含む)とその意味を網羅した画期的な著作である。収録された仏神の数は何と90にもおよび、本書一冊あれば、こと仏教における仏や神に関して、困ることは何もなくなるだろう。
 気軽に手に取れるわかりやすい構成でありながら、本来なら秘儀に属するような深遠な内容が惜しみなく満載されており、まったくの初心者からそれこそ阿闍梨まで、万人に有益な必携のハンドブックなのである。
 著者・藤巻一保氏は、つい先月の本欄でも『偽史の帝国』と題する、重厚濃密な著作をご紹介させていただいたばかり。それに続いて本書である。こうも立てつづけに、これほどの労作を上梓されるとは、いったい何がどうなっているのか。文字通りの超人を目の当たりにする想いだ。

山の怪異大事典 朝里樹 著

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宝島社/2200円(税込)

日本全国津々浦々の、山にまつわる怪異譚

 日本の国土の7割以上を占めるとされる「山」。そんな山がちな国土に暮らす日本人にとっては、山は昔から生活と密接不可分のものではあったが、同時にまた、つい百年ほど前まで、昼なお暗い深山幽谷は文字通りの異界であり、山祇や天狗、人を化かす狐や狸に妖怪変化が跋扈する、化外の領域であった。
 そんな異界を畏怖しながらも、時に親しく接してきたこの国には、古代・中世から現代に至るまで、山にまつわる怪異譚がそれこそ山のようにあふれかえっている。そんな怪異の話を、日本全国津々浦々から収集し一覧できる、案内書のようなものがあればさぞ面白く便利であろう。そう思っていたら、これである。
 本書は、北は北海道・東北から、南は九州・沖縄、さらに「全国・場所不明」に至るまで、都道府県ごとに、神話の時代から現代まで、山の怪異をこれでもかとかき集めた、文字通りの集大成。収録された話は何と全788話に及び、ぱらぱらとめくるだけで、くめども尽きぬたのしみが味わえる。 
 著者の朝里樹氏は、「公務員として働く傍ら、怪異・妖怪などの研究・
収集を行なう」「怪異妖怪愛好家」。過去に本欄においても、『日本現代怪異事典』『世界現代怪異事典』『日本怪異伝説事典』の3作をご紹介させていただいたので、読者の中にはピンとくる方もおられよう。氏のファンはもちろん、面白い話に目がないという人は必見の大事典だ。

悪魔学大全 ロッセル・ホープ・ロビンズ 著

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青土社/5720円(税込)

魔女と悪魔学に関する情報のほぼすべてを網羅
 あれ、同じようなタイトルの本を過去にも見たことがあるなあと思ったら、何と本書は今から25年も前の1996年に、同じ版元から同じ標題で出版されていた書籍の復刻版であった。調べてみると、本書は2009年にも新装版として復刻されているから、何と今回3度目の登場ということになる。さらに調べてみると、本書の原書(直訳すれば「魔女術と悪魔学の百科全書」)の初版は1959年ということであるから、もう半世紀以上も前の本である。
 内容は「百科全書」の標題にふさわしく、半世紀前の時点で明らかになっていた、魔女と悪魔学に関する情報のほぼすべてを網羅しているといってもよいだろう。項目数は数えることすらもはや大義であるが、菊判で総ページ数650ページ以上、さらに三段組という判型からもおぼろ気にご想像いただけよう。手にするとずっしりと重く、文字の細かさもあいまって、読み通すのはかなりの難行苦行。総文字数など、想像するだけで気が遠くなる。翻訳者のおすすめに従って、とりあえずは序文に目を通し(これだけでも相当量ある)、その後は好きな項目を拾い読みする読み方でよいのではないか。
 3度目の登場ということで、巻末には翻訳者によるあとがきが3編も収録されているのだが、その3度目のあとがきがかなり怪しい。前2編に比べ、文体も内容も何か異様な雰囲気になっていて心配になる。悪魔に魅入られし者の宿命なのか。

彼らはどこにいるのか キース・クーパー 著

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河出書房新社/2970円(税込)

宇宙の生命探査の最先端がわかる一冊

 われわれは、孤独なのだろうか?地球外に知性や文明が、すなわち「異星人」が存在するのかと問いを立てれば、本書の読者の中には「もうすでに地球に来ている」とか「俺の隣で寝ているよ」などという方もおられるかもしれない。とはいえ、大多数の人にとっては、この問いは今も回答不能の謎であろう。
 地球外知的生命探査(SETI)は1960年代以来、連綿と続けられている。当初は、宇宙からの電波の観測が主流であったが、近年では観測技術や探査機の飛躍的な進歩により、まったく新しい段階に突入しようとしている。たとえば強力なレーザー光の有無の観測、あるいは生命居住可能領域(ハビタブルゾーン)や、異星文明による検知可能な技術的手段の痕跡(テクノシグネチャー)の探索へと、研究の領域が指数関数的に拡大しているのである。
 それにともなって、新たな問題も浮上している。
 たとえば異星人と遭遇した際に、彼らははたして地球人に好意的なのか? そもそもコミュニケーションは成立するのか? 地球生命にとってのハビタブルゾーンは、異星人にも当てはまるのか? といった問題である。そしてこれらの問いは、それぞれ利他行動、知能、生命と環境など、われわれ自身の謎を解く契機ともなる。何しろ著者によれば宇宙の探査とは、「人類自身が何者であるかを探ること」に他ならないのだ。宇宙の生命探査の最先端を知るための貴重な一書である。

数霊 深田 剛史/はせくらみゆき 著

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徳間書店/2530円(税込)

数霊を使いこなせば、宇宙の叡智と繋がる

 数霊とは、森羅万象を支配する数の力、といった理解でよいだろうか。著者によれば、古神道でいう「〈数霊〉と〈言霊〉の関係性は父と母のそれに等しく、それぞれに優位性がありつつ完全に対等であり、互いに尊び合った世界を形成している」。いい換えるなら、数霊と言霊は互いに変換可能である。
 本書は数霊とは何か、そして宇宙の叡智と繋がるために、数霊をどのように使いこなしていけばよいかを、懇切丁寧に解説する啓蒙書だ。「はじめに」を見る限り、本書は2009年に出版された『数霊に秘められた宇宙の叡智――かずたま占い』をベースとして、「基本的な部分は生かしつつ、第1~6章を一新」したものであるらしい。
 構成としては第1~5章は深田剛史氏による数霊に関するエッセイといった趣で、数霊によるコロナ禍の解釈や、令和時代の霊的使命など、さまざまな話題が語られる。第6章は、はせくらみゆき氏による数霊の解説となっている。
 そして続く第7章、実に本書の半分を占める「数霊辞典」こそ、本書の眼目といえようか。この章では、1から181までの各数字について、その形霊(数に対応する霊的図形)、キーワード、意味、数霊マントラ、その数霊を持つ名前の人の傾向、数霊アクション(数霊のメッセージを具体化する行動、アドバイス)が網羅されている。ぜひ本書を通じて、数の持つ神秘性に触れてもらいたい。

特攻兵器「原爆」 水原紫織 著

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ヒカルランド/2750円(税込)

広島と長崎についての衝撃の結論が導き出された!

 本書はまず「日本は英国領だった」という驚きの仮説から始まる。著者がその根拠として提示するのは、英国官報「ロンドン・ガゼット」の記事。
何と同紙の1859年3月4日付には「女王陛下は、日本の大君の領土において権能と管轄権を有する」と明記されているのである! これだけで、本書の立論は格段の説得力を持つ。
 次に著者は、米国による日本への原爆投下に関する、さまざまな疑惑を列挙していく。その過程で、何と著者は、人類初の核爆発は1940年に、この日本で、日本人の手によって成し遂げられたことを示すという、証拠の論文を発見するのだ。つまり公式に人類初の核爆発とされる「トリニティ実験」よりも5年も前に、である!
 それだけではない。著者の計算によれば、実際の原爆は重すぎて、爆撃機B-29では「運べない」というのだ。だが一方、船舶を用いた水中輸送ならばそれが可能。そうした事実から著者は、広島と長崎の核爆発は、「日本列島特有の自然環境と地理と、特攻隊員をフル活用した、一揃いの核実験だった」という衝撃の結論を導き出す。いったい何のために? それについては本書を読んでいただくしかないが、ともかく陰謀論の極北ともいうべき奇説が展開される。
 著者の水原紫織氏の著作には、以前本欄でご紹介し、物議を醸した『もう一人の「明治天皇」箕作奎吾』がある。同書に続いて、また新たな現代の奇書が爆誕した。


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