『新すばらしきこのせかい』 サイキックな"死神のゲーム"@渋谷/卯月鮎・ゲームー案内
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『新すばらしきこのせかい』 サイキックな"死神のゲーム"@渋谷/卯月鮎・ゲームー案内

書評家・ゲームコラムニストの卯月鮎がオカルト、超常現象、不思議が詰まった話題のゲームをムー的に紹介。このゲーム、ほかとはひと味違う!

文=卯月鮎 #ゲームー

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尖ったアクションRPG、待望の新作

 2021年7月27日にリリースされた『新すばらしきこのせかい』は、2007年にニンテンドーDS向けに発売されたアクションRPG『すばらしきこのせかい』の最新作。前作はリアルに再現された渋谷で、能力に目覚めた少年が「死神のゲーム」に巻き込まれ、生き残りを目指して7日間を戦うという内容。シャープなセンスのビジュアルと音楽が話題となりました。

 今回の新作は、前作から3年後の渋谷が舞台。新たに行われる「死神のゲーム」に男子高校生のリンドウたちが挑みます。

 それでは『新すばらしきこのせかい』から連想されるムー的キーワード3つを挙げていきましょう。

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主人公の高校生・リンドウは能力に目覚め、数時間過去に戻って運命を書き換えられるようになる。

デスゲーム

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渋谷の街頭ビジョンで「死神のゲーム」開催を宣言するゲームマスターのシイバ。

 生き残るために数々のミッションをクリアしていく「死神のゲーム」が本シリーズの柱。こうしたデスゲーム、死の遊戯のルーツとして思い浮かぶのは古代ローマの剣闘士競技です。

 史料によると、もともと古代ローマでは剣闘士競技は葬儀の場で行われる追悼の儀式の側面が強かったようです。それが共和制末期から帝国初期にかけて世俗化して見世物となり、ローマの有名な円形競技場「コロッセウム」などで大々的に行われるようになりました。
 試合では剣闘士として育成された戦争捕虜や奴隷たちが、どちらかが死ぬか重傷を負うまで戦いました。剣闘士は装備によって、網と三又の槍を使う「投網剣闘士」、湾曲刀を振るう「トラキア剣闘士」、突くためのグラディウス刀と魚の背ビレのような兜を装備した「魚人剣闘士」などに分類されていたようです。異なるスタイルの剣闘士をマッチメイクさせることも多く、ある種、能力バトル的要素がありました。

7日間

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UG(アンダーグラウンド)と呼ばれるもうひとつの渋谷で、7日間のゲームが始まる。

 本作に出てくる「死神のゲーム」は7日間を生き抜くゲーム。この“7日”は世界中で意味のある区切りとなっています。

 週の7日制は、もともと太陰暦を運用していた古代バビロニアにルーツがあり、夜に見える月が7日ごとに著しく変形することに由来する説や、当時の人が知っていた太陽・月と五惑星(木・火・土・金・水)から取ったという説があります。古代ユダヤでも『旧約聖書』の「創世記」で、神が6日で天地を創造し、7日目に安息したという記述に基づき、1週7日制を採用していました。
 日本では、古くから「初七日」「四十九日」など、命日から7日ごとに法要を行う風習があります。これは、閻魔(えんま)をはじめとする10人の王が冥界で死者を7日ごとに裁くという「十王」信仰に由来します。法要を行うことで功徳を積み、死者の安穏を十王に嘆願するという意味合いがありました。

発火能力

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バッジを付け替え多彩なサイキックを放って戦う爽快なバトル。

『新すばらしきこのせかい』では、主人公の男子高校生・リンドウら登場人物がバッジを付け替えることで多彩なサイキック(技)を発動して戦います。そのバッジのなかでも初期に手に入るのが発火能力「フレイムサークル」。

 発火能力というとホラーの帝王であるスティーヴン・キングの小説『ファイアスターター』が定番。投薬実験の結果生まれた念力放火(パイロキネシス)能力を持つ少女と、その能力に目をつけた政府機関との戦いを描いています。
 キングはあとがきで、この本の大半は実際の出来事に基づいていること、米ソ両国が未開発の能力、空中浮遊と念力放火に資金を注ぎ込んできたこと、特に念力放火は「人体自然燃焼を中心とした事例」が多く報告されていることなどを記しています。

 ちなみに人体自然燃焼(人体自然発火)とは、人間が自然に発火して焼失する現象。密室にいた人物が焼死した状態で発見され、周囲には高熱の痕跡がなかったケースが多数報告されています。(参考記事はこちら)
 なぜ、周囲は燃えていないのに人体だけが燃え続けたのか? その理由は、タバコの火のような小さな火種が衣服に点火し、人体の脂肪がろうそくのような役割を果たしたから……という説が有力なものの、発火能力者のコントロールミスという説も捨てがたいものがあります。

参考文献
・ステファン・ウィズダム『グラディエイター 古代ローマ 剣闘士の世界』(新紀元社)
・本村凌二『帝国を魅せる剣闘士 血と汗のローマ社会史』(山川出版社)
・渡邊敏夫『暦入門 暦のすべて』(雄山閣)
・リン・ピクネット『超常現象の事典』(青土社)


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