
霊に身も心も救われた話/怪奇ミステリー体験
読者から投稿されてきた、不思議で神秘的な出来事をご紹介。
今回は、消えたくなるような状況に追い詰められたとき、心霊現象が逆に救いとなった、そんな体験談です。
生きることに悩む私を死者の霊が励ました
◆長崎県/Sさん
私は幼いころからずっと、いわゆる霊感というものを「強い」とか「弱い」とかという以前に、あって当然の空気のようにとても身近に感じてきました。それは今でも変わりありません。
そんな私ですが、最近、ひどく落ちこんで、とても言葉にできないくらい強い苦しみを感じた出来事がありました。
そのとき、こんなに辛い思いをするくらいなら、いっそ死んでしまったほうがいいかもしれないと真剣に考えた瞬間があったのです。
そんなときでした。私の心に、直接、だれかが、こんな風に訴えてきたのです。
“お願いだから、自殺することなんて考えないで。心をしっかりと持って、前を見て。お願い。そうしないと、きっと私みたいに、後になって自殺なんかしちゃったことを必ず後悔するよ”
それはまさに私に対する必死の訴えでした。
そうはいっても、そんな声が私のこの耳に直接聞こえてきたわけではありません。私の心が直接、その真剣で強い思いを感覚として感じとったのです。
もちろんそれは言葉でもありませんでした。あくまでも感覚的に受けとった思いでした。
そのとき私は、恐らくそれは自分が自殺してしまったことを今も強く後悔している女性の霊の切ない思いだろうと、ごく自然に感じることができました。
どこのだれかもわからない女性の霊が、あまりの苦しさに負けて真剣に自殺することを考えていた私を、必死に救おうとしてくれているのだろうと。
その瞬間、私は、ハッとわれに返ったような気がします。
次の瞬間、私はこんなことではいけない。しっかりしなければ。自殺なんかやめよう。たとえこれからどんな辛い出来事があっても生きていかなければならないと強く心に決めていたのです。
私は見知らぬ女性の哀しい霊に心から感謝しました。
物心がついたころから何度となくとても身近に霊の存在を感じてきた私にとって、本来、霊というのはみんな驚くほど優しいものだという思いがあります。
もちろん、なぜ世間の人々が霊を恐ろしいものとしてイメージしているのかもわからないわけではありません。
でも、考えてみてください。たとえば、自分が落ちついて、心静かに暮らしている場所を、いきなり興味本位で覗きこまれたり、快い眠りを妨げられたりすれば、だれでも腹を立てると思います。
霊だって同じです。当然、霊はそうした不心得者を何とかして追いはらおうとします。たとえ世間の人々が、恐れ、怯えるような手段を使ってでも。
その結果として、世の人々に霊は恐ろしいものという悪いイメージが定着してしまっているのだろうと、私は思っています。
自殺を真剣に考えていた私を必死に止めて救ってくれた見知らぬ女性の霊だけでなく、ほかのどんな霊たちもみんな、本来は優しくて寂しくて、そしてとても可哀そうな存在なのです。
私自身のごく最近のささやかな体験をお話しすることで、少しでもみなさんの霊というものに対するイメージが変わってくれることを私は願います。
