実話怪談「ランドセル」/黒史郎・化け録
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実話怪談「ランドセル」/黒史郎・化け録

心霊スポット突撃は、いつの時代も若者の定番。だがその結末は、「定番」ばかりとは限らない。
黒怪の記録・化け録、第2回は、そんなお話。

文=黒史郎 イラストレーション=北原功士

ランドセル

 これより記すのは、心霊スポットで拾った「ある物」を「なにか」が取り返しにくる話である。この系統で有名な話は、廃病院からカルテを持ちだすと、その病院から「返せ」と電話がかかってくるという怪談だろう。次の話もその類型だが、取り戻しにくるのは意外な存在である。
       
 20年ほど前のこと。
 Cさんは帰省した折に地元の友人らと久しぶりに会う予定を立てた。カラオケか居酒屋かと悩んだが、心霊スポットはどうだという話になり、学生時代のノリで行ってみるかということになった。
 夕方に友人ら3人と合流。ファミレスで食事をとり、深夜を待ってから移動した。車で30分ほど行くと古そうなトンネルに着いた。詳しい友人によると、ここは最近になって心霊スポットになった場所だという。
 車を置いて徒歩でトンネル内に入ると、ちょうど真ん中あたりの歩道の隅に、赤いものがぽつんと置かれている。ランドセルである。
 擦れて傷だらけで、肩ベルトが片方はずれている。半年ほど前からあるというが、このトンネルで子供が犠牲となる事故があったという話はたれも知らない。花や供え物も置かれていない。周辺に民家もないので、小学生が通学路に使うような道でもない。事故被害者の遺留品ではなく、ただ車から投棄されたものなのかもしれない。
 トンネルの真ん中に落ちている。ただそれだけで不吉な説得力を持つ傷だらけのランドセルは、橙のライトのなかで無気味に映えていた。

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